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【中村獅童さんインタビュー】「人生とは思い出作り」 大人になって振り返る家族への想いとは

【中村獅童さんインタビュー】「人生とは思い出作り」 大人になって振り返る家族への想いとは

8歳で歌舞伎座にて初舞台を踏んだ中村獅童さん。古典から新作まで様々な歌舞伎に挑戦しつつ、時代劇、現代劇、そして映画やドラマまで多方面でご活躍されています。 私生活では、2017年12月18日に息子・陽喜くんが誕生。役者としてだけでなく、父親として子育てにも励む中村獅童さんは『新作歌舞伎 あらしのよるに』をキッカケに、子どもの観劇体験にも注力されています。 そんな中村獅童さんがこの度、育児を楽しみ、頑張ったパパたちを表彰するイクメン オブ ザ イヤー 2018にて「ファッション部門」を受賞されました。「人生とは思い出作り」と仰る中村獅童さんに、ご家族への想いについて伺いました。

「イクメン オブ ザ イヤー 2018 ファッション部門」を受賞


――「イクメン オブ ザ イヤー 2018 ファッション部門」の受賞、おめでとうございます。受賞した感想をお聞かせください。


中村獅童さん:とても驚きました。僕でいいのですか、と思いました。


 


――今回の受賞に関して、奥さまの反応はどうでしたか?


中村獅童さん:僕も嬉しかったですが、妻も喜んでくれました。こういう賞にはご縁がないものだと思っていたので……。


 


――「ファッション部門」受賞ということで、ご自身のInstagramでも、着物やスーツ、私服などの投稿が印象的でしたね。


中村獅童さん:ありがとうございます。楽しんでみてくださる方がいて嬉しいです。


 


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ファッションは自分が着たいもの、好きなものを着る


――私服がオシャレな中村さんですが、お子さんが生まれてからファッションに変化はありましたか?


中村獅童さん:特にないです。子どもが生まれてからもまったく変わらないですね。


 


――お出掛けシーンによって、ファッションは使い分けていますか?


中村獅童さん:それはありますね。歌舞伎座へ行くとき、スポーツジムへ行くとき、海に行くときと、子どもと公園へ行くときは違いますね。


子どもといるときは、動きやすくリラックスした服装が多いです。ただあまり気にしすぎないで、自分が着たいもの、好きなものを着ていますよ。


 


――お子さんの安全性を配慮したファッションになったのですね。


中村獅童さん:そうですね。アクセサリーなどは、抱っこしたときに引っ張られるので、子どもと過ごすときは付けません。今10ヶ月で(※インタビュー時は2018年10月)で、つかまり立ち、つたい歩きをする時期になりました。だんだん目が離せなくなってきましたよ。


 


――お子さんの洋服に、こだわりはありますか?


中村獅童さん:こだわりはではないですが、自分が好きなファッションを子どもにも着せています。親子でペアルックもしますよ。


 


 


小さいお子さんにも「歌舞伎」を楽しんでほしい


――お子さんが生まれて、お仕事に変化はありましたか?


中村獅童さん:新作歌舞伎『あらしのよるに(※)』という作品で、おおかみ“がぶ役”を演じました。この作品は絵本が原作になっており、2002年NHK教育テレビジョン(Eテレ)で、ナレーションと全キャラクターの声を担当し、2005年は映画の声優も務めました。


本作品は2018年11月の福岡公演から、観劇できる年齢を「小学生以上」から「4歳以上」に引き下げ、小さいお子さまも観劇できるようにしました。


(※)絵本『あらしのよるに』1994年発売。産経児童出版文化賞JR賞/講談社出版文化賞絵本賞


 


――それは、自身にお子さんが生まれたのがキッカケですか?


中村獅童さん:それもあります。ただそれだけでなく、お父さんやお母さんたちから「子どもが小さいから歌舞伎は観に行けない」という声も聞いていたのです。2018年11月の福岡公演で『あらしのよるに』は3度目になるのですが、2015年京都南座での初演では小学生前後のお子さまが多かったことが印象的でした。歌舞伎と聞くと難しいイメージを持たれますが、『あらしのよるに』という作品は絵本が原作になっているので、小さいお子さまでも楽しめるストーリーになっています。ですので、思い切って福岡公演から年齢を下げることにしたのです。


 


――映画で『あらしのよるに』という作品に触れた方も多そうですね。


中村獅童さん:観劇はそういう方にぴったりですね。映画でも歌舞伎でもがぶを演じているので、子どもたちも「がぶが出てきた!」とすぐ認識でき、喜んでくれます。「がぶー!」と大向うのような掛け声をしてくれた子もいて、とても嬉しかったです。


 


――ただ小さいお子さんだと、演劇中に騒いだり飽きてしまったりする子もいるのではないですか?


中村獅童さん:いいですよ、騒いでも。ただ今までの公演で、退屈で騒ぐ子はいなかったですね。おもしろくて笑ったり、悲しくて泣いたりした子はたくさんいました。


 


――小さいお子さんも観劇で、泣くことがあるのですね。


中村獅童さん:泣きますよ。特に最後は、多くの子どもたちが泣いています。『あらしのよるに』の映画を観てから来てくれた子は、僕が舞台に出ると喜んで笑ってくれましたね。


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肺腺ガンを患い、幼少期の「母との思い出」を思い出す


――観劇をすることで、お子さんにどんな影響があると思いますか?


中村獅童さん:良い影響かは分からないけれど、何かを見て、泣いたり笑ったりするってことは感情が豊かになるってこと。人生は思い出作りだと思います。僕自身が大人になったとき「昔、お母さんと観劇に来たな、帰り道はみんなで食事して楽しかったな」と思い出を振り返ったりしたのです。


2017年、肺腺ガンを患い、闘病生活が続いたとき何を思い出したかというと、幼少期の家族との思い出だったのです。観劇した作品や帰り道に食べたものを全部覚えていたんですよ。


入院中、時間があったので映画をよく観ていたのですが、手に取る作品は、幼い頃に母と見た作品ばかりでした。作品の内容はもちろんのこと、行くことになった背景やその後に母と何をしたかまで覚えていたので驚きましたね。


そのとき、小さいお子さんがいて歌舞伎の観劇を諦めるのはもったいない。歌舞伎の敷居を下げて、みなさんに観に来てほしいと思いましたね。


 


――お母さまとの思い出で、最も記憶に残っている作品はなんですか?


中村獅童さん:小学校低学年の頃、映画『クレイマー、クレイマー』家族で観に行ったことは今でも覚えています。ある日突然、母親が家を出て行き、父親と2人の生活が始まるというストーリーなのですが、主人公の子どもが当時の僕と同い年くらいだったのが印象的でしたね。あとは劇団四季で今でも公演されている『キャッツ』も幼少期に母と観に行き、海外版のキャッツのDVDも購入したくらいです。


 


――今後、自身が出演する作品をお子さんに見てほしいですか?


中村獅童さん:現在10ヶ月なのですが、すでに楽屋のモニター越しに歌舞伎は観ていますよ。まだ赤ちゃんなのに食い入るようにモニターを観ていると聞いて驚きましたね。


普通子どもは白塗り(歌舞伎の特色の一つである化粧)を見ると泣いてしまうことが多いのですが、うちの子はまったく泣かないのです。抱っこして近くに寄っても、他の役者が近づいても平気なのですよ。


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できる限り“子どもとの時間”を作ることが大切


――“家族との時間”を過ごす中で、意識していることはありますか?


中村獅童さん:周りの方のご迷惑にならない範囲で、どこへでも一緒に行くようにしています。たとえば、友人との食事会や、ハワイへ旅行、仕事のパリ公演へも連れて行きました。


 


――家事は率先してされていますか?


中村獅童さん:なんでもしますよ。ただ舞台が続いてしまうと、料理も洗濯も掃除も何もできないですね。妻の負担が大きくなってしまっています。


 


――仕事で忙しいとき、家族とのコミュニケーションはどうされていますか?


中村獅童さん:自宅に帰ってから作ります。午後早い時間に仕事が終わったら、できるだけ早く帰宅するようにしています。子どもと公園へ行き自然に触れるなど、家族との時間を作っています。


 


 


「人生は思い出作り」家族との時間を大切に


――イクメン オブ ザ イヤー 2018「ファッション部門」を受賞したことで、今後どのようにイクメンを世の中へ啓発していきますか?


中村獅童さん:ここ数年で時代が変わったように感じています。昔は、子育ては女性の仕事だったけれども、現代では女性が出産後も働いていますよね。子連れ歓迎のお店が増えたり、ハイブランドから子ども服が販売されていたり、子育て中の方向けのファッション雑誌が出版されたり。子育ては大変だけれども、できる限りその大変さを楽しもうという雰囲気になったなと感じています。


僕は役者ですので、歌舞伎や映画などを通して、子育て中の方へ楽しさを提供できるようにしていきたいと思います。


 


――最後に、子育て中の方に向けてメッセージをお願いします。


中村獅童さん:人生はいつも思い出作りだと思っています。子育ては大変なこともありますが楽しく過ごせるよう、家族との思い出作りをしていってください。


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■イクメン オブ ザ イヤー2018 概要


開催日時:10月18日(木)
開催場所:ベルサール半蔵門 イベントホール
主催:イクメンオブザイヤー実行委員会
協賛:明治安田生命相互保険会社、キャリアフィールド株式会社、株式会社インタースペース
後援:厚生労働省、スウェーデン大使館
特別協力:厚生労働省「イクメンプロジェクト」
総合プロデュース:おちまさと
企画・制作:株式会社フロンティアインターナショナル


 


■イクメン オブ ザ イヤーとは?


2011年より毎年10月19日を、“パパが最も育児を楽しみ、頑張る1日”「イクメンの日」。 10(トウサン)19(イクジ)の日として、日本記念日協会に制定されたことに合わせ、今年1番育児を楽しみ・頑張ったパパ「イクメン」を表彰。イクメンを世の中に増やしていくと同時に「男性の育児休暇推進運動」の一旦を担った啓発イベントを行っています。
http://ikumen-of-the-year.com/


 


■イクメン フェス2018 概要


開催日時:10月20日(土)
開催場所:二子玉川ライズ ガレリア(東京都世田谷区玉川2-21-1)
主催:イクメンオブザイヤー実行委員会、厚生労働省イクメンプロジェクト
イベント内容:ファッションショー・「イクメンスピーチ甲子園2018」決勝スピーチ・「イクメンフォト2018」展示・授賞式・明治安田生命 イクメン調査結果展示 ・スウェーデン大使館:巡回写真展「スウェーデンのパパたち」写真展示


 


■イクメン フェスとは?


2011年より毎年10月19日に行われているイクメン オブ ザ イヤー初のスピンオフ企画。イクメン オブ ザ イヤー2018のファッション部門の受賞者として中村獅童さんが登場。また中村獅童さん親子が登場するファッションショーを開催。


 

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