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たまには時計マニア的なお話し。スイスの独立系同士がコラボしたマニアックな複雑機械式

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たまには時計マニア的なお話し。スイスの独立系同士がコラボしたマニアックな複雑機械式

  • 2020.06.10

独立系ブランド同志のコラボレーションで誕生したチャーミングなトゥールビオン。ビジネスの枠を超えて、時計への情熱で2人の時計職人の友情で生まれた極上かつ個性派の1本です。たまには超マニアックな深くてイイと系のお話し。

ユニークなコラボウオッチの誕生! 10年以上に及ぶH.モーザー(H. Moser & Cie.)とMB&Fの絆を称えるエドゥアルド・メイランとマキシミリアン・ブッサーは、異例のコラボレーションを展開し、高級時計製造の愛好家のためにプロジェクトを企画。同じ価値観を持つふたりは、モノづくりと合作を楽しみ、男の友情の物語のなかで生まれた、このプロジェクトによる作品を発表しました。


プロジェクトの起源
H.モーザーとMB&Fは、どちらもスイスを拠点とする小規模な独立系ブランドです。それぞれのブランドを導く情熱溢れるふたりは、長い付き合いの中で、個人でも仕事の面でもお互いに評価と敬意を示し合ってきました。両ブランドの関係は、H.モーザーの姉妹会社であり、MB&Fのヒゲゼンマイ供給も行っているプレシジョン・エンジニアリング社を通じて10年以上続いてきました。MB&Fがエドゥアルド・メイランに「フレンド」としてパフォーマンスアーツ作品の制作に協力を依頼したのも当然の成り行きでした。今回のコラボレーションは、双方向に向かう点がこれまでと異なります。マキシミリアン・ブッサーは以下のように述べています。「私はエドゥアルドに電話をして、コラボレーションしたい作品があることを伝え、自分がいかにダブル・ヘアスプリング、フュメダイアル、そしてコンセプトウォッチのシリーズ作品を素晴らしいと思っているのか述べました。するとエドゥアルドは間髪を入れずに、これらの機能を使ってもよいと言ってくれたのです。ただしその条件として、彼にも私のマシンをひとつ再解釈させてほしいとのことでした。これを聞いて最初は驚きましたが、考えてみたのです。私は50%がインド人で50%がスイス人。DNAを混ぜ合わせることで面白い結果が生まれることには強い確信があった。だから時計作りでも同じことをしてみたらどうか、とね。こうして私は彼に同意し、自分が特に愛着を抱いているフライングTモデルを提案しました」。開かれた分かち合いの精神を備え持ち、団結は力なりという考え方を育むH. モーザーとMB&Fは、2種類のモデルで複数のバージョンに分かれた15本限定シリーズを共同制作しました。限定本数は、MB&Fの誕生15周年、そしてH.モーザーのリローンチ15周年にちなんだもの。良きライバルでもある両ブランドは、MB&Fの哲学を守りながらお互いの強みを生かし、優秀な職人たちの力をひとつにしたのです。


エンデバー・シリンドリカル トゥールビヨン H.モーザーXMB&F
 H.モーザーはMB&Fから、ブランドのアイデンティティの根幹である三次元のムーブメントと、それを保護するサファイアクリスタルのドーム、そして12時位置の開口部からメインダイアル上に現れるワンミニット フライング トゥールビヨンを取り込みました。姉妹会社のプレシジョン・エンジニアリング社が誇る知見を活かすH.モーザーは、トゥールビヨンに円筒形ヒゲゼンマイを搭載。これはプレシジョン・エンジニアリング社がMB&FのLMサンダードームのために開発したヒゲゼンマイと同じものです。18世紀に開発されたこの円筒形ヒゲゼンマイは、ウォームギヤやコルク栓抜きのように、テン真上部の周辺を垂直に上ります。当時の古典的なマリンクロノメーターに広く使用されていたこのヒゲゼンマイは、ホゾの軸に沿って機能するため、同心円状に、すなわち幾何学的に動くという特長を備えています。この点は、先端からホゾに負担がかかってしまう平らなヒゲゼンマイに比べて大きな利点であり、特別開発されたブレゲヒゲの外端曲線(フィリップス曲線)で非同心円状のヒゲゼンマイの先端部を補正しても、前者の優位は揺るぎません。円筒形ヒゲゼンマイは両先端をブレゲヒゲで固定することにより、ホゾの摩擦を軽減して等時性を大幅に改善しています。また、独特な形状をもつことから製造が非常に難しく、通常のヒゲゼンマイに比べて10倍の時間を要します。
MB&Fが考え出したもう1つのアイデンティティは傾斜させた文字盤であり、H.モーザーはこれを時分表示のサブダイアルに採用しました。サブダイアルは着用者だけが時間を読み取れるように40度に傾斜させつつ、円錐形の輪列に搭載することで面から面へのトルク伝達を最適化しています。エドゥ ワルド・メイランはこう説明します。「フュメダイアルの美しさを引き立てるために、背景に溶け込むサファイアのサブダイアルを開発し、MB&Fがもつ世界観の“モーザー化”を試みました。また、このまごうことなき時計アート作品がもつ純粋さやエレガンスを保つために、サファイアのサブダイアルへ私たちのロゴを透かしのように施しました。こうすることで、本作品と着用者を結ぶ個人的な性格や親密な関係性を際立たせています。」エンデバー・シリンドリカル トゥールビヨン H.モーザーXMB&Fモデルは、スティール製ケースにファンキーブルー、コズミックグリーン、バーガンディ、オフホワイト、アイスブルーの5つのバージョンで展開され、すべてがフュメダイアルとなります。


LM101 MB&F X H.モーザー
レガシー・マシン 101はテン輪、パワーリザーブ、そして時間の経過という機械式時計製造のエッセンスを昇華させたモデルです。MB&Fがコレクションの中で最も純粋かつ“シンプル”な同モデルを再解釈することを決定したのは偶然ではありません。それは、LM101 MB&FXH.モーザーモデルの制作でミニマリズムが軸となったからです。H.モーザーや、そのコンセプトウォッチシリーズに体現されている「基本に戻る」アプローチに倣い、MB&Fはロゴを取り除いてブランドのルーツに戻りまし た。すなわち、ムーブメントのみに署名を施していた時計製造の原点にまで立ち返ったのです。ま た同じく控えめなアプローチによって、浮かんで見えるドーム型のサブダイアルを取り除き、主文 字盤に直接配置した針によって時分と45時間のパワーリザーブを表示しました。この配置によって、優雅なベゼルで引き立てたH.モーザーのフュメダイアルを前面にアピールできるようにしてい ます。LM101 MB&FXH.モーザーに採用された4種類のフュメダイアルは、レッド フュメ、コズミックグリーン フュメ、ヤスマリーナブルー フュメ、そしてあの有名なファンキーブルー フュメ。ドーム型のサファイアクリスタルをあしらったケースには、MB&F創設以来3度目となるスティールが採用されています。宙に浮いた大型の魅惑的なテン輪は引き続き中央に配置されていますが、フュメダイアルの美しさを引き立てるためにLM101 MB&FXH.モーザーではデザインが大きく変更されています。


マキシミリアン・ブッサーが時計製造の神髄と考えているテン輪には、プレシジョン・エンジニアリング社が製造したダブル・ヘアスプリングを搭載。対になったヒゲゼンマイは、引き伸びた時に生じる各ゼンマイの重心のズレを補正することで、精度と等時性を大幅に向上させており、こんなところからも、完璧を追求する姿勢がわかるでしょう。さらに、ペアになったヒゲゼンマイは、一本のヒゲゼンマイで発生する摩擦の効果を軽減しており、等時性を最適化しています。ケースバックからは、カーブ状のサファイアクリスタルにより本タイムピースの動力源である「エンジン」が堪能可能。共同制作者のカリ・ヴティライネンが仕上げを担当したレガシー・マシン 101の基本ムーブメントと比べ、LM101 MB&FXH.モーザーを駆動するキャリバーのデザインはよりモダンに 。また美しさを引き立てるために精緻なNAC仕上げが施されています。


hmoser


 


エンデバー・シリンドリカル トゥールビヨン H.モーザー × MB&F


H.モーザー


H.モーザー


H.モーザー


価格:未定
ケース:スティール製、高さのあるドーム型サファイアクリスタル
直径:42.0mm 高さ:19.5mm(サファイアクリスタルを含めない高さ:9.4mm)
リューズは9時位置、“M“の刻印
サファイアクリスタル製のシースルーケースバック
文字盤:メインダイアル:ファンキーブルーフュメ、バーガンディ フュメ、コズミックグリーン フュメ、オフホワイト フュメ、アイスブルー フュメ(サンバースト仕上げ)時分は縦方向に40度傾斜させたサファイア製ダイアルで表示(6時位置)
リーフ針の時分針(リファレンス1810-1203ではブルー仕上げ)
ムーブメント:立体的な自社製自動巻きキャリバー HMC 810
直径:32.0mmまたは141⁄4 リーニュ 高さ:5.5mm
振動数:2万1600振動/時
29石
コンポーネント:184点
ラチェット式巻き上げ両方向自動巻きシステム
18Kゴールド製ローター、H. Moser & Cie.ロゴの刻印
パワーリザーブ:72時間以上
円筒形ヒゲゼンマイ
12時位置のワンミニット フライング トゥールビヨン、スケルトン加工ブリッジ
機能:時と分
ストラップ:手縫いのブラックのアリゲーターレザー
Moserロゴが刻印されたスティール製フォールディングクラスプ


問い合わせ先
エグゼス ☎03-6274-6120

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