LIFE
2025.01.31
ガイドブックには載っていないカリフォルニア⑧北カリフォルニアで立ち寄るべき4名所
カリフォルニアのハイウェイ128号線沿いに、クルマで旅をしてきました。まだガイドブックには載っていない場所を探すドライブ。今回はソノマ郡のガイザービルを経て、メンドシーノ郡のブーンビル、フィロへと旅します。
ソノマ郡のガイザービルからメンドシーノ郡へ北上
ガイザービルの大きなワイナリーを見た後、アンダーソンバレー方面はクルマでおよそ1時間。徐々に山道へと入って行きます。
巨匠・コッポラ監督が家族のために作ったワイナリー
カリフォルニアのガイザービルには、超有名な観光ワイナリーもあります。この「フランシス・フォード・コッポラ・ワイナリー」は、映画監督フランシス・フォード・コッポラが2010年に設立。家族全員で楽しめる「ワイン・ワンダーランド」がコンセプトで、テイスティング・バーやレストラン、もちろん映画関連の展示がされたムービー・ギャラリーもあります。
フランシス・コッポラ監督のファンや、映画作品のファンが楽しめるのはもちろん、映画に詳しくはない人でも作品の世界を間近に見られる施設。映画「タッカー」で登場した実物のクルマなどが展示されたり、館内のどこを見ても迫力があります。
大好きな映画「地獄の黙示録」は、撮影に使われたグッズなども展示。実物を見ると映画作品のシーンが頭に浮かび、感慨深いものがあります。他にもオスカー像など、コッポラ監督のファン、映画作品のファンには見どころが多く、ここがワイナリーだということを忘れてしまうほど。
ところで、なぜコッポラ監督のワイナリーなのかというと、彼はワイン造りを映画製作と同じように、土地や原材料(ブドウ)を活かしながら、ストーリーを語り、感動を生み出すアートだと考えていたようです。映画「ゴッドファーザー」などで得た成功をもとに、長年興味を持っていたワイン造りに挑戦することになったよう。
広大な中庭にはプールもあり、ここが彼の家族が楽しむための「ワイン・ワンダーランド」というコンセプトを持っているということで、興味深いワイナリーでした。
Francis Ford Coppola Winery
https://www.francisfordcoppolawinery.com/
広大な中庭にはプールもあり、ここが彼の家族が楽しむための「ワイン・ワンダーランド」というコンセプトを持っているということで、興味深いワイナリーでした。
Francis Ford Coppola Winery
https://www.francisfordcoppolawinery.com/
Francis Ford Coppola Wineryのレストランで昼食後、ハイウェイ128号線をぐんぐん北上して、メンドシーノ郡に向かいます。
ヤギと羊に触れ合える最先端コンセプト農場
メンドシーノ郡のブーンビルにある、ヤギと羊の酪農場「Pennyroyal Farm」にやってきました。ここは伝統的な手法と現代的な技術を組み合わせて、再生可能な農業手法を採るという、カリフォルニアでも先端をいく農場。チーズ工房とぶどう畑が併設されています。
ひとり30ドルを払えば、動物たちと触れ合うことができるガイド付きツアーを楽しめて、ワインやチーズの試飲・試食もできます。
ひとり30ドルを払えば、動物たちと触れ合うことができるガイド付きツアーを楽しめて、ワインやチーズの試飲・試食もできます。
厩舎に入る前に手をよく洗い、ヤギや羊と触れ合いました。寄ってきてくれる子たちはみんな人慣れしているのか、かわいい顔で近寄ってくるので、動物好きなら幸せな気持ちになること必至。もうツアーガイドの話なんかそっちのけで、ヤギや羊とのコミュニケーションタイムです。
のんびりした厩舎自体が居心地良くて、動物たちも幸せそう。チーズなどの原料となる乳の美味しさは、こうした環境が大切なのかも。そうした取り組み自体がカリフォルニアの最先端の考え方ということで、とても興味深い。
ツアーの最後にはここで作られたチーズとワインを試食。ぶどう畑に囲まれた酪農場、日本ではなかなか体験できない場所でした。
サイダー(りんご酒)が実質飲み放題!? 家族経営の野外バー
ハイウェイ128号線をクルマで走っていると、山の中に突然現れる「Gowan's Heirloom Cider」。ここはアンダーソン・バレーの南部に位置するフィロという場所にあり、りんご果樹園の中にあるサイダー(アップルタイザー)の試飲ができる。日本で言うとりんご狩りのような感じのイメージで、ここで獲れたりんごが原料となっているサイダーを20ドルで試飲(実質飲み放題)できます。
もちろんアルコールが入っていて、度数はClassic Dryで7.7%。様々な種類のサイダーはどれもジュースのように飲めちゃうので、クルマを運転する人は要注意。
まぁまぁアルコール度数が高いサイダーを、次から次へと試してみた筆者。もともとアルコールは弱いので、ここでベロンベロンに酔っぱらいました。でも美味しかったので、お土産に3本買って帰りました。
酔っぱらってボケっとしていると、カウンターの中から「次はどうする?」と声をかけられる、わんこそば状態。でも本当に美味しかった。
酔っぱらってボケっとしていると、カウンターの中から「次はどうする?」と声をかけられる、わんこそば状態。でも本当に美味しかった。
他のワイナリーと比べると素朴な試飲カウンターですが、実は1876年に設立され、6世代にわたり伝統的なリンゴ栽培とサイダー製造の老舗。サイダー自体も様々なコンペティションで受賞していて、販売価格も安い(Classic Dry Ciderで14ドル)。ハイウェイ128号線では道沿いなのに気づかないくらいの佇まいなので、近くを通る際はナビをセットしておくといいかも。
フランスの伝統を感じる丘の上のスパークリングワイン
アンダーソン・バレーのフィロからもうちょい北上すると、「Roederer Estate」という大きなワイナリーが現れます。冷涼な気候のアンダーソン・バレー周辺はシャルドネとピノ・ノワールの栽培に適していて、高品質なスパークリングワインの生産ができる場所。
そんな丘の上にあるRoederer Estateは、周囲の景観とその場所にふさわしい建造が感動的です。
そんな丘の上にあるRoederer Estateは、周囲の景観とその場所にふさわしい建造が感動的です。
歴史は比較的新しく、フランスのシャンパーニュ地方で著名なシャンパンメーカー、ルイ・ロデレール社が1982年に設立。建物は現代的ながら、どこかフランスらしい伝統を感じます。こういうダイニングでスパークリングワインを飲む生活は贅沢な夢ですが、目の前にすると心が豊かになる気がします。
丘の上から乾杯。日が沈む光景まで美しく、本当に贅沢な時間を楽しめました。
カリフォルニア観光局
https://www.visitcalifornia.com/jp/
ソノマ観光局
https://www.sonomacounty.com/
メンドシーノ観光局
https://www.visitmendocino.com/
取材・文/垣野雅史
https://www.visitcalifornia.com/jp/
ソノマ観光局
https://www.sonomacounty.com/
メンドシーノ観光局
https://www.visitmendocino.com/
取材・文/垣野雅史