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【夏フェス】ORANGE RANGE、スカパラ、Kroi…実力派そろい踏みのグリーンルーム最終日

【夏フェス】ORANGE RANGE、スカパラ、Kroi…実力派そろい踏みのグリーンルーム最終日

5月28日、横浜赤レンガ倉庫で「GREENROOM FESTIVAL'23」最終日が開催。初日の興奮を引き継ぐように各ステージで圧巻のパフォーマンスが…。時代と次代をつなぐ音楽という熱狂の渦に酔いしれました。

ステージごとの特色レポート+各アーティスト今後のスケジュール

引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
最終日はやや曇天。しかし、屋外フェスはピーカンより曇りの方が体力的にとてもラク。いわば絶好のフェス日和。

さて、特に今年は[GOOD WAVE]、[BLUE SKY]、[RED BRICK] 、[PORT LOUNGE]と4つのステージの特色が鮮明でした。

もちろん、最終日もタイムテーブルは、[BLUE SKY]ステージと[RED BRICK] ステージがまったくの同タイミング。「今日も悩むぞ!」と思いつつ、その時の気分で音に導かれるままに自由に鑑賞しよう、と決めましたが…。
今年もリストバンドで、会場内への出入りは自由。

曇天をにわかに切り裂くORANGE RANGE

ORANGE RANGE・RYO
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
最終日のはじまりです。多幸感に満ちたサイケデリックフォークなネバヤン(never young beach)の歌声に、のんびり気分で癒されていると、あっという間に[GOOD WAVE]前はオーディエンスで溢れかえりました。

結成22年を迎えた沖縄出身の5人組ロックバンド・ORANGE RANGEがついにGREENROOMに登場です。RYO、HIROKI、YAMATOのヴォーカル3人がステージに並ぶと、それだけで地響きが起こっているような歓声に包まれました。

「やっぱり今日ここに来てくれたみんなとはつながるね」と「以心電信」でスタート。発表当時通信会社のCMソングになったためシングル曲以上に知名度があり、オープニングを盛り上げるにはもってこいのナンバー。本当に横浜港が揺れてるようでした。
ORANGE RANGE・HIROKI
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
すると曇天がにわかに晴れ渡っていきました。RYOが「青空、海…で、このロケーションですから」と出来過ぎの展開で「ロコローション」を披露。うなるような歓声とタテノリに近い手のバンキング。いやぁ大ヒット曲があるってすごいなぁとつくづく感心。

すべて踊れるセットリストでまとめたこのステージもあと2曲。そして一瞬翳った空が割れるようにまたもや日差しがさしてきました。「マジか?太陽が照ってるよ、アレだね、アレ」誰もの期待を裏切らないドラマチックな展開で「イケナイ太陽」が。ちょうど関東ではドラマ「花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜」が再放送中で、主題歌のこの曲を耳にした10代20代のオーディエンスからも圧倒的な支持を得ているようです。

もう、どう表現したらいいか?体が崩れそうになるくらい誰もがジャンプしている。初日のDragon Ashのノリとも違う会場の一体感に唖然としながら同調している筆者自身に驚いていました。

ラストは、畳み掛けるように「上海ハニー」。赤レンガ倉庫の空間ごと開放的になれる夏へ誘われたようで、エターナルな若さや青さをゴリゴリと前面に押し出されて、もうすっかりKOされました。
ORANGE RANGE
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
<ORANGE RANGE/今後のライブスケジュール>
6月15日 縁舞 -vol.16- 〜クアトロ肆戦〜 @梅田CLUB QUATTRO
6月17日 縁舞 -vol.16- 〜クアトロ肆戦〜 @広島CLUB QUATTRO
6月20日 縁舞 -vol.16- 〜クアトロ肆戦〜 @渋谷CLUB QUATTRO
6月22日 縁舞 -vol.16- 〜クアトロ肆戦〜 @名古屋CLUB QUATTRO
6月28日 縁舞 -vol.16- 〜Zepp Premium編〜 @台湾・Zepp New Taipei
7月1日 『FLOW 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 2023 ~アニメ縛りフェスティバル~』@幕張メッセ 国際展示場
7月2日 京都大作戦2023 @山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月9日 HAPPY MUSIC SUMMERS @大阪城音楽堂
7月17日 LuckyFes 2023 @国営ひたち海浜公園
7月22日 焼來肉ロックフェス2023 @野底山森林公園
7月29日 OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL vol.12 @男鹿市船川港内特設ステージ
9月3日 『NARUTO-ナルト-』20周年記念「NARUTO THE LIVE」 @幕張メッセ イベントホール

クールダウンはアートの展示やフィルム鑑賞で

引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
キャッチーでパワフルなORANGE RANGEのパフォーマンスにやや放心状態。そこでクールダウンのためにもアート巡りを決行。赤レンガ倉庫内に16名のアーティストによる、サーフスピリットに富んだイラストや写真、グラフィック作品が展示されていました。意外にも多くの来場客が見受けられ、日本のアートシーンもこうしたフェスから敷居を下げていく方法もあると確信しました。

引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
また、ライブ会場内にもフィールドアートとして、CANDLE JUNEのオブジェや子どもが遊具として遊べる仕様のアートワークもあり、微笑ましい光景が繰り広げられていました。
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
もちろん、ライブステージの後でちょっとお腹が空いたなら、フードエリアにはJ.S.BURGERをはじめ10軒の人気店が連ねていました。どの時間もどの店も大盛況で、ここでもフェスを自由に楽しむ姿勢が浸透しているんだと感じたものでした。
筆者は、隣接する赤レンガ倉庫のレストランでピザを食べましたが、3階の窓際の席を用意され、幸運にも[RED BRICK] のステージを鑑賞できました。ホントラッキー!
さらに、今回はまったくフリースペースとなった[PORT LOUNGE]では、超腕のDJたちが極上のグルーヴをマリーナに集まったすべての人に均等に提供していました。ゆったりと体を揺らすのもいいなぁ。

後半戦!最高潮はKroi

ROTH BART BARON
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
ROTH BART BARONの「鳳と凰」で「La la la la la…」とオーディエンスのシンガロングが終わると熱心な音楽フリークたちが最前列を陣取ろうとしていた。狙いは1時間後のKroi。

初のホール公演(東京・LINE CUBE SHIBUYA)を含む全国ツアーを成功させ、スケール感を確実に広げ続けている最も旬なバンドです。ボーカル内田怜央が「ローカルグリーンも含めここ3回くらい出させてもらってますが『GREENROOM』は特別、大好きなライブです」と語るように40分という短時間にいかに自分たちを凝縮させるかを徹底的に考えてセットリストを構成している感が伺え、今日はどんな演目になるだろうかと筆者も楽しみにしていました。

Kroi
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
[GOOD WAVE]のKREVAの演奏が終わる寸前で、Kroiのメンバーが最終の音合わせでステージの登場。ワンコーラスだけ歌って見せると「こんにちは、Kroiちゃんです〜このまま行きますね」と。

オープニングはニューEPから「PULSE」。グルーヴ感が半端なく、粘りっ気のある佳曲だ。つづく「shift command」はパーティー感がてんこ盛りの華やかな楽曲。この時点で会場もパーティー状態です。

Kroi
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
「Page」「Monster Play」「風来」と色彩の変わるナンバーを次々と取り出して見せながら、内田怜央が「ちょっと懐かしい曲」と選んだのが「熱海」。全然懐かしくはないけれど…いやぁ、爽快。このまま新幹線で熱海に行って、温泉に入って、射的したいような幸福感に陥りました。

その後、電気自動車のCMタイアップで著名な「Juden」を挟み、ラストは、「Fire Brain」。頭が燃えるMVでも話題になったKroiにとっては初期の名曲。パーカッシブなビートと印象的なギターリフと内田の高速ラップに会場のテンションは最高潮になり最高のバイブスを互いに共有したようでした。

Kroi、最高です。
Kroi
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
<Kroi/今後のライブスケジュール>
Kroi Live Tour 2023「Magnetic」RED
6月23日 @東京・NHKホール

音楽フェス
6月3日 頂 -ITADAKI- 2023 @静岡県吉田公園
6月11日 GREENROOM BEACH’23 @泉南 SENNAN LONG PARK
7月9日 Talking Rock! FES.2023 @横浜アリーナ
7月15日/16日 City Flow Music Festival 2023 @台湾・Taipei Music Center
7月23日 NUMBER SHOT 2023 @福岡PayPayドーム / Zepp Fukuoka
8月2日 SHIBUYA CLUB QUATTRO 35th ANNIV “NEW VIEW” @渋谷CLUB QUATTRO
8月5日 ONE PARK FESTIVAL2023 @福井市中央公園 特設ステージ
8月6日 ROCK IN JAPAN FES. 2023 @千葉市蘇我スポーツ公園
8月12日 RISING SUN ROCK FESTIVAL2023 in EZO @石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
8月16日 ライブナタリー “Tempalay × Kroi” @Zepp DiverCity(TOKYO)
8月19日 SUMMER SONIC 2023 TOKYO @ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
8月20日 SUMMER SONIC 2023 OSAKA @舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
8月25日 SWEET LOVE SHOWER 2023 @山中湖交流プラザ きらら
9月9日/10日 Local Green Festival 2023 @横浜赤レンガ地区野外特設会場
9月18日 KOYABU SONIC 2023 @インテックス大阪 4号館&5号館
10月14日/15日 LIVE AZUMA 2023 @あづま総合運動公園 / 福島あづま球場

Nulbarichの度量とタッシュ・サルタナの英気に感謝しながら

東京スカパラダイスオーケストラ
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
Nulbarich
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
[GOOD WAVE]のスカパラが大盛況でステージを締めくくった頃、[BLUE SKY]のトリを飾るNulbarich(ナルバリッチ)が本人登場の最終チェックに入りました。「一旦下がるので、何事もなくスーパースターを出迎える気分で盛り上げてね」とJQはおどけました。

ちょっと懐かしい「Follow Me」から始まり、魔法のように会場のテンションを一気に高めながら、「On and On」など渋い選曲にちょっと驚かされたり、代表曲「NEW ERA」でしっかりと心を掴まれました。

「雨が降ってきたね、うちのマネージャーのせい。あいつ雨男だから」とまたお茶目な素顔を覗かせながら、「Reach Out」「Break Free」「TOKYO」と佳曲を畳み掛けました。

そして、後2曲。最新曲「A Roller Skating Tour」を演じる前に「お願いがあるんだ、去年のGREENROOMで俺がトリを取った時、みんながスマホのライトを掲げてくれて、めちゃくちゃ感動したんだ。で、あの感動を[GOOD WAVE]で大トリを務めるタッシュ・サルタナさんに捧げて欲しんだ。ずーっとGREENROOMを思って3年越しで来日してくれた彼女に敬意を評して欲しんだ。充電なくなるといけないから、今回俺にはライトいらないから」。
Nulbarich
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
ちょっと泣きそうです。同じミュージシャンとして来日組を思いやる姿勢に、こちらこそ感謝です。

ラストは「STEP IT」。音そのものよりも気持ちの波動が高いバイブスを受け取りました。ありがとう、Nulbarich。
Nulbarich
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
<Nulbarich/今後のライブスケジュール>
6月10日 GREENROOM BEACH ʼ23 @泉南 SENNAN LONG PARK
6月15日 「moon in the sky」at ロサンゼルス @The Fonda Theatre
7月15日 J-WAVE presents INSPIRE TOKYO 2023 ~Best Music & Market @国立代々木競技場 第一体育館
7月16日 CORONA SUNSETS FESTIVAL 2023 @沖縄・豊崎海浜公園
8月12日 ROAD TO SONICBANG BANGKOK 2023 International Music Festival @タイ・IMPACT Exhibition Center展示ホール5-6
8月19日 SUMMER SONIC 2023 @ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
9月24日 中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2023 @岐阜県中津川公園内特設ステージ
TASH SULTANA
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
そして2日間の「GREENROOM FESTIVAL’23」のフィナーレ、タッシュ・サルタナの歌声が夜の帳の中、赤レンガ倉庫に鳴り響きました。

ジミヘンを彷彿させるギターテクニックとクールかつコケティッシュなウィスパーボイスが魅力的な彼女は、待望の初来日でこんな大きなステージで最高のパフォーマンスで「GREENROOM FESTIVAL’23」を締めくくってくれました。
音楽を思い切り楽しむこと。それは人に合わせるのではなく、自分の好きにしていい、自分の「楽しい?」を基準にしていい。そんな当たり前を、取り戻したような、新たに体得したような、素晴らしい2日間でした。

また、来年!
引用元/© GREENROOM FESTIVAL’23。
鶴田茂高(ツルタシゲタカ)
気持ちいいと感じた音を多くの人に伝えたいと願う音楽愛好家。グルメ、酒、ファッション等もお伝えします。
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