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【必聴ミュージック】VAUNDYのライブで体感したポップミュージック×アジテーショナルなMC

【必聴ミュージック】VAUNDYのライブで体感したポップミュージック×アジテーショナルなMC

2022年末紅白歌合戦出場で俄然国民的な認知度を獲得したバウンディ(VAUNDY)。今年初のワンマンライブツアー「Vaundy one man live tour "replica"」を締めくくる東京ガーデンシアターの現場をレポートします。

replica(レプリカ)という皮肉めいたタイトルに込めた意味は?

「バウバウ」とプリントされたハイネックのロンTを着込んだ若者たちで、その一画は溢れていました。

昨年末紅白歌合戦に初出場したVAUNDY、今年初のワンマンライブツアー「Vaundy one man live tour "replica"」が有明・東京ガーデンシアターで行われました。

開場前の列にはお洒落な若者だけでなく、40代50代の音楽愛好家たちの姿あり、まさに国民的な指示を獲得しているのだと実感。

ところで、ツアータイトルのレプリカ(複製品)とは一体どんなことを意味するんだろうと気になっていました。

「まぶた」「灯火」「踊り子」つかみはOK!

筆者の席は5階最後尾の手前。まぁ、舞台上は豆粒にしか見えないけれど、ここなら着席のまま鑑賞できるかも、と高を括っていましたが…。

約10分押しで会場は暗転。いきなり流れたイントロは、最近まで毎週耳にしていたフジテレビ「女神(テミス)の教室-リーガル青春白書」の主題歌「まぶた」。みるみるうちに周囲は立ち上がりライブハウス状態、80年代シティポップとブラックミュージックのおいしいエッセンスをうまく取り入れた絶妙なポップチューンには筆者も勝てませんでした。はい、スタンドアップ。

まぶた / Vaundy:MUSIC VIDEO

引用元/YouTube公式チャンネル。
続いて、FODドラマ「東京ラブストーリー」の主題歌「灯火」。この曲も彼をブレイクさせた重要曲で、オーディエンスも大盛り上がりでした。さらに代表曲の一つ「踊り子」。事前にマスク有りなら歓声もOKとアナウンスされた通り、「とぅるるる とぅるるる とぅるる」と大歓声にも包まれていました。

いやぁ、まだ3曲なのにすっかり会場の一体感を獲得できる彼の音楽センスとパフォーマンスに脱帽です。

ロックテイストの強調?とアジテーショナルなMC

「おお、いっぱいいるなぁ。あ、そんな上にも(5階のバルコニー席を指して)。見えないだろ?見えなくてもいいんだよ。よく耳を澄まして音を聞いてくれりゃいいから」とVAUNDY節がMCにも炸裂。

4曲目の「置き手紙」からは、アレンジが全体的にロックテイストに。どよめくような歓声とともに会場の高揚感を一層扇動するようでした。
今回のツアーグッズも超お洒落!タウンユースもOKです。
引用元/公式Instagram。
さらに「もっとオレを幸せにしてくれよ!できるだろ?」など、アジテーショナルなMCを各所に散りばめて8000人を煽りまくってもいました。

しかし、実は彼はとてもシャイな人間ではないかとも思います。もともと彼は「売れる音楽」を作るために、かつてのポピュラーミュージックやヒット曲を解析しながら、新しい曲作りを行っていると公言しているミュージシャンです。それはきっと曲作りだけでなく、ミュージシャンとしての偶像も作っていこうと言動も気にしているんじゃないかと。

ちょっと粗野でビッグマウスな発言を耳にするにつれて、「一般人とは一線を引くロックスターを演じるというミッション」そんなふうに感じるようになり返って好感を強く抱くようになりました。

文字通り「あっという間に終わっちゃうからな」

「あっという間に終わっちゃうからな」と聴衆を煽り立てながら、「瞳惚れ」「融解sink」「恋風邪にのせて」「mabataki」などをハイテンポで披露。いずれもロックテイストなバンドアレンジが続きました。そしてそんな演出はこの曲に行き着くためにあったのではなかろうかと。

「CHAINSAW BLOOD」。アニメ「チェンソーマン」のエンディング曲に採用された至高のロックナンバーですが、マイケルジャクソンの「Beat It」へのオマージュも感じさせられて、ガーデンシアターのボルテージは最高潮に。

CHAINSAW BLOOD / Vaundy:MUSIC VIDEO

引用元/YouTube公式チャンネル。
ラストは、紅白でもパフォーマンスした「怪獣の花唄」。今やVAUNDYの代名詞かもしれません。もちろん会場は大興奮。しかし、今回もアンコールなし。18曲を約1時間半で歌い切りました。
Vaundy one man live tour "replica" @3月25日 東京ガーデンシアター/セットリスト

まぶた
灯火
踊り子
置き手紙
benefits
HERO
裸の勇者
忘れ物
瞳惚れ
融解sink
恋風邪にのせて
mabataki
しわあわせ
不可幸力
CHAINSAW BLOOD
泣き地蔵
soramimi
怪獣の花唄
「怪獣の花唄」前のラストMCの括りは意外にも「みなさん、どうもありがとうございました」。アジテーショナルな口調を貫きながら、感謝を口にしないわけにはいかない、彼の思いが伝わってくる最高のコメントでした。

レプリカ。それはこれまでの楽曲作りの姿勢を皮肉ったものではなく、現状を彼自身がオンリーワンのミュージシャンになろうとする通過点でしかないことを意味するのではないだろうかと感じました。

今回「東京フラッシュ」をセットリストから外すという大英断を行なったのもうなずけます。最新曲の「そんなbitterな話」やAdoとのコラボ曲「いばら」は聴きたかったですが。
今後のライブ情報
晩秋から始まる「Vaundy one man live ARENA tour」はすべてソールドアウトですが、東京追加公演が決定しました。

●追加公演詳細
日時:2024年1月20日 Open 17:00 / Start 18:00
会場:国立代々木第一体育館(東京都)

日時:2024年1月21日 Open 15:00 / Start 16:00
会場:国立代々木第一体育館(東京都)

3月26日から4月3日なで「Vaundy ART Work Studio Members」の会員限定で抽選受付受付中です。
鶴田茂高(ツルタシゲタカ)
気持ちいいと感じた音を多くの人に伝えたいと願う音楽愛好家。グルメ、酒、ファッション等もお伝えします。
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