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 [LIFE]21世紀脳を持つ子供の育て方第10回「日本人に足りないコミュニケーション能力」

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[LIFE]21世紀脳を持つ子供の育て方第10回「日本人に足りないコミュニケーション能力」

2020.01.14

日本人はよくコミュケーション力が弱いと言われます。それは一体なぜでしょうか。そこでコミュケーション力の鍛え方を紹介。そこには日本の点数式の減点型教育に足りないものが見えてきます。

グローバライゼーションが進み、あらゆる国籍の人たちとの交流が多くなっている多種多様性が進む日本において、コミュニケーション能力の重要性がますます高まっています。
私共のスクールの教育理念もコミュニケーション能力、主に英語でのコミュニケーション力を培うことを掲げています。日本の子供たちがどうやったら英語で世界の人々と同じレベルのコミュニケーション力をつけられるのか考えてみたいと思います。コミュニケーション力を上げるための書物では、①相手をよく理解すること。②共感すること。 ③聞き上手になること。以上、主に3つの要素にまとめられて、書かれていることが多いようです。正にその通りなのですが、周りの空気を読んで同質化することが常識の日本では、この3つの要素のコミュニケーションはできていると思います。

インターナショナルスクール

では、日本人に足りないコミュニケーション力は何か?と言いますと、圧倒的に世界に向かって発信する力なのです。その発信するコミュニケーション力を日本人として阻害しているものが2つあります。
まず第一に英語力。英語を身に付けず、将来世界に飛び出すのは武器を持たずに戦場に出るのと同じです。まだ英語は習い事程度の認識の親御さんも多いのが実情です。ただし英語意識、コミュニケ意識が高い親御さんの中には、今の日本の英語教育に危機感を抱き、インターナショナルスクールを選ばれてる方も増えています。その影響もあって日本中でインターナショナルスクールの数もどんどん増えています。
2つめの阻害要因は、自分の意見を発信する事に対しての自信の無さです。もともと「沈黙は金」「男は黙って…」のメンタリティーの日本社会の中で、しかも出る杭は打たれる環境にいると、発信すること自体が苦痛になってしまいます。解決方法は、子供たちが自由に意見を述べ、ディスカッションし、プレゼンし、また自分の体で表現できる環境を設けることです。私たちのスクールでは普段の授業の中で、自然に子供たちが質問意見を述べ、皆でブレインストーミングして話し合っています。プロジェクトが終了するごとにプレゼンするのがルーティーンです。結果、子供たちは自信をもって自分の意見を言うようになります。
自分の体で表現することを大切に考えている中で、今注目しているのがドラマ教育(※1)、いわゆる「劇」なのです。
イギリスの演劇(※2)はとても盛んですが、ドラマ教育も歴史が長く1960年代に確立し、定着してきました。劇の時間の中で子供たちは脚本の登場人物になりきり、思い切り表現します。悲しみ、喜び、くやしさ、怒り、いたわり…などありとあらゆる感情を、架空のシチュエーションで想像力を最大限に駆使して表現するのです。先日ドラマのワークショップでは子供たちは目を輝かせ、クラスメートと協力しながら、全身を使って役どころを表現していました。普段だと人前では抑えなければならない感情を思い切り外に出して自由に表現することは、子供たちの心を解放し、セルフエスティーム(※3)を強め、結果、自信も深まります。ドラマの脚本を読み込むことで人間の感情のヒダや機微について考えるので、「空気を読む」的な表面的でない、深いレベルの共感が生まれます。
また、ドラマ教育で特記すべきはボイストレーニングです。あいうえおの母音の強い日本語が第一言語だと、子音が大切な英語の発音の上達を妨げます。英語でのドラマ教育では、大きな声の台詞は母音が圧倒的に勝ってしまうので、何を言っているのかわからなくなってしまう場合があるのです。だから、ボイストレーニングをすることで、きちんと子音を意識したきれいな英語を磨きます。英語の発音力を高める上でも、「ボイス教育」は欠かせないのです。

ドラマ教育(※1)
ドラマインエデュケーション。イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどで定着してるがドラマを教育のツールとして使用。安全が担保された環境の中で、子供たちが参加し、表現を学習。ドラマとシアターに区別され、シアターが観客の前で上演することまで目標にしているのに対し、ドラマは普段の授業の中で行います。子供たちはドラマを通して言語や自信などの生きる力を学んでいきます。

イギリスの演劇(※2)
イギリスは演劇が盛んな国でエリザベス1世時代のウィリアムシェイクスピアから現代のウエストエンドのミュージカルまで、その歴史は長く、国民的なエンターテイメントとなっています。

セルフエスティーム(※3)
自己肯定感とも訳される。自分自身を価値あるものとしてを認めることのできる感覚です。生きる力を培う大事な要素の1つなのです。

インターナショナルスクール

日置麻実さん
ローラスインターナショナルスクールオブサイエンス 学園長
東京、神奈川に8校のSTEMインターナショナルスクール、英語スクールを運営。日本に未来のイノベーターをたくさん輩出することを使命とする。上智大学外国語学部英語学科卒。

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