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ローラス初の試み、サイエンスカフェとは/第26回

ローラス初の試み、サイエンスカフェとは/第26回

世界に通用する教育を考える「21世紀脳を持つインターナショナルな子供の育て方」連載26回目は、4月に開催した「サイエンスカフェ」について。

STEM教育をかかげるローラスとして、私がどうしてもやりたかったのがサイエンスカフェ。聞き慣れない名前かと思いますが読んで字のごとく、カフェでの雑談感覚で難しいサイエンスをかみ砕いて紹介していく講演のことです。今回はこのサイエンスカフェについて紹介していきます。


サイエンスのコミニティでより簡単に
より身近に科学を感じられるように!


新年度が始まり、なにかとせわしい季節ですが、そろそろ落ち着かれましたか? ローラスもプリキンダー、初等部にたくさんの新入生を迎え、ますますにぎやかになっています。 初等部ではたくさんの書籍を購入し、ライブラリーも一新されました。 またサイエンスルームでも大きな水槽にアロワナ3匹、ピラニア10匹を新しいメンバーを加え、ジャングルをイメージした熱帯植物をその周りに配置しました。


そんな中、4月にローラスの初めての試みLaurus Innovators'' Lab(ローラスイノベーターズラボ)を自慢のサイエンスルーム(※1)とホールで開催いたしました。これは何かと言いますとローラス主催のサイエンスカフェです。 サイエンスカフェとは、サイエンスの講演会とは違い、専門家と一般の人たちがカフェのような場所で飲み物を飲んだりしながらリラックスした雰囲気の中でサイエンスについて語ったり、意見を交換する場となっています。起源は意外に新しく1997年頃イギリスとフランスでほぼ同時に始まったようです。


日本でも15年くらい前からさまざまな団体、大学や研究所などでサイエンスカフェが催されているようです。このご時世ですので、オンラインで開催しているところもあります。


ローラスイノベーターズラボ開催の理由の1つはサイエンスやイノベーション、アントレプレナーシップ(※2)のコミュニティーを作りたい、と思ったことです。日本には優れた研究者、イノベーター、そしてアントレプレナーの方々がたくさんいます。そういう方々と、スクールの生徒や保護者、スタッフを含むコミュニティ、そして関心のある地域の方々を巻き込んでサイエンスやイノベーションのコミュニティを作ることで、ますます学びが活発になり、世界が広がっていきます。 そしてローラスも地域にサイエンスで貢献でき、STEMスクールとしてもどんどん成長していけると思うのです。


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さて、第1回のローラスイノベーターズラボのテーマは「すべての人に再生医療(※3)を〜再生医療の最先端〜」でした。第1回目ということもあり、少人数になると予想しておりましたが、再生医療は今とても注目を集めている最先端の分野ということもあり、関心も非常に高く、たくさんの方々に参加していただけました。講師はローラスの生徒のお父さまで再生医療の事業をされている方とその会社の研究員の方のお2人方。再生医療とはなにかというベーシックなところから始まり、再生医療の現状、再生医療がどんな未来を作るのかなど語っていただき、参加した皆さんは前のめりになり、聞いていました。iPS細胞で山中教授がノーベル賞を受賞し、政府が国を挙げて再生医療を推進することを決め、世界に先駆けて法律を整備。薬や医療機器の安全性の基準を定めたことで、再生医療に関して日本は最先端の立ち位置にいるとのことでした。このところ日本の評価が低迷している中、久々にうれしいニュースでした。質問もたくさん出ており大人に混じって聞いていたローラスの5年生の生徒の質問の鋭さに講師の方も驚いているようでした。和やかな雰囲気の中で会は終了しましたが、あらためてサイエンスを共有する場の必要性、そしてそういう場を提供できたことへの喜びを感じました。


科学技術の発展で国も人々もその恩恵を受けて豊かになり、科学技術を利用し、さらにしのぎを削って産業や経済的発展を追求してきました。サイエンスカフェは専門家と一般の人をつなぎ、知見を広め、皆で地球規模の問題をシェアし、その解決方法を考えて行くようなこれからのサイエンスの土台を作ってくれるものと期待しています。


自慢のサイエンスルーム(※1)
ローラス初等部のサイエンスルームにはたくさんの種類の展示があります。 アゴヒゲトカゲ、砂ネズミ、ハムスター、ひきがえる、餌用のゴキブリやコオロギなどの動物。またアンモナイト、三葉虫、恐竜の歯などの化石、世界中の珍しい種子や熱帯雨林の植物多数も展示されさながら動物園+博物館のようです。


アントレプレナーシップ(※2)
起業家精神と訳される。米ハーバード・ビジネス・スクールのハワード・スティーブンソン教授は、アントレプレナーシップを「コントロールできる経営資源を超越して、機会を追求する姿勢」と定義付けています。


再生医療(※3)
自分の細胞や組織を利用して、病気や事故で失ってしまった臓器や組織の機能回復を目指す医療のこと。


インターナショナル


ローラスインターナショナルスクールオブサイエンス 学園長
日置麻実さん

東京、神奈川に8校のSTEMインターナショナルスクール、英語スクールを運営。日本に未来のイノベーターをたくさん輩出することを使命とする。上智大学外国語学部英語学科卒。

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