[九島辰也のDRIVEN MADURO]クルマ業界も完全デジタル化!?で生まれた王様的シート
いろいろ世間を賑わせている日産。自動車業的にはルノーとの協力体制に興味が注がれます。それぞれの技術をどうシェアしていくのか。ただEVなど環境技術については日産がリード。eパワーもそうですし、リーフの航続距離からも目が離せません。
今回の北米自動車ショーもその意味見応えありました。もちろん、ショーで話題をさらったのはトヨタ・スープラですが、じつは日産も注目すべきコンセプトカーを発表しています。それがこのニッサンIMsです。
このコンセプトカーはEVです。なので内燃機関は持たず、前後ふたつのモーターと電池が搭載されます。そして完全自動運転で走ります。まぁ、ここまではそう珍しくないですが、ユニークなのはそれを目的としたキャビンのつくり方。ドライバーははじめ運転席に座ります。そして自動運転を確認すると内側に15度回転するドライバーシートを回してリアシートへ。このとき、センターコンソールもなければ床もフラット。EVなのでプロペラシャフトはありません。移動はラク。
リアシートは真ん中に座ります。通常リアは左右のシートがメインで真ん中はなおざりにされますが、こいつは逆。左右のシートバックを前へ倒し肘掛けにします。う~ん、まさに王様シートですね。広々してます。
このほかにも仕掛けはたくさんありますが、要するに今後エンジンがなくなるとデザインはより自由になることを言いたかったんですね。となると、そのうち注文建築のように発注できたりして。デザイナーが腕を発揮する時代到来です。
実際のシートに座ってその出来栄えを確認!
1969年型ダットサン・フェアレディを所有する九島編集長。日産ウォッチャーとして今年もデトロイトへ。デザイナー、アルフォンソ氏とも親交を持つ間柄。IMsの王様シート、正式名称プレミアシートの座り心地を確認の図。
NISSAN IMs
外からじゃわからないインテリアの進化
ステアリングもメーターも個性的なデザイン。未来感炸裂ですが現実味を帯びているのがわかります。シートレイアウトは「2+1+2」。リアシートのセンターを中心にした仕様で、実際は「2+1(+2)」といった感じで、決して3列シートではありません。リアシートを1名掛けにすることもできますし、左右を使って3名掛けにすることもできます。日産はこれを「プレミアシート」と名付けました。
INFINITI QX inspiration
EV化の波が一気に来そうなことを予感させる一台
昨年Qインスピレーションコンセプトを発表したインフィニティの今年のコンセプトカーがコレ。EVプラットフォームを想定したクロスオーバーモデル。インフィニティは2025年までにグローバルの販売台数の半分以上を電動化にする予定です。
INFINITI PROTOTYPE 10
頭の中に広がるのはまさに"マッハ号"の世界
昨年8月ペブルビーチで行われたコンクール・デレガンスで発表したコンセプトモデルも今回インフィニティブースに展示されていました。シングルシーターのスピードスタータイプで、セダンやSUVにも使えるモジュラー式のEVプラットフォームからなります。
NISSAN FORMULA E
レースからのフィードバックで電動化は早そうな気配
昨年から参戦を開始したフォーミュラカーも展示されました。F1ではなくフォーミュラEのほう、つまりは電気自動車です。日本のメーカーとしては初となるだけに期待大。フランスのレーシングチームe.damsとのタッグを組んでいます。
デザイン部門のトップがEVを語る
日産のグローバルデザイン担当の専務執行役員アルフォンソ・アルバイサ氏曰く、EVはエンジンをはじめとするパワートレーンを積む必要がないため、パッケージングのスペース効率がいいとのこと。モーターとバッテリーは搭載しますが、これまでの内燃機関用パワートレーンよりずっとコンパクトにまとめられるからです。よってキャビンは広く、フロアはフラットにつくることができます。それにエンジンベイがないのでフロントの足元も広くできるそうです。