グランドセイコー新作「SLGC001」には世界に誇る日本最高峰の技術が詰まっていた

グランドセイコーの新作SLGC001はブランド初となる機械式クロノグラフ。ムーブメントにはこれまでのノウハウを結集させたブランド史上トップクラスの技術が詰め込まれています。新作に搭載された新型のCaliber 9SC5の各機構を見てみましょう。

今年のグランドセイコーの新作は内部にこだわりぬいた逸品。グランドセイコーといえばムーブメント（内部機構）のクオリティーへの追求は世界でもトップクラスです。

高級機にのみ搭載されるコラムホイール方式

引用元／グランドセイコー。

クロノグラフ（ストップウォッチ）のスタート・ストップの制御にはコラムホイール方式を採用しています。中央にある放射状に広がっている部品が特徴的で、軽い力でのボタン操作が心地よい。ハイエンドモデルにしか使われない希少価値の高い機構です。メカニカルな雰囲気がたまらない……

独自開発のデュアルインパルス脱進機により動力を効率よく伝達

引用元／グランドセイコー。

グランドセイコーが独自で開発したデュアルインパルス脱進機を搭載しています。電子部品の製造に使われる微細加工MEMS技術により、歯車の噛み合うエネルギーロスを極限まで減らしているようです。ゼンマイを2つ備えるツインバレルとの相乗効果で、高い精度で72時間の長時間の持続が可能に。

高精度・安定性だが熟練の職人だけが調整可能なフリースプラング

引用元／グランドセイコー。

精度の調整には、緩急針のないフリースプラング方式が採用されています。

引用元／グランドセイコー。

一般的な機械式時計では上写真のような緩急針が備わっており、プラスとマイナスが刻まれた目盛りを調節でき、進み気味と遅れ気味の調整をします。

フリースプラングは美しさを追求し緩急針を排除。輪の側面にある4つのねじの出し入れによって振る角度や大きさを変え、精度の調整を行います。微細な調整が可能となり高い精度を追求できるものの、職人による熟練の手技が必須になります。

コラムホイール、フリースプラングは古典的ながら優れた機構で、以前から高級機に採用されていました。MEMS技術の源流は50年以上前と言われており、古典的な機構を最新の技術で搭載したハイエンドモデルです。