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 [クルマ]アメリカのシボレーがミドシップ化して世界のスーパーカーになった!

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[クルマ]アメリカのシボレーがミドシップ化して世界のスーパーカーになった!

2019.10.08

アメリカ随一のトラディショナルスポーツカー、コルベット スティングレイが8代目を迎えるフルモデルチェンジで、伝統のFRを捨て去り、ついにミドシップ化を達成。 スーパーカーの世界決戦で頂点を奪うべくメジャーGMの執念は凄まじいものでした!

メジャーの底力というのは凄まじいな、と新型コルベット・スティングレイのアンヴェールで思い知らされました。なにしろ、65年におよぶコルベットの伝統をあっさりと捨て去り、並み居るスポーツカーの頂点を「量産車」で奪いにきたのですから。

前述のとおり、新型コルベット、コードネームC8最大のトピックはミドシップ化されたことでしょう。運動性能の向上を主眼においたレイアウトですが、「量産車」でやろうと思ったら並大抵の苦労ではありません。現代ならスーパーコンピュータを3台くらい使い倒さないと、居住性やら発熱やら、はたまたカーゴスペースといった問題は解決できなかったはず。ミドシップ化にあたって冒険しなかったのは定評ある6.2ℓスモールブロックエンジンLT2の搭載くらい。もっとも、これも低重心化に寄与するべくドライサンプに改良され、レース下のGでも焼きつかないよう配慮されています。今やコルベットはル・マン24時間を含め、GTレースのトップランナーとして君臨していますから、このあたりは「お約束」かと。

さて、本国ではGPSレベリングシステムというデバイスも装備されます。時速約40‌km‌以下ならフロントの車高を40‌mm、3秒以内に上げてくれる機能ですが、新しいのはGPSと連動し、自動的に上げる場所を最大1000カ所メモリしてくれるのだそうです。これで踏切も怖くないですね(笑)。

CHEVROLET CORVETTE STINGRAY

シボレー コルベット スティングレイ
価格未定  

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エンジン:6.2ℓV型8気筒OHV、最高出力:495hp/6450rpm、最大トルク:637Nm/5150rpm、全長×全幅×全高:4630×1993×1234mm、ホイールベース:2722mm、乾燥重量:1530kg(GMフリーダイヤル)

量産車でここまでの完成度は競合モデル太刀打ちできず⁉

コルベットは今回のフルモデルチェンジでヨーロッパのスーパーカーの領域にシフトしてきたといって差し支えないでしょう。ミドシップレイアウトだけでなく、磁性流体を駆使したマグネティックライドやフル電動シフトの8速DCTなど、ハイエンドなテクノロジーを満載し、96km/h加速3秒以下という超絶スペックは決して見劣りしません。ついにコルベットが頂点に上り詰める日が近づいたようです。

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スーパーなクルマになってもゴルフバッグは積めます!

ところで、GMにはミドシップ・スポーツカーに対応するトランスミッションが存在しないため、メキシコにある傍系会社TREMEC社と8速DCTを新たに開発したとされています。が、実はTREMECはベルギーのトランスミッション専門ファクトリーHoerbiger社を買収しています。同社はAMGやフェラーリ、マクラーレンと取引実績があった、といえばDCTの仕組みはわからずとも、大人の事情についてはお察しいただけるかもしれません。ちなみに、C8のパドルシフトは両方のパドルをホールドするとクラッチの接続を解除できるギミックがあるそうです。使ってみないとわかりませんが、ちょっとアクロバティックなドリフトなどがたやすくなるのだと思われます。

量産車として競合他社を凌駕するほど優れているのは、居住スペースを削りながらゴルフバッグ分のカーゴスペースを確保しているところでしょう。これもスパコンでなければ最適解到達まで百年かかるような難題だったに違いありません。それにしても、頂上決戦に出ようってクルマでもゴルフバッグかよ、ってツッコミたくなりますね。

さて、ここまで読んだら、新型コルベット、乗りたい、欲しい! となったかと思いますが、2020年の上陸までしばしお待ちください。

コル1

ミドシップ化に伴って刷新されたスタイリングはF22やF35といった戦闘機をモチーフにしたといわれますが、ディテールを見れば、従来のコルベットらしさはテールランプやシャークノーズなど所々に引き継がれています。 

コル2

センタートンネルが消え去ったことで自由度が増したコクピットデザイン。これまた戦闘機モチーフでしょうか、ドライバー中心の機能性に満ちたデザインで、シートに座るたびにアドレナリンが分泌されそうです。 

コル3

ヨーロッパ製のミドシップ並みにエンジンはリヤガラス越しに見える工夫がなされています。さすが、ショーマンシップ溢れるアメリカ、外から見えるインダクションポッドも派手なもんです。また、お約束のゴルフバッグもリヤトランクに収納可能。メジャーらしく売りにもこだわった結果でしょうか。

シボレー コルベットが3分でわかるおせっかい解説

65年の歴史を持つコルベットってどんなアメ車なの?

コルベットは1954年に初代が生まれた2シーターのスポーツカー。C1から始まったコードは、最新型でC8、すなわち8代目まで65年間、連綿と作り続けられてきたことを物語ります。2代目のC2にはGMのレガシーネーム「スティングレイ」の名がつけられましたが、この名前で呼ばれるのはC2とC8のみ。C3は日系人ラリー・シノダがデザインしたコークボトルライン、シャークノーズが印象的。C6からはGTレースで大活躍し、ヨーロッパでも大人気となっています。

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アメリカの古き良き時代にスティングレイと名づけられたモデルがありました

アメリカが強くて豊かだった1960年代、2代目C2はそんな古き良き時代の1963年にデビューしました。特筆すべきは「スティングレイ」のペットネームが付けられたこと。これは、クーペに採用された2分割のリアウィンドウ(スプリットウィンドウ)がスティングレイ(=赤エイ)のシッポをイメージしていたことからの命名でした。じつはC2登場前に製作されたXP-87というレーシングモデルも「スティングレイ」と名づけられていましたが、このXP-87とC2に機構上の共通点はありませんでした。

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コルベットを語るうえで忘れてはいけない2人の人物

コルベットの歴史上で欠かせない人物が、「コルベットの育ての親」と呼ばれるゾーラ・アーカス・ダントフ(写真左)。ダントフはそもそもレーサー兼エンジニアで、1953年にGMに入社して実験部に配属されると、すぐさまC1のチューンナップを行って大成功を収めました。そしてもうひとりがビル・ミッチェル(写真下)。1938年からGM市販車のデザインに関わり、C2のアイコンたるスプリットウィンドウを採用したのもビル・ミッチェルでした。

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問い合わせ先
GMフリーダイヤル ☎0120-711-276

石橋 寛/文

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