【九島辰也インプレッション】フォルクスワーゲンのパサート・オールトラックとゴルフ・トゥーラン
イタリアのトスカーナ地方に、サンジミニャーノという城壁の街があリますよね。フィレンツェからクルマで40分くらいのところに。そのドイツ版がローテンブルクかも、ですね。こちらも城壁で囲まれた情緒深いエリアです。
しかもここは場所がいい。地図上でいうとちょうどフランクフルトとミュンヘンの間です。それにシュトゥットガルトからも近い。レンタカーを借りてドイツのモータウンを回るときに立ち寄るのもワルくないですね。
そんな風にドイツを走り回ってきました。全走行距離はおよそ1000㎞。VWのホームタウン、ヴォルフスブルクを起点に南下。ローテンブルクで一泊してのミュンヘンまでのテストドライブでした。
クルマは写真のパサート・オールトラックとゴルフ・トゥーラン。ともにTDIと呼ばれるクリーンディーゼルエンジンを搭載します。
VWのディーゼルがいいのは言わずもがな。思いのほかスポーティなレスポンスでしかも振動や騒音も抑えられています。まぁ、お騒がせなニュースもありましたが、パワーソースとしての価値は十二分に感じられます。特に今回は二つのモデルですが、かなりの距離ステアリングを握りました。その意味ではハンドリング、乗り心地を含めて、いい出来と言い切れます。
2台の違いは若干トゥーランのほうが軽快さはありますが、安定したロングドライブという面ではパサートに軍配が上がります。それはまんまキャラクター。好みですね。トゥーランとティグアン4WDのTDIはまもなく、パサート・オールトラックは日本導入準備中だとか。いやぁ隠れた逸品。日本上陸の期待大です
走ったのはこちら!
シュトゥットガルトでもミュンヘンでもなく、ヴォルフスブルク!
今回のルートの起点になったのはフォルクスワーゲンの本拠地ヴォルフスブルク。そこにはアウトシュタッド(自動車の街)というフォルクスワーゲングループの各ブランドのテーマ館と博物館がある。クルマ好きのみなさま、観光にどうぞ。
青いキャップは排ガスがクリーンの証
フォルクスワーゲンのディーゼルはAdBlue(アドブルー)方式。なので青いキャップは尿素を入れる口となる。コレで排気ガスを浄化するわけだ。この辺はすでに日本で販売されているディーゼル車と同じ手続き。消費量は1000キロで約1.5リッターとなるとか。
パサート・オールトラック
新たなカテゴリーに競合車揃い踏みかっ!
オールトラックはステーションワゴンの背を少し上げたもの。ボルボV70クロスカントリーやアウディのオールロードクアトロ、メルセデスEクラスのオールテレインなんかと同じカテゴリーになる。SUV 全盛の中でこの背を高くしたステーションワゴンのニーズが高まっているようだ。その分ターゲット年齢は高いのかも。上質な走りに合った上質な仕上がりをしている。タイヤは18インチ。
ゴルフ・トゥーラン
走りに妥協したくないアナタのための一台
トゥーランの走行性能はすでに日本でも実証済み。“走れるミニバン”として広く知られる。ハンドリングは軽く運転が楽しい。でもって今回はディーゼルの力強さを体感。アウトバーンでの中間加速に不満はなかった。しかも走行中はエンジン音も振動もほとんど気にならない。これグッド! 日本での発売開始は9月ごろを予定。なのでもちろん価格も未定。ミニバンであっても走りにこだわりたい港区パパは要チェックの一台ですね。