CAR & BIKE
2025.08.02
【ゲリラ豪雨体験】標高1600m以上でゲリラ豪雨と雹・がけ崩れに遭遇!こんな時どうすれば良い?
ドライブスポット取材中、1600m近い山頂付近の峠道でゲリラ豪雨に遭遇。雷の音が鳴り、土砂降りの山道では、どのようにすれば良かったのかを振り返ってみました。
天気急変!夏山の急な豪雨を体験

取材日当日は午前中から青空で、爽やかな夏日の模様でした。しかし午後になると山頂付近の天気は急変、あっという間に黒い雲に囲まれて、不穏な雰囲気に一変してしまいました。山の天気の急変を生むメカニズムは山にぶつかる湿った風が上昇気流となり、上空でその空気が冷えて雨雲となるためだそう。今回はその恐ろしさを身を持って体感することになりました。

本格的に降り始めた時はまだ山頂付近にいて、雨より雷の音の方が恐ろしく、ここではない場所に移動する必要があると考えていました。ただ山奥で落ち着いてやり過ごす場所は少なく、これまで通過して来た通行止めのゲートが閉じて孤立するのではという別の不安もよぎりました。とにかく一番最短で平地にたどり着くルートを検討することに。

ゲリラ雷雨遭遇時に筆者がいたのは上の図のピンが差してある場所です。高所にあるため付近一帯にスマホの電波はなく、周囲の情報や現在の天気マップについて知ることはできません。
GPSによる現在地だけはわかるので、それを元にルートを決めました。もし山道で孤立した場合、誰かが来ない限り自力で下山するしかないことを実感します。
GPSによる現在地だけはわかるので、それを元にルートを決めました。もし山道で孤立した場合、誰かが来ない限り自力で下山するしかないことを実感します。
急いで下山!しかし斜面の崩落も

一時的な豪雨であることはわかっていましたが、やり過ごす場所がどこにあるのかわからないので、とにかく先を急ぎました。視界が悪く路面状況も見えないので、凹凸に気付けないのが危険だと思いながらクルマを走らせます。

さらに雹も降ってきて、窓ガラスに硬い氷が当たる音がします。小粒でよかったものの、大きな雹が降り注いで窓ガラスを突き破ってきたらと思うと恐ろしい。

豪雨が原因で発生したのか斜面が崩落(がけ崩れ)している場所もありました。かろうじて通行できる幅があったので良かった、ここが塞がれていたら逆戻りすることになります。豪雨時に限りませんが、クルマに直接土砂が落ちてくる可能性もあるので、やはり危険が高まる状況です。

結局20分程度で麓まで降りることができ、被害に遭うことなく山を下りることができました。一旦やり過ごしていれば、山の上で晴れ間を見ることができた可能性も否めませんが。
今回の反省点:慌てて下山しない方が良かったかも

今回の一番の反省は天気予報を見た時に雷雨の確率について特に気にしていなかった点です。昼過ぎに40%程度という表示は確認していましたが、撮影中に降らなければいいなくらいにしか思っていませんでした。人気が少なく危険が多い山道に行く以上、スケジュールについて考えるべきだったと思います。

また焦って下山を急いだことも、リスクを高める行動だったと思います。一時的な豪雨であることはわかっていたので、近場で停まれる場所を探すべきだったと思います。ただ電波がなく、近くでやり過ごせる場所を探すことができなかったので、事前に安全に停まれる場所を頭に入れておくのもいいかもしれません。
最近、頻繁に山道に行っていて、山道の危険に対する意識が薄れていたのですが、今回の経験で気を引き締める必要があることがわかりました。皆さんも夏のドライブの危険性について改めて考えてみてください。
最近、頻繁に山道に行っていて、山道の危険に対する意識が薄れていたのですが、今回の経験で気を引き締める必要があることがわかりました。皆さんも夏のドライブの危険性について改めて考えてみてください。
取材・文/田中一馬