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宇都宮に新しいモビリティ ハブ「SHINOI RING」ついに始動

宇都宮に新しいモビリティ ハブ「SHINOI RING」ついに始動

フィアロコーポレーションが、「PHIARO Mobility Hub」事業の一環として推進する「SHINOI RING」をオープン。栃木県宇都宮市にある旧ヒーローしのいサーキット(現SHINOI RING)を、モビリティの未来と人々の暮らしが交わる場として再生、会場ではその発表が行われた。

1939年創業の開発会社が引き継いだサーキット「SHINOI RING」の特徴とは

オープンに先駆けて、メディア向けの説明会ではフィアロ代表取締役社長の岩﨑晃彦さんが自ら登壇。フィアロ創業の歴史である1939年から87年を経た現在、同社は自動車メーカーの開発の上流にあることを説明されました。

その中でも、このSHINOI RINGに繋がる転機は2010年代頃からあったといいます。
岩﨑社長「ものの価値が、製品の価値から体験価値に変わる。これはどの産業にも言われていることですが、ハードからソフトウェアへというキーワードがある中で、コネクテッドやUI、UXといった新しいキーワードが出てきて、従来の我々のフィールドを超えた世界になってきました」。
岩﨑社長「会社の87年間を振り返ると、(ボディの)木型を作るところから、今は電気で動かすところまで飛躍しています。ものづくりの姿勢は変わらないのですが、技術が上がれば上がるほど、走ってリアルな世界でテストして検証し、さらに技術を磨いていくところが求められるようになってきました。従来の技術に加えて、思いきりテストをする場所が必要だということで、このサーキット施設を引き継ぐことになりました」。
そして、SHINOI RINGのコンセプトは、さらに広がっていったという。
岩﨑社長「元々はそうしたモビリティを開発するための場所として始めたのですが、一般の人がモビリティを体験する場所にも使えるのではないかということで、幅が広がっていきました」。
会社が休みになる土日には、家族が来て楽しめる場所という構想。これがSHINOI RINGのコンセプトとして大きな意味を持つ。
岩﨑社長「平日は研究開発で次の時代の技術革新を追求していく。休日はモビリティの文化を作っていく。そういうコンセプトで運営を行っていこうと思っています」。

9月24日に宇都宮市と包括連携協定、そして掲げた「Movement is Life」

岩﨑社長「地域の連携も重要なテーマにしているので、9月24日に宇都宮市と包括連携協定を締結することになりました。我々は地元に貢献していくために、例えば近くに小学校へ出前授業を行い、モビリティの楽しさを知ってもらう。そういう取り組みもどんどん広げていきたいと思っております」。
地方のサーキットでは、クルマが走るコースがあっても、く一般的にくつろげる場所が乏しい。そこで、岩崎さんは文化づくりの拠点とするためにカフェラウンジを併設。手を組んだのは、蔦屋書店を運営しているカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)だった。
岩﨑社長「このクラブハウス(カフェラウンジ)を拠点に、人のつながりだったり、いろいろな企画だったり、文化づくりをCCCとチームとなって提案していきたいです」。
岩﨑社長「我々のコンセプトは『Movement is Life』という言葉で、モビリティをクルマやバイクで動く、走るだけではなく、人間が動くこと、そのものに楽しさや価値を見出したいという思いがあります。サーキットではあるのですが、例えばリレーマラソンを子供たちと開催したら面白いのではないかと考えています。SHINOI RINGに人が集まって、様々なアイデアをもらい、実現していけるような場所になっていくだろうと思います」。

ダンサーMiyuさんと、レーシングドライバー岩佐歩夢がパートナー

この日、Movement is Life に共鳴してフィアロのプロジェクトに参加していく2名のゲストが登壇。

その一人が、ダンサーのMiyuさん。ブルーノ・マーズに指名されてCMで共演し、現在はロサンゼルスに拠点を置く。昨年、フィアロとのクリエイティブアライアンスを発表している。
Miyu「私のモットー『不可能を可能に』は、達成するための挑戦だったり、自分自身で動くことだったり。ムーブメントという言葉は、いつもすごく大切にしている言葉です」。
もう一人、レーシングドライバーの岩佐歩夢選手。現在はイギリスを拠点に、レッドブルグループのF1チームでリザーブドライバーを務めながら、国内トップフォーミュラのスーパーフォーミュラに参戦している。
岩佐選手「僕自身はレーシングドライバーとして、今で言えばスーパーフォーミュラのようなフォーミュラマシンで、コックピットに座ってクルマを速く走らせるということをしています。チームメンバーと準備をして戦っているので、エンジニア、メカニック、チームスタッフと共に、みんなで活動している。まさにムーブメントで繋がっているので、自分にもぴったりな言葉だなと思います」。
従来の考え方からは異色の組み合わせだが、こうした取り組みもフィアロが単にクルマの開発をすれば良いという発想ではなく、文化を任っていきたいという意気込みが伝わってくる。
岩﨑社長「若い世代の人が世界で挑戦するということは、我々の企業文化とつながるところがあります。刺激をいただきながら、これからも高め合っていきたい」。

Miyuさん「目指していきたいところがすごく似ている」

Miyu「不可能を可能に、だったり、挑戦ということをダンスで表現しながら自分が活動しているということから、岩﨑社長が一緒にやりたいと言ってくださったので、やりたいことや目指していきたいところがすごく似ていました。ぜひご一緒させて欲しいと思いました」。
挑戦という言葉について、Miyuさんはダンスに限らない意味を込めている。
Miyu「ダンスの面でもそうなのですが、人生を大きく考えて、常に挑戦していられる人間でありたいと思っています。現状維持や退化ではなく、常に毎日、何かしら1個成長していられるような人生を送れたらと思っているので。人生の中で難しいことは一歩を踏み出すこと。その一歩踏み出せれば、新しい景色が見えたり、新しい感覚が自分に取り入れられたりするので。そういった感覚がすごく好きだし、そういう人間になりたいと思っています」。
この日、Miyuさんは岩佐選手の運転でサーキットを同乗、その後サーキット上に降り立ち、走るクルマがスピンターンしながら中心で踊るという、前代未聞のパフォーマンスも披露。
Miyu「クルマに同乗してサーキットを走る体験はとても楽しかったです。(コーナーでの)遠心力はダンスではかからない重力が体にかかる初めての体験で、乗っている時は叫んでいました。降りてダンスをするシーンでは、クルマが(私の)周りを回ってくださって、自分もクルマのフロントの面と対面になるように少し意識しました」。

SHINOI RINGでの新たな挑戦「RE:DEFINING JDM」S2000 PROJECT

この日、もう一つの発表は、新プロジェクトである RE:DEFINING JDM。岩﨑社長の傍らにはホンダS2000のモデルカーが、置かれていた。
岩﨑社長「我々がやりたいことは意外とシンプルで、日本のスポーツカーをもう一度見直して、今の時代にフィアロがどうやったら新しい価値を作っていけるか。そういう挑戦を始めたいと思っています」。
それにしても、なぜS2000なのか? 岩﨑社長は、このクルマの位置づけから話してくれた。
岩﨑社長「S2000は1999年から約10年間にわたって生産・発売された、日本を代表するスポーツカーです。僕の中では、当時のスポーツカーの到達完成形のひとつなのかなと思っています。ホンダさんから許可をいただいて当時のスケッチを出してきたのですが、僕は昔このスケッチを見て、本当に純粋にかっこいいと思いました」。
岩﨑社長「車重は約1.2トンちょっとだと思いますが、オープンなのに剛性がしっかりしている。初めて乗った時にその剛性の高さに気づいたのを憶えています。そして1番のポイントは、ドライバー中心の設計であること。前後の重量配分が50対50で、フロントエンジン・リアドライブ。スポーツカーの要素が全部詰まっている。9000回転まで回るNAエンジンも、時代背景を考えると、これからこういうクルマはなかなか出てくることがないと思います」。
このS2000を「フィアロ自身の思想を表現する一台へ」という目標のもと開発していく。RE:DEFINING JDM(国内向け日本車の再定義)。岩﨑社長はリスペクトという言葉を使いながら、OEMで培った知見と技術をもって、SHINOI RINGを実験場としながら開発してゆく。
岩﨑社長「オリジナルの完成度が非常に高いので、まずその魅力をしっかり理解して、損なわないようにすることが大事なのだというところから始めました。エクステリアにはオリジナルの魅力を極力守りながら、新しい何かを加えていく。インテリアは逆に、今の時代のテクノロジーを大胆に取り込みたい。エンジニアリングに関しては、フィアロが長年OEMの開発で培った技術を入れて走りをしっかり磨いていく」。
すでに岩佐選手がS2000を繰り返しテストドライブし、センサーを装着した走行データを取りながら開発が進んでいる。
岩﨑社長「岩佐選手の走行データをまずデジタルに取り込んで、我々のサーキットの特徴であるダイブワインダー(下り坂のシケイン)をどうやって攻略していこうか。このクルマをこうしたら、このコーナーを気持ちよく走れるよねという、そういう要素を入れていきたいですね」。
プロジェクトチームには、岩佐選手がドライバーとして、そしてMiyuさんも表現者として参画する。
岩﨑社長「普段、我々と接点が少ないメンバーと一緒に、同じプロジェクトのアウトプットを目指していく。どんなことができるのか、そのように考えてプロジェクトチームに入っていただきました。今まで我々はOEMのお客様のために開発をやってきています。これからもそこは変わらないのですが、新たな挑戦として、自分たちのためのクルマをしっかり作って、公道を走れるクルマで仕上げていきたいと思っています」。

「SHINOI RINGで走って楽しいクルマ」という軸

この開発プロジェクトとSHINOI RINGについて、岩﨑社長は会見でこう述べていた。
岩﨑社長「ストレート、高速コーナー、低速コーナー、シケイン、上りと下り、全ての要素が詰まった、SHINOI RINGでクルマを走らせる。岩佐選手のように走れなくても、純粋にクルマの面白さが伝わってくる。私たちはこの場所をテストコースではなく、開発の1区画として考えていきたい」。
安易に見れば改造車作りに映るかもしれないJDMのチューニングだが、レストモッドやカスタムという枠に収まらない明確な芯を持つことが重要だとも語っていた。これを思想と呼ぶなら、それはやがて文化となるだろう。改造との違いを決めるのは、そこだという考え方である。これを実証する場がSHINOI RINGであり、目指すのはSHINOI RINGを楽しく走れるクルマなのだという。
岩﨑社長「(SHINOI RINGは)皆さんのこれからの協力がないと発展させていくことができません。これまでフィアロはB to Bの開発専門でやってきたので、個人の方と触れ合うことになかなか慣れていないというのはありますが、まずはSHINOI RINGに来ていただけるようにしたいというのが1番なのかなと思います」。
速さを競う場としてではなく、楽しく走れるかどうかを確かめる場としてのSHINOI RING。一般開放でレースを行わず、先導車付きの走行体験を軸に据えているのも、同じ考え方の延長線上にある。開発拠点として取得したレース場、休日に文化を作るという運営方針、自社のためのクルマを作るというプロジェクト。この3つは別々の話に見えて、「ここで走って楽しいクルマとは何か」という一点に向かっている。

クラブハウスも併設されたSHINOI RINGへ行ってみよう

SHINOI RINGがワクワクするサーキットやコミュニティ空間として、モビリティライフを創造する場所にふさわしいクラブハウス。BOOK&カフェが併設され、多様な体験ができる複合モビリティ施設となっています。

従来のクルマ好き、レースファンだけでなく、ランニングをはじめとしたスポーツを愛する人々、ファミリー層、そして地域住民にも開かれています。
ロンドンを拠点に活動するアーティスト、アンナ・ルイーズさんの作品も。昨年10月、東京・代官山の蔦屋書店で4時間30分かけて描かれたライブペインティングの作品も大きく飾られている。
広く居心地の良いクラブハウスでは、コーヒーだけでなく軽食やデザートも。ここにはクルマごと展示されるなど、様々なカルチャーが交錯する場所になるということです。
施設名/SHINOI RING
所在地/栃木県宇都宮市篠井町前山1804
オンロードコース/全長1.3km
併設施設/ダートコース、レストハウス(カフェ)、ドライビングシミュレーター
一般公開/2026年9月19日土曜日より
先導車付き走行体験/1500円(マイカー持ち込み)、2000円(レンタル車両利用)
ダートコース体験/1周1500円 施設車両(ジムニー)を使用、最大3台1組
※運転者は自動車免許が必要
https://shinoi-ring-ts.phiaro.jp/on-road/

●SHINOI RING/フィアログループ
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