一番愛する人と上質な時間を過ごすためのマガジン
 [ライフ]21世紀脳を持つ子供の育て方第4回「幼児教育にサイエンスを取り入れる重要性とは?」

LIFE

[ライフ]21世紀脳を持つ子供の育て方第4回「幼児教育にサイエンスを取り入れる重要性とは?」

2019.07.21

日本で唯一のサイエンス・インターナショナルスクールであるローラスインターナショナルでは、サイエンスを教育に取り入れることで、21世紀を生きる子供たちに必要な資質を培っています。

「"なぜ?"という疑問を育み探究するサイエンスは未来へのパスポートです」

「なぜサイエンス(※1)なのですか?」私どものスクール名に関して、こうよく質問されます。私は常々、「サイエンスを幼児教育に取り入れることが非常に重要」と考えていました。なぜなら、母親として3人の子供を育て、サイエンスが子供の好奇心と集中力を最大限に引き出すことを、経験から知っていたからです。

世界は不思議に満ちており、人は生まれた時からサイエンティストです。赤ちゃんは目が見えるようになると自らの手をじっと観察します。サイエンスの始まりです。そして自らの身の回りのものすべてに興味を持ち、這って近づき、手を伸ばし、触わり、口に入れながら観察します。そしてそれは「なぜ?」という疑問に繋がっていきます。

ローラスインターナショナルスクール
「なぜ?」という疑問を持つことがサイエンス学習の始まりです。子供たちはその疑問を解決すべく仮説を立て、実験し、分析して結論を導きます。

小学校低学年くらいまでは、「なぜ昼と夜はあるの?」「なぜ虹は七色なの?」などの様々な質問を投げかけてきます。しかしながら、ママがうまく答えられないことも多く、「後でパパに聞いてみよう」などと回答を先延ばしにしてしまうのです。せっかく子供の考えた素晴らしい質問も、結局そのまま答えることなく終わってしまうのです。このような子供の質問や疑問に答えなければ、子供の考える成長は止まり、疑問を持たない大人になってしまいます。これは本当にもったいないことです。

サイエンスは真理追究の学びです。当校では、真理に到達するまでのプロセスを身に付ける教育を目指しています。サイエンスは典型的な探究学習(※2)です。「観察する」「なぜ?と疑問を持つ」「仮設を立て実験を行う」「分析し結論づける」…こうしたプロセスを習得すれば、疑問を持った時、自ら考えることができるのです。

例えば先日、初等部1年生の授業で身近な生物について学んでいるとき、石の下にダンゴムシを発見しました。ほかにもたくさんのダンゴムシが石の下にいました。そこで「なぜダンゴムシは石の下にいるのか?」と疑問を持ちました。そして、「ダンゴムシは石が好きなのでは?」「いや、ジメジメしたところが好きなのでは?」「いや、枯れ葉が好きなんだよ」など、いくつかの仮説を立て、それを調べるために実験を行いました。まず箱の中に小石のコーナー、枯れ葉のコーナー、ジメジメした土のコーナーを作りました。反対側にも同じようなコーナーを3つ作り、そちらは画用紙で日陰を作り、10匹くらいのダンゴムシを箱の真ん中に入れます。するとダンゴムシは…。

子供たちは、この実験を目を光らせて観察し、結果を分析し、話し合いました。すべての実験がうまくいくわけではないので、その都度軌道修正しながら観察と実験を繰り返します。サイエンスの探究学習で、子供たちはクリティカルシンキング(※3)、想像力、探究心、忍耐力、コラボレーション、コミュニケーション力、情報分析力などの資質やスキル、さらにはサイエンスのプロセスのマインドセット(※4)を培うことができるのです。そして何より大事なことは、子供たちが自分たちで疑問を解明できたことによって自信を持ち、さらに学びたい、探究したいというインスピレーションとパッションが自然とわいてくることです。それがAI時代を生きるための「Lifelonglearner(※5)」、そしてイノベーター(※6)としての基礎になっていきます。また、サイエンスは質問力を養います。探究学習にとって大切なのは、教師や両親からの質問に答えることではなく、よい質問を自らがすることなのです。自ら質問をすることによって学びはより深くなり、物事の本質に迫ることが可能になります。

ローラスインターナショナルスクール
実験から導き出した結論はほかのみんなにもシェアされます。これら一連のプロセスで子供たちは探究心やコミュニケーション能力を身につけます。

サイエンスにより人類は驚異的に発展しました。サイエンスはテクノロジーと結びつき、今後ますます人類を発展させるでしょう。サイエンスは人類の歴史であり未来です。そして子供たちにとって、サイエンスは無限の可能性を持つ未来のパスポートなのです。

サイエンス(※1)
直訳すると科学。しかしローラスインターナショナルでは、サイエンスを単なる科学ではなく「探究の学び」と解釈し、真理の追究に至るプロセスを身につけるための教育を行っています。

探究学習(※2)
生徒の主体的、自主的な学習に重きを置いた学習方法。講師が一方的に教えるのではなく、生徒自らがテーマを探し出し、質問し、問題提起し、意見交換する学び方です。

クリティカルシンキング(※3)
目の前にある情報をそのまま鵜呑みにせず、自分の意見だけでなく、周囲の情報や意見も取り入れ、客観的に分析して考え、その時点でのベストな答えを導き出していく考え方。

マインドセット(※4)
物事や状況への対応や判断を積極的にできる心構え。サイエンスを学ぶプロセスを習慣化することで、サイエンスにおけるマインドセット、つまりサイエンス的な判断を習得できます。

Lifelong learner(※5)
直訳すると生涯学び続ける人。変化の激しい現代では、常に自分をアップデートする必要があります。そのためには大学で勉強を終わらせず、生涯にわたって学ぶことが必要です。

イノベーター(※6)
イノベーションを起こす人、革新者。新しい常識や製品を作り出し、世界をよりよい方向へと導いていく人のこと。サイエンス学習ではイノベーターとなるための基礎を学びます。

日置麻実さん

日置麻実さん
ローラスインターナショナルスクールオブサイエンス 学園長。
東京、神奈川に8校のSTEMインターナショナルスクール、英語スクールを運営。日本に未来のイノベーターをたくさん輩出することを使命とする。上智大学外国語学部英語学科卒。

RELATED

記事の一覧へ