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【こだわり簡単レシピ】「仔牛のコトレッタ」で愛する人と美味しいイタリアン

【こだわり簡単レシピ】「仔牛のコトレッタ」で愛する人と美味しいイタリアン

「一番愛する人と、上質な時間を過ごすために」MADUROの精神を料理で再現。こだわりはあるけど、作り方はとても簡単なレシピ、東京・中目黒にある「リストランテ カシーナ カナミッラ」の岡野健介シェフが伝授してくれます。

「カツレツ」の語源「コトレッタ」は日本にもなじみのあるメニュー

コトレッタ(Cotoletta)はイタリア料理で、仔牛のヒレ肉などにパン粉をつけて、オリーブオイルやバターなどの油で揚げ焼きしたメニューです。

実は明治時代に銀座の洋食店に紹介され、日本語読みの「カツレツ」の語源になり、素材を豚に変え、「ポークカツレツ」から「ポーク=豚=トン」に略され「トンカツ」という言葉が生まれたという説もあります。

そんなちょっと日本になじみ深さを感じる料理。ちょっとしたこだわりで、サクサクでとびきり美味しい食感と味わいを堪能できます。

牛肉っぽさを感じさせないキレイなピンク色

仔牛の肉は大手通販サイトから入手可能。
仔牛の肉の淡いピンク色は、まだ幼く鉄分が少ない証で、臭みが少なく、さっぱりとした美味しさが特徴。

また、脂肪分が少なく、高たんぱく質。しかも柔らかい肉質で、イタリアではとてもポピュラーな素材だそうです。日本国内での生産量は少なく、身近なスーパーマーケットや精肉店ではなかなかお目にかかれない高級素材でもありました。ただ、今はネット通販などで簡単に入手することもできます。

「ちょっと高価な食材ですから、手ごろな牛肉、豚肉、鶏肉などで代用することもOKです」と岡野シェフ。

細かいパン粉を2度付け!ここがポイント

衣は、乾燥させたパンを擦り下ろし、さらにミキサーなどで細かく粉砕。適量のパルメザンチーズを加えます。
仔牛のヒレ肉を1人前、80g程度に切り分けます。そして衣を付けていきます。

ここで、ポイントとなるのがパン粉の細かさ。市販のパン粉でもOKですが、必ず乾燥したものをミキサーにかけて細かくしてください。細かいと油の吸収が少なくてよりサクサクした食感に仕上げられます。カシーナ カラミッラでは、お客様に出すパンを乾燥させて、ミキサーで細かくしています。

さらに2つ目のポイントは、パン粉を2度付けすること。肉に強力粉などの粉をまぶして叩いて、溶き卵にくぐらせて、パルメザンチーズを混ぜたパン粉をつけますが、この工程を2回重ねることが肝心です。

衣の厚みと肉とのバランスを考えた手法で、サクサク衣と柔らかで弾力のある肉の食感を十分に楽しめるそうです。
粉を振り余分を落としたら、溶き卵をくぐらせ、パン粉をしっかりとつける。さらに、溶き卵をくぐらせ、パン粉をしっかりとつける。この2度付けがポイント。

オリーブオイルで揚げ焼きし、仕上げはオーブンで

いよいよ肉を揚げ焼きします。

フライパンに大さじ4〜5杯くらいのやや多めのオリーブオイルを敷いたら、そこに肉を投入。中火で片面3〜4分、キツネ色になったら裏返して。
両面がいい色に焼けたら取り出し、エメンタールチーズを上にのせてオーブンへ。75度で5分ほど熱して、チーズを溶かし、余分な油も取り除きます。

盛り付けには「青リンゴのすり下ろし」を添えて

青リンゴのすり下ろし、も今回のポイントです。
「多くの場合はレモンを絞って食べますが…今回はちょっと一工夫」と岡野シェフは、青リンゴを取り出し、すり下ろし、レモン汁を混ぜました。

「ソースは特にいらない。肉の美味しさを堪能して欲しいから。ただ、味変のようなニュアンスも込めて、青リンゴの酸味と舌触りって絶妙だと思いますよ」。

「付け合わせはなんでもいい」と自由で大胆な発言。今回は季節の野菜を軽くソテーしたものをバルサミコ酢に漬けたものを添えました。あとは自家製の新玉ねぎのピューレ」。

すると切り口がロゼになったコトレッタを中心に、大きめのプレートに絵画的なセンスを感じさせる盛り付けをしてくれました。
仕上げに溶けたチーズの上に、こしょうを振りかけます。

「カツレツ」ってこういうのなんだと初体験した気分

さて、実食です。

こんがりとパン粉が焼けた香りを鼻で味わいながらナイフを入れると、程よい弾力を指先から感じました。まずは何も付けずに一口。おぉ…まぎれもないサクサク食感で、柔らかくてまったく臭みがない淡白な味わい。でも噛んでると肉そのものの美味しさが静かに主張されてきて…感嘆詞がこぼれてきます。

パルメザンとエメンタールのダブルチーズも、塩味と酸味のいいハーモニーとして素敵な仕事をしています。

そして、味変的隠し球の「青リンゴのすり下ろし」を添えて食べると、レモンの酸味とはまったく違う、丸みのある爽やかさが仔牛を包み込むようで、感動的な味わいでした。

まじで「カツレツ」ってこんなに素敵な料理なんだと感心した次第です。

でも、今回のレシピに従えば、極上の味わいを誰でも簡単に作れそうです。また、油の量が少ないので、アウトドアでも作りやすいかも。キャンプ飯のスペシャリテにしてもお洒落かもしれませんね。

「仔牛のコトレッタ」。今回も絶対オススメです。

材料とレシピのまとめ

<仔牛のコトレッタ> 4人前
仔牛ヒレ肉 320g(1切れ80g)
 ※牛ヒレ、豚ヒレ肉や鶏モモ肉でもOK
塩・コショウ 少々
強力粉  適量 
パン粉 (ミキサーにかけたもの) 適量 
溶き卵 適量 
パルメザンチーズ 適量 
オリーブオイル 適量 
エメンタールチーズ 適量 
 ※溶けるチーズでもOK

付け合わせ
青リンゴ(酸味の強いリンゴ) 1/4個
レモン汁 適量
新玉ねぎ  (適量をピューレに)
季節の野菜

1. 仔牛ヒレ肉を1人前にカットする。
2. 肉に軽く塩コショウをふる。
3. 全体に強力粉をつけて、余計な粉を払う。
4. 溶き卵にくぐらせ、パン粉をまぶす。この工程をもう1回、2度付する。
5. フライパンに多めのオリーブオイルを入れて、肉を揚げ焼きする。
 片面がこんがりキツネ色に焼けたら、片面を返す。
6. 両面焼けたら取り出し、適量のエメンタールチーズを乗せて
 75度のオーブンで5分熱する。仕上げにこしょうを振りかける。
7. 青リンゴをすり下ろしレモン汁を加える
8. 新玉ねぎは、塩、酢、オリーブオイルを入れて、ミキサーでとろとろのペーストに。
9. 付け合わせの野菜は、適当なものを。今回はソテーしてバルサミコ酢に漬けておいた。
10. 7〜9を幅広なプレートに盛り付け、最後にオーブンから取り出したコトレッタをのせる。
  コトレッタのロゼな断面を見せつために切り落とすと演出効果が出る。

教えてくれたのは、岡野健介シェフ

引用元/公式インスタグラム。
1981年ベネズエラ生まれ。高校卒業後、調理師専門学校で学ぶ。三軒茶屋「ペペロッソ」にて6年半勤務、銀座「トラットリア・バッフォ」で修業した後、イタリアへ。トリノの星付きリストランテ「ラ バリック」で4年半修業し、3年目にはセコンドシェフに就任。2017年に帰国。現在「リストランテ カシーナ カナミッラ」のオーナーシェフとしてニッポンの新しいイタリアンを常に模索中。
引用元/公式サイト。
リストランテ カシーナ カナミッラ
東京都目黒区青葉台1-23-3 青葉台東和ビル2F
TEL/03-3715-4040
営業時間/平日11:30~13:00(L.O.)/ 土日祝日12:00~13:00(L.O.)、18:00~20:00(L.O.)
定休日/火曜日、月2回不定休
鶴田茂高(ツルタシゲタカ)
気持ちいいと感じた音を多くの人に伝えたいと願う音楽愛好家。グルメ、酒、ファッション等もお伝えします。
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