CAR & BIKE
2026.09.17
1.3kmのオンロードと森のオフロードを一気に楽しむ新名所!栃木県宇都宮市「SHINOI RING」体験記
「サーキットは、速く走れる人が行く場所」。そう思い込んだまま、クルマとの距離をずいぶん遠くしてしまった人は多いはずだ。栃木県宇都宮市篠井町(しのいちょう)にある「SHINOI RING」は、その思い込みを正面から外しにかかる施設。オープンを目前に控えた現場を歩いてきた。
平日は車両の開発、週末は誰でも楽しめるサーキットに
SHINOI RINGは、平日と週末で顔が変わる。
平日は、自動車メーカー向けの車両開発を本業とする日本の総合エンジニアリング・開発支援企業「フィアログループ」の車両開発拠点。ソフトウェアの比重が増した近年の開発は、実際に走らせて確かめる場所の重要度が高くなってきている。新型車の情報は機密の塊であり、その結果、外部の目に触れない環境に価値がある。
平日は、自動車メーカー向けの車両開発を本業とする日本の総合エンジニアリング・開発支援企業「フィアログループ」の車両開発拠点。ソフトウェアの比重が増した近年の開発は、実際に走らせて確かめる場所の重要度が高くなってきている。新型車の情報は機密の塊であり、その結果、外部の目に触れない環境に価値がある。
そうした開発社員の人たちにも休日はある。そこで、SHINOI RINGの週末は一般の人に開かれることになった。カフェを併設したレストハウスがあり、サーキットコースが体験の場になる。秘密裏であるはずの開発現場に、そのまま人を招き入れるという取り組み。そのユニークさがSHINOI RINGの考え方の骨格となっている。
オンロードコースはサーキット体験を誰でも楽しめる
運営するフィアログループが掲げるのは「モビリティハブ」というコンセプトだ。その構想は、1.3kmのオンロードコース、森を切り拓いたオフロードコース、プロ仕様のドライビングシミュレーターなどで一般の人が入って楽しめるようになっている。
まず、全長1.3kmのオンロードコースで、まず注目したいのが「ダイブワインダー」と名づけられたシケイン。急な下りから切り返しに飛び込んでいく、このコースの特徴的な区間だ。
コーナーにつけられた名前の着想元は、アメリカ・ラグナセカの「コークスクリュー」だという。かつてここのサーキット名が看板としてアイコンになっていた現場を見て、フィアログループの岩﨑社長が「ここにコーナー名をを立てたい」と考えて実現。ところが翌年に訪れると旧サーキット名の看板は撤去されていて、結果的にこちらだけが残ったという。
ネーミングは自社のメンバーが手がけた。名前があるから覚えられ、覚えられるから話題になる。この看板も、このサーキットの象徴として育っていくのだろう。
ネーミングは自社のメンバーが手がけた。名前があるから覚えられ、覚えられるから話題になる。この看板も、このサーキットの象徴として育っていくのだろう。
一般の人がこのオンロードコースで楽しめる「先導車付き走行体験」は、スタッフの先導車に来場者自身のクルマが最大5台連なってコースを走れる。アウトラップから入って数周というボリュームで、タイムを狙う内容ではないが、難しいことを考えずにサーキット走行を体験できる。
その価格は、マイカー持ち込みで1500円。施設のレンタル車両を使う場合はプラス1000円で2500円となる(取材時点の設定)。サーキットデビューの心理的ハードルとしては、かなり低いところに置かれている。
その価格は、マイカー持ち込みで1500円。施設のレンタル車両を使う場合はプラス1000円で2500円となる(取材時点の設定)。サーキットデビューの心理的ハードルとしては、かなり低いところに置かれている。
開催日程は限られるが、プロドライバーとの同乗体験も用意される。ホンダS660、レクサスRZ、ジャガーI-PACE(EV)といった車両が候補に挙がっている。旧車シリーズは別料金帯となる見込みだ。RZとS660については、同乗ではなく自分でハンドルを握るメニューも想定されている。一方、旧車シリーズは全車MTということもあり、貸し出しは行わない。
なお、速さを競うレースは行わないが、タイムアタックをしたい人にはコースの貸切が可能。走行枠は午前8時30分〜12時30分、午後13時30分〜17時30分に固定されている。「一般開放の時間帯はハードルを下げる」、「本気で走りたい人は貸切で」という考え方が、誰もが楽しめるサーキットとして明確にされている。
なお、速さを競うレースは行わないが、タイムアタックをしたい人にはコースの貸切が可能。走行枠は午前8時30分〜12時30分、午後13時30分〜17時30分に固定されている。「一般開放の時間帯はハードルを下げる」、「本気で走りたい人は貸切で」という考え方が、誰もが楽しめるサーキットとして明確にされている。
プロが使うドライビングシミュレーターが本格的
次に見逃せないのが、常設のドライビングシミュレーター。
実車のフォーミュラマシンに乗るドライバーから、振動、ステアリングの重さ、ペダルの踏み応えまで聞き取って作り込まれた装置で、日本国内には4〜5台しかないという。F1に乗るプロドライバー、岩佐歩夢選手が日常的にトレーニングに使うものと基本仕様は同じで、岩佐選手の監修やチューニングも施されている。
実車のフォーミュラマシンに乗るドライバーから、振動、ステアリングの重さ、ペダルの踏み応えまで聞き取って作り込まれた装置で、日本国内には4〜5台しかないという。F1に乗るプロドライバー、岩佐歩夢選手が日常的にトレーニングに使うものと基本仕様は同じで、岩佐選手の監修やチューニングも施されている。
これが常設で、一般の来場者がハンドルを握れるというのは凄い。選定可能なコースは国内各地の主要なサーキットが収録され、誰でも富士スピードウェイや鈴鹿サーキットを走れるのだ。タイヤが冷えた状態から始まる挙動まで再現されているため、最初の1周から手加減はない。屋内施設なので雨天で使えるのも、遠方から向かう人には嬉しい。
オフロードコースは、ジムニーを借りて走れる
オンロードコースのすぐ隣に、オフロードコースがある。これがSHINOI RINGの最大の特徴かもしれない。舗装路とオフロードが同じ敷地内で隣り合っている施設は、そう多くない。
もともとは森林が生い茂り、クルマが通れる状態ではなかったが、現場に常駐するスタッフを中心に真夏の敷地で草刈機で切り拓いていった。ただ闇雲に切り拓いたのではなく、「ここをこう抜いたらクルマが通れる」、「ここを残したら来場者が喜ぶ」と想像しながら作られたコース。
もともとは森林が生い茂り、クルマが通れる状態ではなかったが、現場に常駐するスタッフを中心に真夏の敷地で草刈機で切り拓いていった。ただ闇雲に切り拓いたのではなく、「ここをこう抜いたらクルマが通れる」、「ここを残したら来場者が喜ぶ」と想像しながら作られたコース。
そして最も嬉しいのは、施設が用意したジムニーを借りられること。リフトアップされたジムニー3台(MTが1台、ATが2台)から選べて、ガンガン走ることができる。走り方は先頭がスタッフの先導車で、後ろに来場者の2台がつく。1回のループは最大3台まで。価格は1周1500円という破格。
実際に走ってみると、普段オフロードを走ったことの無い人にはかなりエキサイティングなコースだった。前日に少し雨が降ってぬかるんでいた場所もあったが、それがまた刺激的。高低差やコブが大きく車体を揺らすこのオフロードコースを体験するためだけでも、SHINOI RINGに行く価値があると断言できる。
当面はマイカーの持ち込みを想定していなく、スタックや破損といったトラブル対応の体制が整うまでは、無理をさせない方針だ。ただ、実際に走ると、よほど自分のクルマに自信がなければ入ろうという気にならないほど四駆の醍醐味を味わえる。「こんなところを通れるの?」という道を実際に通ってしまう経験が、1周が1500円なら試さない理由はない。
ダートコースの入り口には看板が立ち、そこから先は明確に世界観が切り替わる。SHINOI RINGプロジェクトリーダーの田中さんも「別の世界に行く体験ができる」と推すオフロードコースは、舗装路のサーキットしか走ったことのない人にこそお薦めできる。
クルマ好きでなくても、行く理由がある
SHINOI RINGを1日歩いて心に残ったのは、「クルマに詳しくなくても楽しめる」という印象だった。
コースの一角には芝生があり、椅子を置いてみたら思いのほか居心地が良い。来春にはリレーマラソンの開催も構想されている。クルマが走る場所なのに、クルマが入らない環境を作れる場所は、ランナーにとっても希少だからだ。他にも、自転車、キャンプ、イベント。モビリティハブの役割は、来場者が置いていく要望を拾いながら広がってゆく文化そのものだ。少なくともSHINOI RINGではそう考えられている。
宇都宮駅からクルマで30~40分ほど。日光や那須、鬼怒川へ向かうルート上にあるSHINOI RINGは、クルマに詳しくない家族や友人たちと来ても楽しいスポットだ。週末の行き先として、この充実度は素直に嬉しい。
コースの一角には芝生があり、椅子を置いてみたら思いのほか居心地が良い。来春にはリレーマラソンの開催も構想されている。クルマが走る場所なのに、クルマが入らない環境を作れる場所は、ランナーにとっても希少だからだ。他にも、自転車、キャンプ、イベント。モビリティハブの役割は、来場者が置いていく要望を拾いながら広がってゆく文化そのものだ。少なくともSHINOI RINGではそう考えられている。
宇都宮駅からクルマで30~40分ほど。日光や那須、鬼怒川へ向かうルート上にあるSHINOI RINGは、クルマに詳しくない家族や友人たちと来ても楽しいスポットだ。週末の行き先として、この充実度は素直に嬉しい。
施設名/SHINOI RING
所在地/栃木県宇都宮市篠井町前山1804
オンロードコース/全長1.3km
併設施設/ダートコース、レストハウス(カフェ)、ドライビングシミュレーター
一般公開/2026年9月19日土曜日より
先導車付き走行体験/1500円(マイカー持ち込み)、2500円(レンタル車両利用)
ダートコース体験/1周1500円 施設車両(ジムニー)を使用、最大3台1組
※運転者は自動車免許が必要
https://shinoi-ring-ts.phiaro.jp/on-road/
●SHINOI RING/フィアログループ
所在地/栃木県宇都宮市篠井町前山1804
オンロードコース/全長1.3km
併設施設/ダートコース、レストハウス(カフェ)、ドライビングシミュレーター
一般公開/2026年9月19日土曜日より
先導車付き走行体験/1500円(マイカー持ち込み)、2500円(レンタル車両利用)
ダートコース体験/1周1500円 施設車両(ジムニー)を使用、最大3台1組
※運転者は自動車免許が必要
https://shinoi-ring-ts.phiaro.jp/on-road/
●SHINOI RING/フィアログループ





















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