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【メガネ考】〜理論篇〜 デザイナーが語る「アイウェア選び」の意外なコツとは

【メガネ考】〜理論篇〜 デザイナーが語る「アイウェア選び」の意外なコツとは

メガネが必要な人にとって、視力のサポート以上にアクセサリーとしての「アイウェア」が注目されています。新生活が始まる春はメガネも新調したくなる。そこで、デザイナーの柳さんに選び方のコツを尋ねてみました。

メガネを機能ではなくアクセサリーとして選ぶ時代

引用元/DJUAL。
「この20余年の間で、日本のメガネ市場は大きく展開されたと思っています」と柳 根宇(リュウ グヌ)さんは話はじめました。

「ライセンスものからハウスブランド、低価格ブランドまで、全ての販売形態にデザイナーとして携わりましたが、メガネを選ぶ幅や機会が圧倒的に増えたと思っています。

もちろんメガネは医療器具として視力矯正のためにあることが大前提ですが、お気に入りのアクセサリーを選ぶようにチョイスする人が増えてきたことは喜ばしい」と笑みを浮かべます。

生産性重視の中でモノとしての魅力が失せているかもしれない

DJUALのフレームデザインでは、幾何学的な構成を用いて、究極に収まりの良いフロントデザインの提案しています。
引用元/DJUAL。

しかし、次の瞬間彼は少し眉をひそめる。

「日本のモノづくりはすごい! と思って学生時代からこの国でプロダクトデザインを学んできました。でも、最近の風潮ではモノをデザインというスペックで買う時代じゃない、という空気を感じています。言い換えれば、『カッコいい』というモノ選びに対するトキメキの尺度がなくなったような気がしています」。

「ファッション業界全体としても、内装がキレイなセレクトショップは増えたけど、その品揃え自体がマーケティングデータで最初からセレクトされてしまっていて、ショップの個性がなかったり、消費者も本当に欲しくて買っている商品は少ないんじゃないかと思います」。

「メガネにしても、重要なファッションアイテムとして、カラーもカタチももっともっとバリーションを増やして、選ぶ人に楽しんでもらえるように、僕たちデザイナーも頑張らないと」。

と強い意志と抱負を述べてくれました。
引用元/DJUAL。

マニュアルに頼らず試着を重ねる大切さ

引用元/DJUAL。
「丸顔の人はラウンド型よりスクエアタイプを、とか、面長の人には幅の狭いオーバルよりもウエリントン型の方が似合う、なんて雑誌などの『顔のカタチ別のメガネ選び』といったマニュアル記事を目にしますが、僕は個人的にはオススメしません」。

「ラウンドだって大きさによっては丸顔の人にもよく似合いますし、顔の輪郭だけでフレームを選ばない方がいいです」。

「一番大切なのは、自分の好みと実際に試着して、かけ心地や鏡を覗いた時の自分で感じる印象です。パーソナルカラーという色彩学の言葉がありますが、似合う似合わないはそこにも関係するし、自分が普段身に着けるファッションの嗜好によってもトータルコーディネートとしての基準も変わってくると思います」。

「自分の気に入ったものを鏡を見て選ぶ」。柳さんは実に真摯にモノとしてのメガネフレームの選び方を説明してくれました。この春、メガネを新調しようと考えている人は、ぜひ実際にショップに行って、試着を重ねることをオススメします。

次回「これなら間違いのないアイウェア選び」の実践編につづく。
資料提供/DJUAL。

教えてくれたのは、この人

引用元/DJUAL。
DJUAL 柳 根宇(リュウ グヌ)
青山眼鏡、999.9(フォー・ナインズ)、INTERMESITIC(Zoff)、スロウを経て、2010年DJUAL(デュアル)を設立。ブランド「DJUAL」と「One/Three Compound Frame」を展開。「創る人とかける人」「デザインと機能」「価格と価値」…。そうした相対する物から生まれる一つの美しき均衡を、独自の「眼鏡相対性理論」と唱え素材と構造にこだわったメガネフレーム作りを展開しています。

https://www.djual.jp
鶴田茂高(ツルタシゲタカ)
気持ちいいと感じた音を多くの人に伝えたいと願う音楽愛好家。グルメ、酒、ファッション等もお伝えします。
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