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 夏休みも終わって、いよいよ新学期! 今年のコロナ禍のサマースクール事情は?/第18回

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夏休みも終わって、いよいよ新学期! 今年のコロナ禍のサマースクール事情は?/第18回

2020.08.30

21世紀脳を持つインターナショナルな子供の育て方連載第18回目はインターナショナルスクールの特徴はこれでわかる!と題して「夏休みも終わって、いよいよ新学期! 今年のコロナ禍のサマースクール事情は?」。 夏休みも終わり、いよいよ新学期。この夏も、各インターナショナルスクールではサマースクールを開催していました。毎年夏休みに行われるサマースクールは在校生徒だけでなく、他校の生徒もビジターで参加できるので、各インターナショナルスクールでは特色を出してきて、多種多様なカリキュラムを行います。今回はそのサマースクールについて。

9月になっても残暑が続きますが、昨今のウィズコロナでマスク着用や窓の開放など、皆さん、感染対策にまだまだご苦労されていることと思います。これまでの夏でしたら、スイス、カナダ、アメリカ、オーストラリアのサマースクールへ日本の子供たちも多数参加していましたが、今年の夏は海外移動ができないこともあり、状況は変わってきているようで、日本国内のサマースクールに参加していた模様です。このサマースクール(またはサマーキャンプ)には様々なタイプがありますので、ご説明していきたいと思います。

まず1つ目は、英語学習が主目的の「ESL(※1)サマースクールクール」。これは英語学習が主目的で、午前中はみっちり英語を学び、午後はゲームやスポーツなどを楽しむ構成。2つ目が、テニス、ゴルフ、乗馬などを学ぶ「スポーツ系サマースクール」。各スポーツの上達を目指しながら、同時にスポーツを介して英語力アップを目指します。そして3つ目が「アウトドア・サマーキャンプ」。大自然の中でハイキングやカヌーなどのアウトドア・アクティビティを楽しみながら英語を学びます。

そして4つ目が数学、歴史、サイエンスなどを英語で学ぶ「アカデミック・サマースクール」。我がローラスが毎年開催している「STEAM(※2)サマースクール」が、この4つ目にあたります。ローラスのサマースクールは、毎年サイエンスのテーマを決めて開催しています。昨年2019年のテーマは「サイエンスの天才たち」。そして今年2020年のテーマは「Planet Ocean〜海の惑星」でした。これは子供たちが海が大好きなようで、今回の参加者は他校からの駐日、在日の外国人生徒の参加も多く、多国籍にわたっていました。ちなみに内容は、小学生にしてはなかなかのハイレベル。5週間に渡りサマースクールを行いましたが、毎週内容を変えて、第1週目は「深海の探索」、第2週目は「海の生物〜Bio mimicry(※3)」、第3週目は「海の気象とマリンエコロジー」等です。主に午前中はレクチャーや関連するビデオを見たり、インターネットで調べたり、本を読んだりの座学。そして午後は実際の製作作業に入ります。

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今年のローラスのサマースクールの授業の模様を一部を説明していきます。第1週目のテーマ「どうしたら深海を探索できる?」という問題提起のもと、午前中は海の深さによる水圧の変化、深海における視界、深海の生物などについて学びました。そして午後は実際に潜水艦を作っていきました。ここからがSTEAMサマースクールの肝心要の部分ですが、潜水艦を作るにあたって製作キットをつかったりはしません。また、先生が製作手順を教えたりはしません。潜水艦を作るにあたり、生徒は密度や浮力についても学ばなくてはなりません。いろいろな素材を水面に置き、潜水艦が浮くには何が一番ベストなのか実験が繰り返されます。生徒一人一人が潜水艦をデザインし、材料を決めていきました。さらに潜水艦のボディになるペットボトルにモーターを付けて潜水艦を前進させていきますが、浮きすぎたり沈み過ぎないためにNuetral boyancy(※4)が必要です。中性浮力のことなのですが、ここが生徒たちが一番苦労したパート。ペットボトルの中に重曹を入れたり、潜水艦の下に砂の重りを付けたり減らしたりして浮力調整。「It's working! I made it!」と何度も何度もやり直して、成功したときの生徒の顔がなんと輝かしいことか! このSTEMのアクティビティーを毎日生徒自身が撮影し、iMovieを使って動画に編集し、記録していきます。どうしたら問題解決できるのか? そのソリューションは有効だったか? 何を学んだか? ゴールは?など、1日ごとに動画を編集し、説明を加えていきます。

このサマースクールで、生徒たちは単にサイエンスやエンジニアリングの知識を詰め込むのではなく、それを使って現実世界の問題解決に取り組みました。自分自身の頭を使って考え抜くこと、失敗を恐れず、失敗しても何度でもやり直していくマインドセット(※5)を身に付けてくれることが、サマースクールでのゴール、目標なのです。

【注釈】
ESL(※1)
「英語を母語としない生徒が英語力を補強するために履修する科目」のこと。大学の科目にもなっています。

STEAM(※2)
Science, Technology, Engineering, Mathの頭文字をとったSTEMにArtのAを加えたもの。つまりSTEMの進化版が、このSTEAM。今回、ローラスのサマースクールで生徒は2つのアプリを使って、STEAMの5要素を学び、とても神秘的な深海についてのデジタルアートを作りました。

Bio mimicry(※3)
生物模倣の意味。生物が持つ特徴を模倣して技術開発に応用すること。

Nuetral boyancy(※4)
中性浮力。つまり、浮こうとする「+(プラス)浮力」と、沈もうとする「ー(マイナス)浮力」が釣り合った状態のこと。

マインドセット(※5)
教育や経験などの学習から得られる、物の見方や考え方。

インターナショナルスクール

ローラスインターナショナルスクールオブサイエンス 学園長
日置麻実さん

東京、神奈川に8校のSTEMインターナショナルスクール、英語スクールを運営。日本に未来のイノベーターをたくさん輩出することを使命とする。上智大学外国語学部英語学科卒。

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