CAR & BIKE
2025.02.11
【中古ジムニー購入記】冷却水漏れラジエーターのロウ付け修理に挑戦
中古ジムニーのエンジン載せ替えまで済んだものの、ラジエーターに気になる滲みを確認。交換したエンジンに影響がある部分なので、ラジエーターの水漏れ修理のためロウ付けに挑戦。しかし、その顛末は…。
費用を抑えて冷却水漏れを修理するロウ付けを選択
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エンジンを交換してからのJA22Wジムニーは非常に快調だったのですが、冷却水の減りが早く、知人の整備士に相談したところラジエーターのホース接続部分から水漏れしていることが判明しました。修理の選択肢としては「交換」か「ロウ付け修理」の二択ということで、費用を抑えたい思いからロウ付け修理を選択しました。
ロウ付け修理とは
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クルマにおけるロウ付けは、融点の低い溶加材(ロウ)を利用して母材となる金属を溶かすことなく接合する技術のことで、クルマのあらゆる部分に活用されています。今回のラジエーターのように真鍮のボディと鉄の配管を繋げるといったことにも利用されていて、異種金属を接合できることが利点となっています。
修理開始!
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今回は元の状態と同じようにロウ付けをし直す修理を行います。ただ筆者はもちろん、整備士さんも経験が少ない作業なので、手探り状態で行っていきました。修理は「フラックス」と呼ばれる薬品を塗布してから、銀ロウを接合部に溶かし込んでいきます。フラックスは酸化を防ぎ、溶けたロウを浸透しやすくする役目があるので、非常に重要な薬品です。
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理屈はシンプルですが、ロウが素直に流れてくれないためうまく接合できず、数回やり直してようやく接合することができました。ただ実際に取り付けて、圧力がかかった状態で水漏れがないことを確認しないといけません。
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テストしてみると、修理を行った下部の配管は良好な状態ながら、手を付けていない上部からの水漏れが発生。ただ修理前の状態より冷却水の減りはかなり改善されているので、一般道の走行なら何の問題もない状態にはなってくれました。
強度の高いロウを利用して再挑戦!しかし…
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筆者がネットで見つけてきた強度が高いロウを用いて再挑戦を依頼しました。ただこの時見落としていたロウの融点の高さが問題になり、とんでもないことになりました…。
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前回のロウより2倍以上融点が高いため、熱してもロウが溶けず、全くうまくいかないどころか、母材にダメージを与えかねない事態に。中断したものの接合した部分を剥がすことができなくなり、加熱して何とか剝がしたところ母材に大きなダメージを与える結果となってしまいました。
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このままでは動かすこともできない状態になってしまったので、最初に使用したロウと特殊なボンドで一時的に補修を行ってもらい、何とか家に帰ることができました。
結局、リビルトのラジエーターを購入して交換する流れになりましたが、ここまで筆者のわがままに付き合ってくれた整備士さんには感謝しかありません。
結局、リビルトのラジエーターを購入して交換する流れになりましたが、ここまで筆者のわがままに付き合ってくれた整備士さんには感謝しかありません。
結局リビルト交換で修理は完了!
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リビルトのラジエーターはあっという間に届き、取り付けも滞りなく完了しました。高速道路の走行もできそうなので、これまでよりジムニーとの旅の幅が広がりました。まだまだ交換が必要な部分やカスタムの予定があるので、次回のジムニー記事も楽しみにしていてください。
取材・文/田中一馬