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【水冷ハーレーダビッドソン】新型「ナイトスター」発表会で、空冷スポーツスター乗りが感じたこと

【水冷ハーレーダビッドソン】新型「ナイトスター」発表会で、空冷スポーツスター乗りが感じたこと

ハーレーダビッドソンの新型「ナイトスター」の発表会が行われました。水冷の新型エンジンを搭載した同車両。空冷スポーツスターオーナーだった筆者が感じたことをお伝えします。

時代は大きく変わり、ハーレーも水冷化に舵を切った

筆者の愛車だったXL1200R。
ハーレーダビッドソンのバイクは空冷V型2気筒エンジンを搭載が当たり前でしたが、大排気量の空冷エンジンは排気ガスの規制に対応するのが難しいと言われています。

そのため、ハーレーダビッドソンの車両だけでなく、空冷エンジンがトレードマークだった名車たちが次々とカタログ落ち、もしくは水冷エンジンに変更されています。

筆者の愛車だった2007年式XL1200Rはハーレーの幅広いラインナップの中でも「スポーツスター」というカテゴリで、特に日本では高い人気を誇るシリーズでした。

しかし規制対応の問題などでカタログ落ちが決定。その後発表されたのは、スポーツスターSという次世代のモデルでした。

国民的アニメの声優が変わったかのような衝撃

2021年に発表されたスポーツスターS。モデルはyoutubeやインスタグラムで活躍するインフルエンサーのruriko。
オーセンティックなデザインにひかれてスポーツスターを購入した筆者にとっては大きな衝撃でした。ドラえもんの声優が大山のぶ代さんから水田わさびさんに変更された時と同じぐらいでしたが、筆者の小学生の子供2人は後者のドラえもんがスタンダード。

おじさんが一時的にセンチメンタルな気分になっても、時代と共に変化していくものの一つなのだろうと思ってたのですが、2022年4月13日に水冷Vツインエンジンを搭載する次世代スポーツスターNIGHTSTER(ナイトスター)が突如発表されました。

センチメンタルな気分になっていた筆者を含むおじさんたちは「これだよ!これを待っていた!」と歓喜を上げたことでしょう。4月15日に開催されたメディア向け発表会に参加することができたので、空冷スポーツスター乗りとして感じたことをお伝えしたいと思います。

ブームを起こしますよ!と力強くメディアに語った野田社長

ハーレーダビッドソンジャパンの野田一夫社長。
メディア向けの発表会の前半は社長や担当者によるマーケットにおける車両の役割やコンセプト、ターゲットにしているユーザー層などが発表されます。

ナイトスターは比較的若い世代にリーチしたい車体のようですが、価格は188万8700円と高額なので実際にリターンライダーや年齢の高い層に受け入れられそうな印象を受けました。

ハーレーダビッドソンの売り上げは好調に推移していると発表され、野田社長も「ナイトスターはブームになる!」「めちゃくちゃ売れますよ!」とフォトセッションでは上機嫌でした。

空冷スポーツスター乗りが実車両を見た感想

写真のナイトスターは一部カスタムされている。
個人的には往年のスポーツスターファンもこれなら納得という印象を受けました。筆者が空冷スポーツスターを購入した際には「ザ・オートバイ」というオーセンティックなイメージが気に入って購入しましたが、ナイトスターも同じような印象を受けます。

エンジンはどうしても次世代型の造形が感じらせますが、見た目は「これぞスポーツスター」という感じです。筆者が個人的に素晴らしいと感じたポイントを7つあげます。

ナイトスター、素晴らしい7つのポイント

ナイトスターのタンク形状

タンクは幅が細い。
ハーレーダビッドソンが採用するV型2気筒エンジンは構造上幅が細くなります。そのため車体全体を細く仕上げることでスタイリッシュな見た目になります。

2021年に発表されたスポーツスターSは航続距離を考慮してかファットタンクを採用していますが、ナイトスターは幅の狭いタンクを採用しています。

実はタンクの位置にあるのはダミーで、実際の燃料タンクはシート下なのですが幅が抑えられることでシャープな印象を強めています。

ツインショックの採用

リアサスペンションは左右に1本ずつのツインショック。
最近のバイクは運動性能を高めたり軽量化のため、リアサスペンションは車両の中心に1本のモノショックが一般的。あえて昔のバイクをオマージュするようなデザインを採用したカワサキZ900RSやスズキのKATANAですらモノショックを採用しています。

ですが、ナイトスターは左右に1本ずつサスペンションを備えたツインショックを採用しています。乗り心地は乗ってみなければわかりませんが、やはりオーセンティックデザインのバイクはツインショックが似合います。

ヘッドライトは丸目一灯

最近のバイクに採用されることが増えたLEDヘッドライトだが形状は昔ながら。
最近のバイクは異形ヘッドライトを採用するのが一般的で、オーセンティックと言われる車両のみ昔ながらの丸目一灯が採用されるようになりましたが、ナイトスターではLEDの丸目一灯ヘッドライトが採用されました。

昔ながらのデザインながら明るさに定評のあるLEDを採用しつつ、ヘッドライトカウルを備えることで、ダウンフォースやウインドプロテクション効果を得ることができるでしょう。高級感もあります。

プーリーの形状

ベルトドライブを採用。
日本メーカーの大半は駆動をチェーンで伝えるチェーンドライブですが、ハーレーはベルトで伝えるベルトドライブを採用しています。

ベルトの力をリアタイヤに伝えるプーリー形状が日本仕様の後期型スポーツスターは、ハブダンパー付きの野暮ったいデザインで、アメリカ仕様にカスタムするのが定番でした。

ナイトスターは初めからスッキリしたデザインを採用していて、カスタムの必要はありません。

ステップ位置がミッドコントロール

ステップの位置はエンジンのほぼ真下にくる。
ハーレーのステップ位置は前に足を投げ出すようになるフォワードコントロールと、やや手前になるミッドコントロールになります。

昭和体形で低身長な筆者の場合、フォワードコントロールはシフトやギアの操作がしにくく、間違ってもスポーツ走行なんてできません。

ナイトスターはミッドコントロールなのでコントロールしやすく、身長が低いライダーも扱いやすいのがりがたいポイントです。

サイドカバーを装備

シート下にサイドカバーを装備している。
シート下左右にサイドカバーを装備しているのもスポーツスターデザインの特徴の一つ。ナイトスターも装備されています。

フェンダーレールを装備

リアフェンダーに装備されたフェンダーレール。
リアフェンダーの固定にフェンダーレールが付いているのもスポーツスターという感じです。固定に使っているボルトの頭が星形のトルクス形状なのはハーレーならでは。

オーセンティックデザインながら扱いやすさは大幅に向上

ここであげた7点以外にもスポーツスターらしいポイントは随所にみられるのですが、最新のバイクらしく扱いやすさは大幅に向上しています。

例えば車重は221kgと従来の空冷スポーツスターに比べれば40kg近く軽量に仕上げられているし、細かい事ですが、左右のスイッチに独立していたウインカーも日本車と同じく左にまとめられました。

シート高も705mmと身長164cmの筆者でも両足べったり、跨った状態で車体を起こすのも軽々行うことができました。

今回は試乗することができませんでしたが、実際の走りも気になるところです。なおナイトスターは4月17日まで東京・渋谷の東急プラザ2Fエントランスホールに展示されるそうです。

気になる方は見に行ってみてはいかがでしょうか?
車名/ナイトスター
価格/ビビッドブラック/188万8700円、ガンシップグレーおよびレッドラインレッド/191万9500円
エンジン/水冷V型2気筒 Revolution Max 975T
排気量/975cc
最高出力/89 HP/66kW/7500rpm
最大トルク/95Nm/5750rpm
サイズ/長さ2250mm
シート高/705mm
車重/221kg

●ハーレーダビッドソン ジャパン
相京雅行
フリーのモータージャーナリスト。ワークマン公式アンバサダー、youtubeアイキョウバイクチャンネルの運営など、幅広く活動中。
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