1世紀ぶりによみがえった、幻の沖縄スピリッツ「イムゲー」と合わせたい最高の料理
泡盛でもなく焼酎でもない、芋と黒糖を使った新ジャンルのスピリッツとして話題のイムゲー。およそ一世紀ぶりによみがえらせ、販売からまだ1年も経っていませんが、那覇界隈のお店では早くも人気のお酒として仲間入りを果たしています。そこで、普段から様々なお酒と接する料理人たちに、イムゲーに合った一品を考えてもらいました。
ちょっぴり甘いイムゲーは、さっぱりした和の料理やお寿司とマッチ
一軒目は、近海で水揚げされた新鮮な魚介類を使った料理やお寿司が人気の「SUSHIBARでいご」。日本料理店で11年修行した後に独立した、佐渡山さんが作ってくれたのは、ヒラメの薄造りと、松茸の土瓶蒸し。「イムゲーは甘みを感じるお酒なので、さっぱりとした味のヒラメがおすすめ。また、香りの立つお酒なので、松茸の香りと合わせて楽しんでほしい」と話してくれました。他にも、鱗をパリッと焼き上げた甘鯛の松笠焼きや、目の前で握ってくれたお寿司を食べながらイムゲーを嗜むと、もうそれだけで幸せな気分に。
「芋を使っているイムゲーですが、芋焼酎の味とは違っていて、とても新鮮でした。このお酒が沖縄の家庭で飲まれていたと聞いて驚きましたね。ソーダで割ったり、すだちを搾って加えても楽しめると思います」と熱く語る佐渡山さんのお店には、カウンター席もあるので、知識が深い大将とお酒談義を楽しむのもおすすめです。
SUSHIBARでいご
沖縄県那覇市辻2-8-16
050-3461-7144
18:00〜翌日2:00(1:00ラストオーダー)日曜休み
https://fbb1800.gorp.jp/
芳醇なお酒と燻製料理の香りの共演
2軒目は、燻製料理やラムチョップが人気の「久茂地チョップ」。大通りから少し中に入った路地沿いにある隠れ家的なお店で、食通やお酒の愛好者が集うお店です。店主の川上さんがイムゲーに合わせて作ってくれたのは、卵と枝豆、サバの燻製をのせた盛り合わせ。
「芳醇なお酒ですよね。イムゲーと燻製のふたつの香りがうまく合わさることで、よりおいしく感じてもらえたらうれしいです。特にサバは燻すことですごく香りが立つのでおすすめです」と川上さん。そしてもうひとつ外せないのが名物のラムチョップ。表面を強火で焼いた後、さらに低温のオーブンでじっくり焼いて仕上げるラムチョップは、口の中でとろけるほどにやわらかい。
「山羊を食す慣習がある沖縄ですが、ぜひラム肉も楽しんでもらいたい。イムゲーの肴にも最適ですよ」
久茂地チョップ
沖縄県那覇市久茂地3−25−19
098-867-8000
月〜金/18:00〜翌12:00(23:00ラストオーダー)
土/18:00〜翌1:00(24:00ラストオーダー)
※ラムチョップが終わり次第閉店
日曜休
スパイスの効いた味のスペイン料理とさっぱりした味のイムゲーは相性抜群
ラストは、那覇市前島にあるスペインバルの「VIN LAZO」。赤と黄色を基調とした異国情緒溢れるお店では、魚介を使ったアヒージョや鉄板焼きなどが楽しめます。中でもオーナーの赤嶺さんが力を入れているのがタコ料理です。今回出してくれたのは、島ダコを使ったソーセージとステーキ。ソーセージはひとつひとつ手作業で、タコを細かくちぎり、腸詰めしているそうです。ひと口ほうばるとタコのエキスが弾け、とってもおいしい。
「女性の方でもひと口で食べてもらいたいので、小さめにしています。小籠包を味わうような感覚で食べてほしい」と赤嶺さん。また、バターとハーブ、にんにくを使ったソースで味付けしているという濃厚な味のステーキは、イムゲーと一緒に飲むのには最適。「さっぱりとした味のお酒なので、にんにくやオリーブオイルを使って調理するスペイン料理とは合うと思いますよ」。
VIN LAZO
沖縄県那覇市前島2-11-15
098-868-6018
18:00〜24:00(23:00ラストオーダー)
日曜休
3人の店主がそれぞれの得意分野で提案してくれた料理は、イムゲーの味をさらに際立たせるおいしいものばかりだった。どんな料理にも合わせやすいイムゲーの無限の可能性を体感。客席から「とりあえずビール」の代わりに、「とりあえずイムゲー」という声が聞こえて来る日も遠くないのかもしれません。
●請福酒造
☎︎0980-84-4119
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