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 [LIFE]法律相談連載第1回「家族に取り巻くトラブル相談、多い順ワースト5」

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[LIFE]法律相談連載第1回「家族に取り巻くトラブル相談、多い順ワースト5」

2020.03.09

今月からスタートする新連載。弁護士の先生に家族に降りかかるトラブルとその予防策に関してうかがっていきます。

弁護士のお世話になるのは、他人事だと思っていませんか? 実は弁護士事務所には、家庭にまつわる相談事がけっこう持ち込まれるんです。連載初回は、どんな相談内容が多いのか、これから連載を担当する熊谷弁護士に聞いてみました。

法律相談

MADURO編集部(以下M) 弁護士事務所にはいろいろな問題が持ち込まれるかと思いますが、家族の相談事としてはどんな案件が多いですか。

熊谷氏(以下熊谷 敬称略) 社会の高齢化、親族関係の希薄化とともに増えてきているのが、相続問題です。これが一番多い相談事ですね。

M 親の遺産で兄弟が揉めるというパターンですね。相続に関係する税制や法律(相続法)が改正される影響もありますか?

熊谷 相続税の基礎控除※1が縮小されたことで、相続税を払わなくてはならない人の数が爆発的に増え、その対策についてのご相談が増えました。特に、都心に不動産を持っていたりすると、不動産の価額だけですぐにそれなりの相続税の金額になってしまうので要注意です。預貯金がそれほど多く持っていなくても、相続税はきちんと全額払わなくてならなかったりするんです。それから、不動産は、遺族でどう分けるかが問題にもなります。一方が不動産を継ぐ場合、もう一方にお金を払わなきゃいけなかったりするわけです。

M 不動産しかない家が一番大変そうですね。分けるのが難しいですから…。

熊谷 家族間で揉めないために、親に事前に遺言を書いてもらうなどの備えが必要になります。その際、法律的な知識も必要になるので、親御さんからの事前相談も多いです。

M 相続問題の他に多いものは?

熊谷 離婚や男女関係にまつわる問題です。離婚問題が持ち上がった時、子供がいる場合は、親権が問題になることが多いです。通常は母親側に親権を持つことが多いのですが、父親側の家が跡取りとして子供の親権が欲しいと強く主張するケースで揉める場合も多々あります。その他、財産分与、慰謝料、養育費なども問題になります。「生活費を渡してもらえない」といった経済的DVに関する相談もあります。

M どれもどう備えるのか難しそうですね…。他によくあるトラブルは何でしょうか。

熊谷 子供をめぐるトラブルですね。例えば、子供同士のトラブルで、相手にケガをさせてしまって慰謝料を請求されるケースです。特に小さな子供のケガのトラブルは、子供の将来まで視野に入れた大問題に発展することもあります。また、子供が大きくなってくると、自転車で高齢者をはねてしまって1億円近い賠償金を請求されるケースもあるようです。

M そうした場合の備えは何でしょう。

熊谷 賠償請求が来たときに、自分で判断せず、弁護士に相談していただきたいです。現実的な備えとしては、個人賠償責任保険※2や自転車の保険などに入っておくことも有効です。

M 他に挙げられるトラブルとしては?

熊谷 隣人トラブルです。マンションの上階の騒音であるとか、ペットの鳴き声や臭いに関する揉め事ですね。ペット可の物件でも、鳴き声、臭いのトラブルになることが多くあります。法律事務所への相談は多いのですが、法律だけで決着をつけるのは難しい分野です。

M 他にも、ここ最近で増えているトラブルはありますか?

熊谷 最近ならではの相談としては、SNSの書き込みを巡るデジタルな相談があります。「こういうことを書き込まれた」「削除できないか」といった訴えは、子供同士でも大人同士でもあります。

M マデュロの世代になると、親の高齢化もいろいろ心配になってきますが、そのあたりはいかがですか。

熊谷 年齢を重ねるとともに、特殊詐欺、訪問販売などのトラブルに巻き込まれることも増えます。あと、高齢者の交通事故が社会問題化したことで、「運転免許をどうにかして返納させたいので、先生が話に入ってください」といった相談が持ち掛けられることもあります。親のトラブルへの備えとしては、子供が親に直接あれこれ言うより、弁護士や医師など第三者の力を上手に借りたほうがいい場合もあります。

M なるほど! 今後、これらの家族にまつまる問題の予防策、対応策を、熊谷先生に詳しく解説していただく連載が始まります。弁護士ならではの視点でお話しいただきますので、皆さんご期待ください。

相続税の基礎控除※1
故人の残した財産のうち、相続税が課税されずにすむ金額のこと。「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」で計算する。以前は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の人数」だった。

個人賠償責任保険※2 (個人賠償責任補償特約)
日常生活で、契約者やその家族が他人にケガをさせてしまったり、他人のものを壊してしまったりして、損害賠償責任を負った場合に補償を受けられる保険(特約)のこと。

中日綜合法律事務所 弁護士
熊谷考人さん
企業案件、相続案件を多く扱う弁護士事務所に所属。プライベートでは4歳の娘さんがいるMADURO世代です。

    

鷺島鈴香/文

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