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MADURO STYLEの家創り第17回「家族代々100年受け継がれるサスティナブルな家/前半」

MADURO STYLEの家創り第17回「家族代々100年受け継がれるサスティナブルな家/前半」

納得住宅工房が建てた家をMADURO総編集長の大久保が訪問し、住んでいる家族やご主人のお話を伺って、その魅力に迫る一軒家のご自宅探訪企画。今回は、“一番大切な家族といつまでもずっと仲良く暮らせる家創り”として、ご紹介に預かった工夫満載の2世帯住宅で、梅原さんご主人の祖母、ご両親、梅原さん家族、娘さんの4世代が住んでいる沼津市内にある梅原さん邸にお邪魔しました。

大久保 梅原さん、本日はよろしくお願いします。このご自宅ができる前は、ご両親と梅原さんは別々に暮らしていたんですか?


梅原 はい。元々この家は両親と祖母の住む実家です。4年くらい前に、古かったので建て替えを検討していた母親が、納得住宅工房さんとは別の大手住宅メーカーに自分たち夫婦が住めるように単世帯の家をちょうどオーダーしたタイミングでした。ちょうど私も住居を探しているところだったので、建て替えの費用を多めに負担するので、2世帯住宅にしないかと私から両親に持ちかけたんです。


大久保 そうだったんですね。単世帯の家のオーダーはどこまで進んでいたのですか?


梅原 着手金を払って契約が済んだタイミングでした。ですが、まだ日も浅かったので、少し手数料とキャンセル料がかかったくらいで、着手金の半分以上は戻ってきたかと思います。まさにギリギリのタイミングでした。


大久保 その大手住宅メーカーに単世帯から2世帯にオーダー変更するだけなら、キャンセル料もかからなかったのでは!?


梅原 そうかもしれません。ですが、私の友人が納得住宅工房さんの久保社長と知り合いで、前から建築士としての久保社長の家創りに興味を持っていました。さらに父が久保社長の家創りの著書を読んで、すっかり感銘を受けてしまい、キャンセル料を払ってでも久保社長率いる納得住宅工房さんに依頼し直そうということになりまして、母を説得したのです。完成した一軒家は私たちの想像を遥かに超えて、とても満足度の高い完成度でした。今は家族全員一同、あのタイミングで無理にでも契約を変えて、あの状況で乗り換えて、本当に良かったと思っています。特に母の喜びは私たち以上にひとしおでした。


大久保 竣工したのはいつですか?


梅原 家の竣工が2016年の11月でした。実は2世帯住宅を建てる決定をしたタイミングでは、まだ結婚の予定はありませんでした。


大久保 となると2世帯住宅の、梅原さんご主人の世帯側には、もしかするとこんなに広いお家に1人で住まれる予定だったのですか!?


梅原 ちょうど、2世帯住宅を建てる計画のタイミングが、妻とお付き合いしたばかりのタイミングでした。この女性と結婚できたらいいな、子供を作ってここで一緒に暮らすことができたらいいな、と妄想していました(笑)。ただ、設計段階ではまだ結婚の話までは出ていなかったので、この住宅には妻の意見は反映されていないんですが、1階は家族が広々過ごせるリビング、ダイニング、中庭、仕事部屋で、2階は夫婦の寝室と子供部屋が2つあればいいかなと勝手に家族像を妄想してオーダーしました!で、完成と同時に結婚したので、1人で住む予定から、幸せな家族の家になりました。


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大久保 なるほど。大枠は梅原さんの妄想が上手いタイミングで具現化したのですね! では具体的に、こだわられたポイントなどをお聞かせ願えますでしょうか?


梅原 まずは、2世帯住宅だからと言って、リビングや水回り、玄関に至るまで、両親との共用部分をひとつも設けなかったというところです。やはり両親とはいえ、親と四六時中顔を合わせていては、ケンカや揉め事の火種になりかねません。ましてや生活環境を365日永久的に共有するとなると、なおさらでしょう。ですので、2世帯の住宅をシンメトリーに分断し、ちょうど真ん中を防音の扉で仕切り、それぞれが独立して暮らせるように、玄関を含めて必要な機能を別々に設けました。蛇足ですが、この両親の空間に繋がる扉は、こちら側からのみ鍵をかけられるようになっていますが、今のところ一度も鍵をかけたことはありません。お互いのプライベートが守られた設計なので、両親と私たち子供家族が険悪になったことが一度もないのです。さらに2018年に娘が生まれてからは、母もおばあちゃんになり、お風呂に入れてくれたり、ご飯を作ってくれたりと毎日孫の面倒を見てくれるので、妻も本当に助かっていて、感謝しております。


大久保 先ほど親世帯の方にもお邪魔をさせていただきましたが、確かに玄関やリビングの向きまでキレイにシンメトリーですね。ですが、色使いはガラッと異なっていましたね!


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梅原 はい。私はナチュラルな雰囲気が好きなので、白っぽいフローリングに、ドアやソファはボルドー色を選びました。一方親世帯はネイビー色好きな父親の意見で、ドアやソファは紺一色。フローリングもダークブラウンで重厚感をもたせているようです。


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大久保 確かに!1階の仕事部屋はいつのまにか素晴らしいシアタールームになっていますね! この部屋もドアから壁までボルドー1色ですね。その点、家の外観自体が白とネイビーの2トーンとなっているのは、ご両親の基調に合わせたといったところでしょうか。


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梅原 その通りです。ひいお爺ちゃん…つまり曽祖父の代から100年近くに渡り、この土地に済み続けていますが、現在は私の両親世代の土地ですから。 親世帯に日当たりの良い南側を譲ったのもその一環ですね。また、2世帯住宅のお互いの外側を開放的な造りにして、あえて中心の共用部に向かっては窓を設けずに、お互いの暮らしぶりが常に見えないようにしました。これも、お互いの2世帯のプライベート感を出すためのひと工夫です。家族の空間を守りたいから、家に仕事を持ち帰るのは辞めて夫婦2人の趣味である映画を楽しめる7.1.4チャンネルのシアタールームに変更しました!


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大久保 中央の扉を挟んで向こう側の親世帯に仏間があるのも面白いですね。隣人トラブルは騒音問題から始まると聞いたことがありますが、防音の扉と2世帯の中間地点にある仏間でそれが回避されているようにもお見受けしました。


梅原 たしかに間に仏間があるからか、音を感じたことはありませんね。仏間にはひいお爺ちゃんとひいお婆ちゃんの位牌が祀ってある仏壇があり、梅原家代々を守っています。


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大久保 仏壇に祀られたひいお爺さまも合わせると、この家は2世帯どころか6世帯住宅といえるかもしれませんね。家族が代々100年以上仲良く続いているサスティナブル…家族仲良くSDGsな家ですね、素晴らしい! 最後に、納得住宅工房さんで2世帯住宅を建てた総合的な感想をお聞かせください。


梅原 はい。こういった取材だから言うわけではなく、本当に良かったのひと言です。これはよく妻とも話していることで、大抵は夫の両親とひとつ屋根の下なんて避けたいハズですが、先ほど挙げた設計のおかげで、妻も含めて何ひとつストレスなく毎日幸せに暮らしています。住み始めて3年近く経ちますが、先程もお話しをしたように扉に鍵をかけたことなんて一度もないし、毎日子供の面倒を見てもらったりと、すごくオープンなんです! もし2世帯住宅を検討している方がおられましたら、ぜひご参考になさってください。最後に私の玄関には梅原家に代々受け継がれている金の家紋を大事に飾っています。この家紋を置くスペースにはこだわりました。それくらい私にとって梅原家の家は、これからもきちんと受け継いでいきたい大切なものです。


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静岡県沼津市在住webデザイン会社経営1歳になる娘さんのパパ梅原祐樹さん
広告代理店を経て、webデザイン会社を設立し代表取締役に。奥様は高校の同級生。子世帯側には1歳になる娘さんと、トイプードルのリプちゃんの4人暮らし。親世帯側はご両親とお祖母様が暮らします。趣味は7.1チャンネルのシアタールームで映画を鑑賞すること。


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[納得住宅工房Co.,Ltd.]代表取締役CEO 久保 淳
1999年、納得住宅工房を設立。静岡県内にショールーム5店舗とモデルハウス2棟を展開。住宅、エクステリアに関する数々の賞を受賞。施主の感性や理想を引き出す設計提案、欧州のトレンドや伝統を取り入れた建材やオーガニック素材、ハイスペックな住宅性能をトータルコーディネートしたオーダーメイド住宅を年間150棟ほど手掛けている。アパレルショップ「ポルタロッサ」のオーナーでもある。https://www.maduro-style.com


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[RRデジタルメディア]代表取締役 大久保清彦
『LEON』を企画創刊し、その後『OCEANS』、『ローリング・ストーン日本版』を企画創刊。『ヨガジャーナル日本版』のオンラインを立ち上げ、セブン&アイ出版の常務執行役員を経て、2018年に設立したRRデジタルメディアでは、自身が総編集長を務める『MADURO』の他、『ソトコト』、『THE RAKE』を傘下に収め、オンライン化を果たす。自身も一児のパパとして、仕事と子育ての両立に奮闘中。https://maduro-online.jp

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