LIFE
2025.08.12
【気になる】発火しやすいリチウムイオン電池の安全対策してる?
最近よく話題になるモバイルバッテリーや充電池内臓器機の発火による事故。実は多くの場合リチウムイオン電池がそれらの製品に使用されています。安全に使い続ける方法とは? 廃棄、保管する方法についてもリサーチしました。
モバイルバッテリーの発火はなぜ起こる?

最近のモバイルバッテリーに使用されている多くの電池は「リチウムイオン電池」(リチウム蓄電池の一種)です。
その発火の原因は「2種類の電極物質が直接接触し、化学反応を生じる」ことで起こるよう。さらに「内部短絡により、電池内部で徐々に反応が進み、電池温度上昇、発熱、内部燃焼を経て発煙・発火に至る」と、環境省の資料で説明されています。
その発火の原因は「2種類の電極物質が直接接触し、化学反応を生じる」ことで起こるよう。さらに「内部短絡により、電池内部で徐々に反応が進み、電池温度上昇、発熱、内部燃焼を経て発煙・発火に至る」と、環境省の資料で説明されています。

東京消防庁の出火要因のデータをみると、リチウムイオン電池について、いつも通り使用していたが出火が39件(23.4%)、衝撃等が18件(10.8%)などがある一方、出火要因が特定できないものは67件(40.1%)もあります。いつも通り使用していても出火する可能性があるので、ちゃんと管理しておくことが重要なポイントになりそうです。
リチウムイオン電池が使用されている製品

知っておくべきは、リチウムイオン電池が意外なほど身の回りにある充電可能な製品に使われていて、今や生活する上で避けるのが難しいということです。
モバイルバッテリーだけではなくスマートフォン、ハンディ扇風機、電子タバコといったものにも利用されているので、気が付かずに持っていて、発火しやすい環境に置いてしまっていることも少なくないでしょう。ちゃんとどこに保管しているかを把握しておくことは重要なのです。
モバイルバッテリーだけではなくスマートフォン、ハンディ扇風機、電子タバコといったものにも利用されているので、気が付かずに持っていて、発火しやすい環境に置いてしまっていることも少なくないでしょう。ちゃんとどこに保管しているかを把握しておくことは重要なのです。
ではどうすればいいのか?

リサイクル工程で発火原因となった電子タバコ
衝撃を与えないことと、高温となる場所に置かないことが基本ですが、環境省の資料によると経年劣化で膨張するケースも報告されていて、そうなると買い替える」ことも有効な手段のひとつ。ちなみに一般的なリチウムイオン電池は「寿命である2~3年(充放電500サイクル)を目安が廃棄の目安になるそうです。
そして廃棄する際に「電池切れの状態になるまで使い切ること」も重要で、電池切れの状態になれば発火の可能性が低くなるとされています。
そして廃棄する際に「電池切れの状態になるまで使い切ること」も重要で、電池切れの状態になれば発火の可能性が低くなるとされています。

廃棄の際にしっかり分別せずにプラごみや燃えないゴミとして捨ててしまうと、他のごみと一緒に処理されて引火し、火災が起きます。使い切った上で、住んでいる自治体が定めた方法で廃棄しましょう。
ちなみに東京都渋谷区では、自治体としてリチウムイオン電池(充電可能なリチウム二次電池)を回収していません。「一般社団法人JBRCがリサイクルのため回収していて、『小型充電式電池リサイクルBOX』にお出し下さい」と案内があります。ただし、区内の住人に限り「回収協力店に回収を断られた小型充電式電池(モバイルバッテリーなど)の拠点回収を始めました」ともあります。

個人的に気になったのが、サンシェードの使い方によってドラレコが過熱、または熱が逃げにくくなってしまうという指摘でした。反射によって通常より高温の状況になってしまうので、ドラレコを覆うような使い方は避けた方が良さそうです。

残念ながら調べた結果分かったのは、リチウムイオン電池を使用した製品の扱いや廃棄方法について、正しい方法がはっきりとわかっていないということでした。出火要因のデータでは「通常使用」と「不明」を合わせると60%を超えるという数字が、それを表しています。
ただ、ユーザーそれぞれが不適切な使用を避けることでトラブルの根本原因が見えてくるように感じました。暑い夏には特に注意したいので、身近なリチウムイオン電池製品を今一度見直してみましょう。
ただ、ユーザーそれぞれが不適切な使用を避けることでトラブルの根本原因が見えてくるように感じました。暑い夏には特に注意したいので、身近なリチウムイオン電池製品を今一度見直してみましょう。
取材・文/田中一馬