[クルマ]新時代の007は電気なボンドカーに乗る!
次作で25作目となる007ムービーですが、ついにボンドカーに電気自動車が選ばれたそうです。なるほど、昨今の世界的エコブームには、腕っこき諜報部員といえども知らん顔できないのかと、いくらか気落ちしかけたファンは少なくないでしょう。ところが、アストンマーティンが作ったEVだと聞き、気落ちした人も「そうこなくっちゃ!」と膝を叩いたかと思います。
ジェームズ・ボンドといったらアストンマーティン!
なにせ、ボンドカーといえばアストンマーティン。中でも、DB5は007のアイコンと呼べる存在でしょう。ほかにも、DBS(『女王陛下の007』など)やヴァンキッシュ(『ダイ・アナザー・デイ』)、映画の中だけに登場したDB10(『スペクター』)なんてクルマもありました。そして、最新作に登場予定なのがアストンマーティンの4ドアスポーツセダンとしてブランドの頂点に立つ「ラピードS」をベースにしたEV、その名も「ラピード E」です。中国のテレビやスマホのベンダー「LeEco」と、F1チームで有名なウイリアムズの総本山「ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング」(電動レーシングカーのレース「フォーミュラE」でも活躍中)らの協力によって、このラピード Eは155台の市販が決定されました。
ともあれ、劇中のラピード Eには期待大! ボンドカーらしいギミック(もしかしたら助手席のボンドガールを電気でもってビリビリさせちゃうかも)も、楽しみでなりません。
ASTON MARTIN RAPIDE E
[アストンマーティン ラピード E]
価格未公表
動力源が電気になっても性能とたたずまいはやっぱりアストン!
車両後部に配置された2個のモーターによるパワーは、最大出力612ps!
それを「GT」「スポーツ」「スポーツ+」の3つのドライビングモードを選択して走らせますが、まぁ、ジェームズ・ボンドじゃないパパはGTモードでよろしいかと…。10インチのデジタルディスプレイが装備されたラグジュアリーなコクピットに座り、優雅にスマートにEVドライブを楽しんでくださいませ。
そのディスプレイにはモーター出力レベルやリアルタイムのエネルギー消費量などが表示されるので、バッテリー充電量が減ったら最寄りの充電スペースで充電しましょう。400Vで1時間充電すると、約300kmの航続が可能になります。
アストンマーティンのEVは最新のテクノロジーが満載
6ℓV12エンジンに代わり65kWhのバッテリーが与えられたラピードE。ラピード SからEVへのモディフィケーションは、冷却ロジックの変更と、それに伴う空力パッケージのアップグレードがメインとなりました。つまり、内燃機関よりもモーター&バッテリーの発熱量は少ないため、冷却のために割いていた空力をダウンフォースなど動的資質の向上に割り当てることが可能となったのです。そのため、空力性能は約8%の向上という目覚ましいもので、フォーミュラEでトップ争いをしているウイリアムズの面目躍如といったところでしょう。
バッテリーシステムは610psをわずかに上回る最高出力と、950Nmの最大トルクを発揮。0~100km/h加速に4.2秒、最高速度は250km/h(リミットを設定)と謳われています。また、驚くべきことは、ニュルブルクリンクを全開で1周走ってもバッテリーやモーターの性能低下が発生しないということ。由緒正しきスポーツカーメーカーゆえ、電気自動車といえどもスパイスが効いてます。
ともかく、ラピード Eは初の電動ボンドカーであり、210台が生産されるラピード AMRよりも希少なモデル。後世に語り継がれるべきアストンマーティンが、またひとつ生まれたといっても過言ではないのです。
ドライブ先の充電でも安心! 1時間の充電で長距離走行が可能!!
電気自動車を保有し、走らせる際に気になるのはバッテリーの充電具合です。ラピードEの蓄電容量は65kWhと大容量なので、フル充電での航続距離は322km(WLTPモード)! 外出先では電圧400V×1時間の充電で、298kmを走行できるだけの充電が可能です。
少しくらいのカッ飛び走行なら充電補給しなくてもこなせます
ラピードEのパワートレインは最大出力612ps、最大トルク96.8kgmで、0~100km/h 加速4.2秒、最高速250km/h(リミッター作動)を誇ります。バッテリーやモーターの性能を低下させることなく、ドイツのニュルブルクリンク北コースを全開走行で1周できるそうなので、普通のイケイケ走行なら余裕でカッ飛べます。
アストンマーティンというブランドが3分でわかるおせっかい解説
①ジェームズ・ボンドの愛車といえばアストンマーティン DB5です
ジェームズ・ボンドの愛車といえば、誰もが思い浮かべるアストンマーティン。とりわけDB5は5代目ボンド俳優のダニエル・クレイグもお気に入りという不動のアイコンでしょう。映画では『ゴールドフィンガー』、『サンダーボール作戦』で補給将校Qから受け取ったほか、『ゴールデンアイ』、『トゥモロー・ネバー・ダイ』ではプライベートカー扱いで登場。最近の作品では、『スカイフォール』、『スペクター』にもそれまでのオマージュとも取れるような登場をしていましたね。
②アストンマーティンにはこれまでもいくつか4ドアモデルがありました
アストンマーティンは生粋のスポーツカーメーカーですが、規模の割には多数の4ドアモデルをラインナップしていました。最初に登場した4ドアモデルは、合併したブランド「ラゴンダ」のラピードで、DB4がベース。
1974年に登場した4ドアモデルがDBSをベースにしたアストンマーティン ラゴンダで、わずか7台を生産。その後1976年には、シリーズ2へと進化。インジェクションモデルのシリーズ3と合わせて500台以上を販売した大ヒットモデルとなりました。
③アストンマーティンからSUVが出るって知ってますか?
昨今のSUVブームの盛り上がりからしたら遅いくらいですが、アストンマーティンからもマルチパーパスモデルが登場します。写真のカモフラ版は公式サイトで走行シーンまでアップされていますが、今年後半には正式なスタイリングが、そして市販は2020年が予定されています。どうやら、メルセデス・ベンツのコンポーネンツを流用してチューニングするとのことですが、4ℓV8ツインターボのセッティングや、アストンマーティンらしいダイナミックな走りに期待が高まります!