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自分が決めた道で、生涯踊り続ける/経営者のONとOFF第5回 山本容子さん

自分が決めた道で、生涯踊り続ける/経営者のONとOFF第5回 山本容子さん

格好いい経営者にはON(表)とOFF(裏)がある。今回は銀座にBARを構える経営者、山本容子さんに話を伺いました。美しさに秘めた成功への道のり、そして将来の楽しみとは?
赤道倶楽部株式会社 代表取締役
山本容子さん
1988年広島県出身。15歳からオーストリアのウィ―ン国立歌劇場バレエ学校に3年間留学。卒業後、カナダや日本のバレエ団に入団、バレエ講師やモデルとしても仕事を務める。2018年、29歳で赤道倶楽部株式会社を設立。代表取締役としてBar・赤道倶楽部を経営している。

ON STYLE

「自分で決めて、自分の色にできる。だからたぶん、向いている」

バレリーナ、モデル業からBARの経営者に転身

「子供のころからバレエをやりたいと思って、留学や就職をしたんですが、25歳で辞めようと思っていたんです。そんなタイミングで、ここ(赤道倶楽部)に出会ったんです。最初はアルバイトで働いていたんですけど、3年目には店長になり、4年目に代表になりました」。

山本さんは15歳でウィーンにバレエ留学後、カナダや日本のバレエ団に所属してきた。20歳で帰国後は芸能事務所にも所属。モデルやCMの仕事もこなすという異色の経営者だ。
モデルとして広告や雑誌でも活躍してきた山本さん。
飲食業のアルバイト経験はあったものの、現在のようなBARは初めて。最初から上手くいったのだろうか?

「最初は大変でした。経験豊富なお客様がたくさんいらっしゃるじゃないですか、もうぜんぜん話せなくて。でもウィーンにいた頃の話はお客様が興味を持ってくれたので。私もいろいろ話せるように勉強し始めたんです」。

海外留学では得難い経験もたくさんしてきた。一方、主張しないと潰されてしまう海外生活から一転、帰国後の日本のバレエ団とはぶつかったという。そんな日本で経営者になろうと思った理由は実に納得いくものだった。

「代表なら全部自分の責任になるじゃないですか。自分で決めて、自分の色にできる。だからたぶん、向いているんだろうなって。今はとてもやりがいを感じています」。

そんな中で一番苦労したことは、やはり集客とスタッフだったという。

居心地良い空間作りで、店が明るく安定していく

「最初にアルバイトで入った頃は、お客様もまだ少なかったんですが、店長になった頃にはお客様を増やしたくて。マメに連絡をしたり、外で呼び込みをしたりっていうこともありました。会員制なのに(笑)」。

お客様の前でだけでなく、毎日が勉強で、がむしゃらに働いた山本さん。彼女のもとには次第に良いスタッフと信頼が集まってゆく。

「これまでの繋がりから、スタッフ探しを全部やりなおしました。今は素晴らしいスタッフに恵まれて、より安定することができました」。

現在は7名のスタッフとともに、コロナ禍の時短営業や休業の中でも経営を維持。そして休みの日や自粛期間中も、ほぼ毎日店に入って掃除をしているという。
経営が上向くきっかけや、自信を持てるタイミングはあったんですか?

「まず、落ち着いて飲める場所にしたくて、当たり前の事ですが店を徹底的に綺麗にして大事にすることを心がけました。そうしたら、お客様から店が明るくなったって言われて。店も喜んでくれているような気がしました。もともと独立心はあったから、20歳代で会社の代表になったのも良かったんだと思います。特にこのコロナ禍では勉強になっています。会社や店を存続させるためには、まず何を一番にすべきか。それが分かった時は不安やリスクも感じず、責任感だけで行動できるようになったので、これからも突き進みたいと思います」。
20歳で帰国後、美貌と群を抜くプロポーションの良さで、芸能事務所にも所属してきた山本さん。

OFF STYLE

「私にとって躍ることは、絶対無くてはならないこと」

フラメンコとバレエ講師で踊り続けるOFF

BARは平日のみの営業なので、週末はOFFとなるはず。どんな休日を過ごしているのだろうか?

「土曜日は趣味のフラメンコをやっていて、日曜日はバレエを2クラス教えているので。(休みは)無いですね(笑)」。

実は、さらに平日昼間のBARを開ける前にバレエを教えているという。
かなりハードスケジュールなようにも思えるが…
現在もバレエ講師として活躍。写真は2013年頃。
「3歳からバレエをやってきたので、身体に染みついていて、ご飯を食べる感覚というか…(笑)。現役を終えた今もバレエには携わっていたいので、教えるという仕事も趣味のように楽しくできています」。

無心になれるということ?

「そうですね。私にとって躍ることは、絶対無くてはならないことですね。無いとたぶん、心身共におかしくなっちゃうかもしれません(笑)」。

人生を綴るために踊り続ける

趣味としてフラメンコを踊る山本さん。2021年7月撮影。
将来の夢や楽しみを教えてください。
「趣味のフラメンコは、人生経験を積み重ねるほど楽しく踊れるようで、長い道のりですけど経営者としてたくさんの経験をして、やりきるところまでやりきったら、同時にフラメンコも上達している! そして、スペインでフラメンコを踊りたい。最後はフラメンコを踊って人生締めくくりたい! そんな夢みたいな楽しいことを想像してワクワクしながら、決めたことを現実にしていきたいと思います!」。
●赤道倶楽部
東京都中央区銀座1-13-8ハビウル銀座2F
営業時間 : 平日18:00〜23:30
03-6228-7295
SHIN ISHIKAWA/撮影 垣野雅史/取材・文
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