品よく個性を演出する「角形」金時計6選
ゴールドケースのなかでも、個性的な美を宿すレクタンギュラー型やスクエア型やトノウ型などのモデル。時計の多くがラウンドケース=丸型であるのは、時計の針の動きの基本が円運動であり、丸型が理に適っているから。その反面、レクタンギュラー型やスクエア型やトノウ型はデザインコンシャスなもの。それゆえ個性発揮に最良なのです。
また、意外に思われるかもしれませんが、腕時計はそもそもレクタンギュラー型やスクエア型やトノウ型が主流だったのです。というのも、腕時計が普及し始めた1920年代はアール・デコの全盛期。アール・デコは初めて世界を一周した芸術といわれ、その時代のあらゆるものがアール・デコ的幾何学デザインであるのを最良としていました。腕時計の主流が丸型になるのは、それより後の1930年代にバウハウスの影響でシンプルなラウンドケースが再発見されてから。つまりレクタンギュラー型やスクエア型やトノウ型は腕時計のクラシックである、通好みのものなのです。
いずれにせよ角形の時計は、個性を装い、時計通であることを示すうえで最高のもの。しかもここに挙げたようなゴールドケースの端正なモデルであればドレスウォッチとしても最適なのです。
FRANCK MULLER[フランク ミュラー]
ブランドの「顔」を腕にするのは高い信頼の証
トノウ カーベックス 25th 225万円
初代の誕生から25年目の記念モデル。近年は使われなくなった当時の形状をもとに再製作された。そのため、若干細長い形状となり、気を衒わないスモールセコンドの位置などもブランド初期の瑞々しさを感じさせる。初々しいブルー エナメルの輝きも見どころ。
Jaeger-LeCoultre[ジャガー・ルクルト]
1931年に誕生した角型モデルの歴史的名作
レベルソ・クラシック・ラージ・デュオ 235万円
「レベルソ」独特の反転ケースは、ポロの競技中に風防を守るために考案されたもの。高硬度のサファイヤガラスの誕生でその必要がなくなると、裏面にもダイヤルを備えた「デュオ」が開発された。また、「レベルソ」のもうひとつの大きな特徴が黄金比の角型ケース。上下のゴドロン装飾も美しい。
BVLGARI[ブルガリ]
独特のマット仕上げのPGケースが美しい
オクト フィニッシモ オートマティック サンドブラスト 457万円
「オクト」はその名前のとおり、8角形のケースをアイコンにしたコレクション。「オクト フィニッシモ」はその薄型ケースのシリーズで、これは2017年に自動巻きで世界最薄記録を樹立したモデルの素材をチタンからゴールドに代えた新作。ケース、ブレスレット、ダイヤルにはPGが採用され、独特のマット仕上げが美しい。
PARMIGIANIFLEURIER[パルミジャーニ・フルリエ]
8日巻きのロングパワーリザーブも大きな魅力
カルパ エブドマデール 340万円
独特のフォルムのトノウ型ケースは、手首への最良のフィット感を追求した結果生まれたもの。今年は細部が刷新され、よりモダンに進化した。これは1998年に開発されたブランド初の8日巻きムーブメントを搭載したモデル。ムーブメントもトノウ型で、その美しい仕上げをシースルーバックから眺めて楽しめる。
BOUCHERON[ブシュロン]
老舗ハイジュエラーの名作ドレスウォッチ
リフレ 184万円
「リフレ」は1947年に誕生したドレスウォッチの名作。ご覧のとおり、2針かつ簡潔なインデックスと、純正統のドレスウォッチのスタイルを楽しめます。独自のインターチェンジャブルシステムにより、ストラップやブレスレットが簡単に付け替えられるのも魅力です。
de GRISOGONO[ドゥ グリソゴノ]
1950年代のスタイルがレトロでモダンで格好いい
ニューレトロ 362万円
「ニューレトロ」は2015年に発表された(日本デビューは2016年)ドゥ グリソゴノの最新コレクション。1950年代に世界を席巻したレトロモダンスタイルをモチーフにしたTVスクリーンのような横長の角型ケースが特徴で、ダイヤル両サイドに隙間が空けられた独特の構造も目を惹く。