CAR & BIKE
2024.07.17
スプリンターで車中泊 × 40代から趣味に全振りでスケボーブランドまで立ち上げた話
埼玉県飯能市の「メッツァ RV パーク」で開催された、愛犬と楽しむ車中泊イベント「VAN WAN LIFE」(バンワンライフ)。同イベントに「メルセデス・ベンツ 317 CDI スプリンター」で参加していた島崎チナリさんの愛車を覗かせてもらいました。
まっさらなスプリンターを、ウッドで自分好みにDIY
車中泊と犬のイベント「VAN WAN LIFE」代表の廣瀬 武さん(ランドクルーザー×愛犬と車中泊で旅する「VAN WAN LIFE」とは)に続き、このイベントに出展していた島崎チナリさん(インスタグラム:@chinari_shimasaki)のVAN LIFEのクルマを見てみましょう。
車中泊仕様のクルマが数多く並ぶイベント会場内で、一際存在感があった島崎さんの愛車「メルセデス・ベンツ 317 CDI スプリンター」。普段見慣れない別格の大きさもあって、広々とした車内空間が目を惹きます。
名古屋で美容院を経営し、自らも美容師として活躍している島崎さん。VAN WAN LIFE代表の廣瀬さんとは20代のからの友人で、2022年に久しぶりに再会。廣瀬さんの車中泊仕様「ランドクルーザー 78プラド」を見て、「めちゃくちゃいいなと思った」のだそう。
その翌年に購入したのがこのスプリンターでした。
その翌年に購入したのがこのスプリンターでした。
「スプリンターを選んだのは、単純にカッコイイから。あとは、クルマの中で立てるのもよかった。廣瀬くんが車内をウッド化してるのを見て、あんな風にしたいなと思ったんです。ウッド化はビルダーさんにお願いするのではなく、自分でやるのが面白そうだと思って、何もないまっさらな状態の中古車を買って全部自分でDIYしました」。
もともとスプリンターは海外で商用車として使われているモデルで、車体の全長は5267mm(L1)〜7367mm(L4)まであり、島崎さんの愛車は5932mmのL2。ちなみに、全高は最も高いタイプだと3mにもなります。
国産車にはない規格外の大きさですが、運転はしやすいですか?
国産車にはない規格外の大きさですが、運転はしやすいですか?
「意外と大丈夫。もちろん大きいから駐車とかは気を遣うけど、もう慣れました。普段乗りしているので、このクルマでスーパーでもどこへでも行きます。駐車できるかどうかで行ける店は限られるけど、自分の生活圏内は大体行くところが決まっているので問題ないです。あとはまぁ、よく見られます。めっちゃ話しかけられます。『今、⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎にいるでしょ?』とかLINEが来たりして、どこにいるかがすぐわかっちゃう(笑)」。
それは…悪いことできないですね(笑)。これだけ大きいクルマだと燃費はどうなんでしょう?
「ディーゼルだし燃費は良いですよ。高速道路であれば10km/ℓぐらい行きます。ランニングコストはめちゃくちゃいいです。パワーがあるから高速道路の運転はラクだし」。
ご自身でDIYした内装、一番こだわったのは?
「ベッドでしょうか。寝床になる板をひっくり返して展開すると、フラットになって広いベッドになります。このまま(畳んで)置けば椅子になって座れるし。今日も名古屋から埼玉まで来る時に、このベッドで車中泊してきました」。
「天井と壁の角にアールをつけているのもこだわったところ。ただ、図面を引かずにその場その場で作っていったので、端のほうとかよく見るとアラが見えちゃいます。あとは暑さ&寒さ対策として、板張りの下には断熱材を入れています」。
車内で立って歩けると、お部屋感が増しますね。この天井高は「立てる」ということ以外に何か役立っていますか?
「このTシャツを掛けている衣装ハンガーがそのまま入ります。そんな感じで、どんな荷物だってただブチ込めばいいところでしょうか」。
仲間と立ち上げたスケボーブランド「VAN TRIP SKATEBOARD」
島崎さんはこのイベントで、「VAN TRIP SKATEBOARD」(インスタグラム:@vantripskateboard)というスケートボードブランドの出展者として参加。同ブランドは島崎さんと先述の廣瀬さんが2人で立ち上げたもので、「おじさんによる、おじさんのための、おじさんがワクワクする」商品作りがコンセプト。主力アイテムは、一枚板で作る手作りのスケートボードデッキです。
「僕たちはかつてのスケボー少年。40代になった今だからこそ、もう一度始めてみてもいいんじゃないかなーと思ってブランドを立ち上げました。商品として作るのは、一枚板で作る世界で1枚だけのスケートボード。シェイプの仕方も特別で、すべてのカーブ部分はバケツの蓋から型取りしてます」。
バケツの蓋で型取り! コンセプトも含めてユニークすぎる!
「ジブリの『風立ちぬ』って映画があったじゃないですか。主人公の堀越二郎は、鯖の骨のシェイプに感銘を受けて零戦を設計した話。そんな感じで、たまたま近くにあったバケツの蓋を見て、スケボーの型にした。『BUCKET LID SHAPE』って名前も付けました」。
それいいね、おもしろいねって言ってもらえて、仕事へのやる気も湧いてきた
40代のおじさんのするスケートボードは、オーリーとかキックフリップとかに挑まなくていい。コーヒーでも飲みながらゆっくりクルーズしようよ! そんな肩の力の抜けた楽しみ方を提案しているVAN TRIP SKATEBOARD。こんなふうにVAN LIFEやスケートボードに取り組むことは、本業である美容師の仕事にもよい影響を与えていると言います。
「仕事のやる気が出てきました。僕の場合は10年以上の長い付き合いのお客さんが多いんですが、車中泊していることやスケボーブランドを立ち上げたことなんかを話すと、それいいね、おもしろいねって言ってもらえるんです。そうすると仕事もやる気が出てくる。相乗効果です」。
「今考えると、20代、30代は、いい美容師になりたいと思って頑張ってました。でも壁ってあるじゃないですか。それを超える、超えないはどっちでもいいんだけど、以前にも、壁にぶち当たった時に趣味に全振りしたことがあったんです。その時は陶芸で、ドリアンみたいな作品を作ってました(インスタグラム:@hanten.jp)。そうしたら心も充実してきて、仕事もイイ感じになってきた。そういうことってあるんですよね」。
今回は土日のイベントに出展されているので、お店はお休みですか?
「スタッフが育ってきたので、お店を任せてきました。僕自身はこれまであまり休みを取らずに働いてきたけど、今の時代には合わないんですよね。なので、自分もちゃんと休みはとったほうがいいなぁと思うようになっています」。
スケボーという共通の趣味で、娘と一緒にVAN TRIP!
最近、車中泊した中で印象に残った場所は?
「今年の元日に行った蒲郡かな。スケボーをする高校生の娘と二人でVAN TRIP。初日の出を見て、日の出と共に一緒にスケボーして、車内ですき焼きを食べて、最高の時間でした。正月やお盆休みは必ず車中泊の旅をしてます」。
娘さんと共通の趣味で楽しめるなんて最高! 最後に、新たに立ち上げたVAN TRIP SKATEBOARDのこれからについてお聞かせください。
「今回初めてVAN TRIP SKATEBOARDとしてイベントに出展しましたが、来てくれた方の反応がよかったんで、出展を続けていきたいですね。廣瀬くんとは、このブランドでお金儲けとかに走りすぎないように、ワクワクを中心に置いていこうってよく話してるんです。二人とも本業があるんで、そこをしっかりやって身を固めて、VAN TRIPでは楽しむ。その結果、VAN TRIPが広がっていったらいいな、くらいで。おじさんなんで、肩の力を抜いて、ゆっくりやろうと思ってます」。