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 MADURO STYLEの家創り第6回「静岡だから実現できたアウトドアな家創りの実例/後編」

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MADURO STYLEの家創り第6回「静岡だから実現できたアウトドアな家創りの実例/後編」

2019.10.25

前回の連載では、“アウトドアな家”、静岡県清水町の清水さん宅を取材しました。家のオーナーである清水さんご主人から、家族のライフスタイルで考えた、こだわりのオーダーポイントと実際の住み心地について、お話を伺いました。今回はその後編として、建築家としてデザイナーとして、実際の図面を描いて施工した納得住宅工房の久保社長から、このアウトドアな家についてお話を伺いました。一番大切な家族と一番大切な時間を過ごすための、MADURO STYLEの家創りの原点が、ここにあったのです!

大久保 前回の連載では、2017年に建てられた清水さんのご自宅を訪問取材させていただき、いろいろとお話を伺わせていただきました。開放感があり、遊び心もたっぷりながら、住む人のライフスタイルにしっかりと寄り添う素晴らしい家だと共感しました。一方で、この家の完成に至るまで半年以上幾度も打合せを重ねて、いろいろと試行錯誤も多かった、とご主人の清水さんがおっしゃっておりました。実際にデザインした建築家の視点で思い返しても、やはり大変でしたか?
久保 清水さんの家創りは、昨日のことのようにハッキリと覚えています。まず最初に建設予定の土地を見た時に、すごいロケーションだなと思いました。
大久保 すごいとはどういった意味ですか? すごく良い? それとも……!?
久保 実は手を加える前のこちらの土地は、工場跡地の荒地で、しかも断崖な最悪の状態だったんです。と同時に、川と富士山が一望できる最高の眺望だなと。最悪な条件の変形地と最高に良い眺めが同居してる他にないロケーションでした。これは、家を建てられる状態に持っていくまで時間がかかるなと思いましたが、清水さんから熱意をもってご依頼いただいたので、やりがいも感じました。そこでこの眺望を活かし、どうにか私の得意な開放感のある家を建てられないか、清水さんの想いと私の想いを巡らせました。最初に描いた図面が、川と平行目線で伸びる2階のリビングダイニング&テラス。次に、1階に大きな車を数台置く駐車スペースを考えました。敷地面積の他に駐車スペースを取ることが難しかったので、1階の真ん中にゲートのような空間を創り、そこに駐車スペースを設けました。さらに、その左右に玄関を創ることで、向かって左側が家族用玄関、右側が奥様のピアノ教室や会社の事務所用の玄関にして、プライベートと仕事の玄関を完全2つに切り分ける図面を描きました。宙に浮かんでるように見せるため、左側の家族用玄関にだけ黒い石でコントラストをつけたり、黒いラインを一本上部に施して、家の全体像を引き締めました。いろんな意味でパワーのある土地だったので、家がその土地のパワーに負けてボンヤリ見えるのを避けるために、様々なインパクトある工夫を外観に凝らしているんです。

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大久保 なるほど。確かに内観にもたくさん黒のアクセントが多用されていますね。久保社長の特徴は開放感ある家とおっしゃいましたが、そういえば十八番である中庭的な吹き抜けのパティオは採用しなかったのですか?
久保 横に長い三角形の立地なので、吹き抜けのパティオよりも勾配天井が有効だと思いました。富士山や川の方に向かって屋根が高く開けているのに気づかれましたか? 見晴らしが良く開放感も感じられるのは、空に向かって角度をつけた勾配天井の賜物です。これで、屋根の上に備え付けたソーラーパネルの集光率アップにも繋がっています。まさに一石二鳥の妙手なんです。

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大久保 中庭的パティオの代わりに、富士山と川が同居する眺望は、まさにご主人の第一義と久保社長の開放感ある家創りが融合しています。さらに見えない工夫や配慮も久保社長の真骨頂ですね! あと私が気になったのは部屋の位置関係です。子供部屋とリビングの間にわざわざご主人のトレーニングルームを挟んだ配置には理由があるのでしょうか?
久保 1階をトレーニングルームにしたら、ジム好きな清水さんがトレーニングルームにこもって、2階に上がらなくなります。そしたら、家族との距離が離れてしまうと思い、あえて家の2階の真ん中近くに置かせてもらいました。適度な距離感は必要ですが、離れすぎると家族の時間が少なくなってしまいますからね。リビング側から見て視線を集めるテレビがトレーニングルームに向かっているのも、その上部がガラス張りになっているのも、パパの気配を感じられるためのひと工夫です。逆に夫婦の寝室や仕事をするための事務所を1階に置いたのは、その気配を感じさせないほうがいいということです。あくまでも家の中心は家族みんなで一緒に過ごす空間と時間です。2階のリビングから1階のピアノ教室や会社の事務所スペースに向かう階段をガラス張りのクールな作りにしたのも、オンとオフのメリハリをつけるためでした。

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大久保 とことん家族の生活をリサーチして繰り返して得た情報が家創りに溶け込んでいますね。家族が一緒に過ごすための空間創りは、こんなディテールにも現れるのですね。また、心の温度感まで組んで、部屋の配置や設計をなさっていることにも感服しました。
久保 ありがとうございます。あとこだわったのはトイレです。
大久保 トイレですか!? たしかに3つのトイレがありましたが……。
久保 そうなんです。家族用に2つ、仕事用に1つ。合計3つのトイレを設置しています。実はトイレって一番五感を刺激するデザイン空間として楽しめる場所なんです。それはあまり人が長く止まる空間ではない…いわゆる非日常空間だからです。なので、思い切って3つともまったく違う雰囲気にしました。清水さんも喜ばれていましたね。

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大久保 なるほど、トイレはどの家も同じようなら無難な創りですよね。こうしたディテールからも、帰りたくなる家創りの工夫や、遊び心、細かい配慮が伺えます。まさに久保社長に設計してもらいたいというリクエストが絶えない理由なのですね!

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[納得住宅工房Co.,Ltd.]代表取締役CEO 久保 淳
1999年、納得住宅工房を設立。2019年現在、静岡県内にショールーム5店舗とモデルハウス2棟を展開。住宅、エクステリアに関する数々の賞を受賞。施主の感性や理想を引き出す設計提案、欧州のトレンドや伝統を取り入れた建材やオーガニック素材、ハイスペックな住宅性能をトータルコーディネートしたオーダーメイド住宅を年間150棟ほど手掛けている。アパレルショップ「ポルタロッサ」のオーナーでもある。https://www.nattoku.jp
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[RRデジタルメディア]代表取締役 大久保清彦
『LEON』を企画創刊し、その後『OCEANS』、『ローリング・ストーン日本版』を企画創刊。『ヨガジャーナル日本版』のオンラインを立ち上げ、セブン&アイ出版の常務執行役員を経て、2018年に設立したRRデジタルメディアでは、自身が総編集長を務める『MADURO』の他、『ソトコト』、『THE RAKE』を傘下に収め、オンライン化を果たす。自身も一児のパパとして、仕事と子育ての両立に奮闘中。https://maduro-online.jp

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