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ここ20年で50万→250万円に?値上がり率最強バッグ、エルメスのケリーとバーキンの現在/第6回

ここ20年で50万→250万円に?値上がり率最強バッグ、エルメスのケリーとバーキンの現在/第6回

今までの物を再活用する。単純に捨てるのではなく、リユースしていく。ファッションも然りで、ブランド品をもっとリユースしていこう!と。そんなサステナブルな循環社会を作るために、ファッションでできることを考え、ハイブランド専門のオンラインリセールを展開するRECLO社長の青木さんと、MADURO総編集長の大久保による連載が「MADURO SUSTAINA CLOSET powered by RECLO」。連載第6回のテーマは「エルメスのバッグ、ケリーとバーキンはなぜ値上がり続けるのか?」。その理由は、前回のロレックス同様に、サステナブルな普遍的な価値にあるようです。


大久保 前回まではスポーツロレックスのサステナブルな存在が、今も価値と値段を上げている!というお話をしました。今回は「エルメス」です。今も価値と値段がどんどん上がっているケリーとバーキンにフォーカスし、お話しをしていきたいと思います。


青木 ご存知の通り、エルメスはフランスのラグジュアリーブランドで、1837年に創業しました。元々、馬の鞍とハーネスを作る乗馬用の馬具工房からスタート。そのクオリティの高さからナポレオン皇帝御用達の馬具職人に認定されたり、万国博覧会で受賞するなど、革製品の高級ブランドとして世界的地位を確立していきます。今も、その技術を継承する革製品においては、世界最高峰と称しても差し支えないでしょう。


大久保 その代表的なエルメスの革製品が、ケリーとバーキンのバッグというのは、周知の事実で、昔も今も世の中の女性たちにとって、永遠の憧れの存在ですよね!


青木 エルメスの中で他にも名作はありますが、このケリーとバーキンは、値段も人気もトップオブトップの存在です。状態やデザインにもよりますが、普遍的な革と色などの仕様であれば、時を経ても価値は下がらないどころか、上がり続けています。そもそも、定価自体がここ数年でどんどん上がっていることも影響していますが…。


大久保 一般的にお店ですぐに入手できない…いわゆる「買えないバッグ」ですからね! いわゆるエルメスの上顧客だけにしか門戸が開かない…。うちの妻もエルメスが好きで、特にケリー、バーキン、最近人気のボリードなど革バッグが大好きです。しかし、上顧客になるくらいの財力はないので、残念ながら日本ではなかなか買えません。だから、ハワイのエルメスで購入してます。ハワイのエルメスの実例で説明すると、友人のご紹介で店員さんと顔見知りになって、それから、その店員さんの顧客となって何回かバッグ以外の商品を購入して…いわゆるバッグ購入の「ポイント」(!?)と「エルメス愛」を貯めてからから、初めてケリー、バーキン、ボリードの購入の門戸が開きました。いわゆる単なる転売目的でない…ずっと愛着を持って使ってくれる「身元保証」があってこその、紹介と信用からの顧客システムが個々に構築されていると感じました。ケリー、バーキン、ボリードの購入を許された(!?)人には、店舗の奥にある「秘密の小部屋」に通されるんです。店内の人目に触れるところでは、絶対にケリー、バーキンは出さないんです。絶対に人目に触れない「秘密の小部屋」で待っていると、ケリーやバーキンが運ばれてきます。「開かれない扉」が開いた瞬間から、このステイタスが始まります。この「秘密の小部屋」に何時間も滞在しても飽きない「夢の至福の空間」なようです。その後、本当にエルメスのバッグが欲しい…この「エルメス愛」を共有できる…信用できる友人だけを、店員さんに紹介していました。妻はエルメスの革バッグを買うために、仕事をして、稼いだお金を費やしていますので、家計的には問題ないのですが(笑)、まだ小学生の息子の成長とエルメスのバッグの存在が、働くモチベーションになっているようです!


青木 そうなんですよね! エルメスの革バッグの価値って、単にお金を持っているから買える、というものではないんですよね。となると、市場に出回る数は圧倒的に少なくなり、リセールバリューは当然高くなります。おまけに、世の中でケリーやバーキンをお求めになる女性が減ることはありません。つまり需要が下がることがないんです。ケリーが誕生したのは1950年代、バーキンが誕生したのは1980年代。それぞれ原型となるモデルは、その年代の以前からあるのですが、アイコンとなる人物の名を冠したモデルが、これだけ長い間、支持され続けているのが、サステナブルの証です。その歴史というかバックストーリーが一番大事で、人気を積み重ねてきた時間がヘリテージとなります。どんなに良いモデルが後発で出てきても、このヘリテージを超えることはできません。世代を問わずに、女性の「永遠の憧れのバッグ」として、いつの時代もその名前が一番に挙がるんです。



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1950年代、女優からモナコ公妃となったグレース・ケリーが、婚約発表の際に持っていたことから、名前もケリーバックへと変更に。
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1980年代に、フランスを代表する名女優、ジェーン・バーキンとたまたま飛行機で隣り合わせになった、当時のエルメス社長だったジャン=ルイ・デュマ氏。その時にジェーン・バーキンがボロボロなるまで使い込まれた大きなバッグに無造作に荷物をたくさん詰め込んでいるのを見て、「何でも詰め込める革バッグ」をプレゼント。これが、後にバーキンの元となるバッグとなり、バーキンの名前の由来に。

大久保 しかも、世界的に価値が認められていますからね。となると、この先も、その価値や値段は下がりませんね!


青木 よほどのことがない限り、下がることはないでしょう。このコロナ禍にあっても、値崩れを起こしている様子など微塵もありません。とはいえ、お売りになる人は、やや増えているようです。値段が下落するほどではありませんが、狙っているケリーやバーキンがある人は、今が購入のチャンスかも知れません。


大久保 それは凄いですね。


青木 「エルメス」クラスになると、世界中がマーケットですから。RECLOでも相当な数を取り扱わせていただいております。人気の革や色になると、すぐに売れていきます。


大久保 エルメスのケリーやバーキンは、リユース市場でも大人気なんですね! インターネットを通して購入される人も多いと聞きます。品揃え抜群のRECLOさんが人気なのもうなずけます。


青木 販売実績の多さは、リユース業界において…すなわち信頼につながります。膨大なケリーとバーキンを見てきたからこそ、真贋はもちろん、状態などの見極めも確かです。なにせ、エルメスほどの超一流老舗ブランドとなると、コピー商品対策として、一般の人ではわからない微妙な仕様変更を繰り返し行なっております。当然ブランド側はそのことを外部にアナウンスしませんので、数を見て見極めるしかないのです。革や色によって異なる価格も、多くのデータを持っていますので、適切な値付けだと自負しております。


大久保 なるほど。そんなケリーとバーキンの相場は、革や色、またサイズによって、どう値段が変わっていくのか…次回にゆっくりお聞きしたいと思います。


青木 ちなみに、20年前はバーキンの35cmサイズが平均50万円程度でしたが、現在ではリユース品で平均120万円前後、状態が良く人気の希少カラーになると一番高い物で250万円くらいになっています。


大久保 ええ〜っ! そんなに!


青木 今後もさらに上がっていく傾向にあります。革や色、サイズによっても価値や値段は変わってきますので、その辺りは次回にお話をしていきます。


大久保 なんか、手に汗をかきますね(笑)


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RECLO
代表取締役社長 Founder/CEO
青木康時さん

事業会社4社のスタートアップ創業に携わる経験を経たシリアルアントレプレナー。2012年11月に現法人を設立し代表取締役社長に就任。日本最大のラグジュアリーブランドの委託販売&買取サービス「RECLO(リクロ)」の運営をしている。大手企業との提携や、海外180カ国での同時併売システムにより、正規品保証のグローバルリセールプラットフォームを展開。二児のパパとしても活躍しており、読者パパ代表としてMADUROにも度々出演している。


サステナブルとして断捨離した物や
次の人に繋げていきたいものを買い取ります!
https://sustaina-closet.jp


今、地球の未来のためにサステナブルな循環システムが求められています。ファッションアイテムも同様、いつも新しい物を買うだけでなく、古い物も再活用し、リサイクルやリユースしていく風潮が高まっています。そこでMADUROとRECLOが組んだ「マデュロ・サステナ・クローゼット」。詳しく知りたい方はHPへ!


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