DINING
2025.12.26
【ラーメン紀行】東京・都立大学駅の老舗街中華「銀水」で味わう変わらない幸せ
あえて変わらない場所に身を置くと、忙しい日常を整えてくれそう。ここは東急東横線の都立大学駅から徒歩1分、1960年創業の老舗町中華「銀水」。平日、静かな店内のラーメンが、肩の力を抜くきっかけになりました。
変わり続ける街で、変わらない場所へ
東京の街は再開発や店舗の入れ替わりが進み、日々更新されています。便利さや新しさに囲まれる一方で、どこへ行っても似たような風景に感じてしまう瞬間も。その街で、あえて「変わらない場所」を選ぶ時間は、忙しい日常の心を整えてくれます。
その変わらない場所、向かったのは東急東横線 都立大学駅から徒歩1分ほどの場所にある老舗街中華「銀水」。1960年(昭和35年)開業以来、同じ場所で暖簾を掲げ続けてきたのだそう。
渋谷からは東横線で約10分の都立大学駅。賑わいすぎず、静かすぎない、筆者にとってはちょうど良い街です。最近は周辺店舗の入れ替わりも進み、少しずつ新しい空気も入り始めています。そんな変化する街の長く続いてきた店に立ち寄ることで、どんな感覚が得られるのでしょうか。
入口は3つ!? 迷いながらも吸い込まれるように入ってみた
外観はV字に建ち、決して新しさは無いものの長い時間を重ねてきた店ならではの風格があります。
銀水の前に立って、まず驚いたのは入口の多さでした。店の周囲に3つの入口があり、どこからでも入れる店構えになっていました
どこが正面なのか分からず、一瞬立ち止まりましたが、「一回は入ってみるか」と、一番近い入口から足を踏み入れました。中に入ると不思議と落ち着きがあります。
訪れたのは平日の14時前。昼のピークを過ぎた時間帯で、カウンターは三角形に配置された11席。常連らしき男性客がひとり、カウンター越しにスタッフの女性と穏やかに言葉を交わしています。テレビからは昼の情報番組が流れ、店内に特別な演出はありません。ただ、それが心地良い。
注文したのはラーメン。価格は600円です。特別な素材や流行りのアレンジではなく、肩の力を抜いて食べられる一杯を期待していました。
注文したのはラーメン。価格は600円です。特別な素材や流行りのアレンジではなく、肩の力を抜いて食べられる一杯を期待していました。
変わらないラーメンに期待
そして運ばれてきたラーメンは、見た目にもどこか懐かしさを感じさせます。澄んだ醤油色のスープに、ほどよく油が浮かび、中央には大きめのチャーシュー。もやし、刻みネギ、海苔、そしてナルト。街中華のラーメンとして、理想的な内容です。
まずはスープを一口。醤油の風味は穏やかで、口に入れた瞬間に強く主張することはありません。じんわりと広がり、自然ともう一口すくいたくなります。
麺は中細で少し不揃いでした。歯切れが軽く、力を入れなくてもすっと噛み切れる。このスープと合わせて食べると、どこか落ち着く味わいです。気づけば無意識に箸が動いていました。
チャーシューはしっかりとした肉感があり、脂に頼らない仕上がり。600円という価格を考えると、十分すぎる存在感があります。派手さはありませんが、気づけば無言で箸が進み、気負いなく食べ切っていました。
食べ終えると再びテレビの音、カウンター越しの会話、店内に流れる時間を感じます。ぼんやりその場に身を置いていることが心地良く、忙しい日常ではこういう気持ちが貴重です。銀水ですっかり気持ちが整いました。
都立大学駅の街で過ごしたちょうど良さ
流行りの店を巡る週末も楽しいですが、あえて変わらない場所を選ぶことで得られる満足感。都立大学駅周辺の街並みと、老舗街中華の居心地の良い空気が重なりは、今の自分にちょうど良く感じられました。
銀水
所在地/東京都目黒区平町1-27-5
取材・文/SYURI
銀水
所在地/東京都目黒区平町1-27-5
取材・文/SYURI





















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