テイクアウトメニュー連載第60回東京・代官山/フレンチ「レザンファンギャテ」
世の中で、“テリーヌ・コレクション”をメインにしたレストランはこちらしか存在しないのではないでしょうか。私が初めて「レザンファンギャテ」さんに訪れたのは、オープン直後の2007年秋頃でしたが、それ以来、テリーヌが主役のレストランには未だに出逢ってませんので…。
ちなみに、このMADUROテイクアウト連載(第57回)でご紹介させて頂いた「夕星」さんと姉妹店なんです。今回の取材を機に、久々に再訪したのですが、美しい造形美の嵐に、感激いっぱいでした。。。
精密機械のような器用さとイマジネーションで、個々の素材を宝石のような美しいテリーヌに仕上げる松澤直紀シェフ。店内では、テリーヌのみならず、魚や肉料理・デザートに及ぶまで、芯と筋が通り、且つ、遊び心溢れる料理構成となってますが、日々可能性を追求し、進化し続けながら、他では味わうことのできない逸品揃いです。長きに渡り、沢山のお客様に愛され、14年連続ミシュランガイド東京の1ッ星を獲得なさっている理由も頷けます。
そんな尊敬しか値しない「レザンファンギャテ」さんですが、直径15㎝位の台形の中にフランス料理のエスプリを閉じ込めた小宇宙的料理(テリーヌ)がテイクアウトできるようになったとは、夢のような朗報でした。。。
中でも、「長期熟成をかけた田舎風テリーヌ(パテ・ド・カンパーニュ)」と「20種類の野菜のテリーヌ」は、スペシャリテの2TOPですが、前者は、仔牛・豚(喉)・フォアグラ・鳥レバーをミンチ状にしてからボウルで練り、その後、ピスタチオを投入して形成され、最低2週間も寝かせられるため、熟成による旨味も増し、なんとも滋味深い味わいに仕上がってるんです。マスタードやピクルス・ブラックペッパーを添えても相性抜群です。
一方、後者は、20種類以上の艶やかな野菜類が集結しているのですが、歯応えが残るように茹でられた野菜やキノコは、噛めば噛むほど素材それぞれの生命力と逞しさも伝わってきて、優しいイメージの野菜がとても力強く感じるんですよね。
また、初夏から初秋限定の「活〆鱧と長芋のテリーヌ」も、今の時期ならではの”夏の風物詩“的な存在で、毎年大好評とのこと。各地から仕入れた鱧をお店で骨切りし、長芋・インゲン豆・水菜と共にプレスされてますが、これまた食感のコントラストも楽しい唯一無二なテリーヌで、一食惚れしちゃいました^_^。
他にも、鶏胸肉と豚足を香味野菜と白ワインで煮込み、”フロマージュ・ド・テッド“風に仕上げた「地鶏胸肉と豚足のテリーヌ」や、「カスレ」をイメージして作られたという「鴨のコンフィと白インゲン豆煮込みのテリーヌ」、ナチュラルに仕上げられた「フランス産フォアグラのテリーヌ」といった極みテリーヌや、店内では食べられない「5種類のスープ」(5種全て850円)もテイクアウト可能です。特に「フランス産古代麦とキヌア入り菜園風スープ」は、栄養価も味わいも食べ応えも200点満点ですから、テリーヌと共に是非お試し下さいませ。。。
「レザンファンギャテ」さんの店名は、「我儘に育った子供たち」というユニークな意味を持つのですが、「レザンファンギャテ」さんのテリーヌやスープを味わえば、我儘に育った子供たちも大人たちも我儘を言えなくなるほど魅力に吸い込まれると思います(^^)。
や、むしろ「また買ってきて〜」と、我儘を言いたくなるはずです(o^^o)。
東京・代官山/フレンチ
「レザンファンギャテ」
Data
☎03-3476-2929
東京都渋谷区猿楽町2-3
営業/12:00~14:00LO、18:00~21:30LO
※政府からの営業時間短縮の要請に伴い、6月21日~7月11日まで17:00から20:00(18:00最終入店)までの営業とさせて頂きます。
定休日/月曜
業界グルメ通・園山真希絵さん
紹介制飲食店「そのやま」経営者。自ら厨房に立ちながら、雑誌やTV出演・著書本出版・商品開発・講演会・料理教室や、メンタル心理カウンセラー・食育アドバイザー・ベビーシッター・六次産業・全国各地の親善大使なども務める。YouTube「正義の味塊YouTube」公開中。新刊著書「大切な人と大切な自分に贈りたい365日の愛言葉」、好評発売中。