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【ひと駅手前で降りてみる】目黒駅のひとつ手前は下町だった!不動前駅編

【ひと駅手前で降りてみる】目黒駅のひとつ手前は下町だった!不動前駅編

いつもは通り過ぎてしまう東急目黒線不動前駅で途中下車。散歩で見えてきた不動前駅周辺の下町の温かさと昔ながらの雰囲気から、賑わう目黒駅周辺の街並みまで、タイムスリップ感が楽しいルート。

閑静な住宅街が広がる不動前駅

東急目黒線不動前駅から出てまず感じたのは静けさ。平日昼間の人通りは少なく、冷たい冬の空気の中で通り過ぎる電車の音が響きます。

いつも電車で通り過ぎるこの不動前駅。降り立ったのは初めてで、電車から眺めていた景色と違って見えます。

昔ながらの個人店が楽しい商店街を歩く

不動前駅を出るとすぐに見えてきたのは小さな商店街。ここ「不動前駅通り商店街」は昔ながらの青果店、惣菜店、珈琲店が点在します。

品揃えの多さと商店街全体の活気から、この商店街が現役で地域の人の暮らしを支えていることがうかがえます。近所に住む人は帰宅前にここで買い物をする姿が目に浮かびます。
商店街を抜けて1本隣の道に入ると、閑静な住宅街が広がる。不動前駅エリアは、目黒駅まで1駅の便利な立地でベッドタウンとしても人気。

家賃相場も目黒エリアと同様に、高めの傾向なのだとか。静かさと利便性を兼ね備えているので、私も住んでみたいと思いました。

おいしそうな香りで気分が上がる老舗うなぎ店

うなぎのいい香りがしてきたので、足取りも軽くなります。「八ッ目や にしむら 目黒店(やつめや にしむら めぐろてん)」さんは昭和35年の開店から約65年間、ここ目黒不動尊の門前で最高級の国産うなぎを焼いています。

秘伝のたれと紀州備長炭で焼き上げた蒲焼きの香りに、つい足を止めてしまいました。常連さんには蒲焼きの他にも肝焼きが人気らしく、肝焼きは香ばしい炭の風味にねっとりとした肝の食感が最高なんだとか。今度はうなぎ好きの両親を連れて、また来たい。

八ッ目や にしむら 目黒店
住所/東京都目黒区下目黒3-13-10
営業時間/11:00〜18:00 ※日によって変動あり ※店内飲食は平日11:00〜13:00
定休日/水曜日

老舗の佇まいが下町らしい鶏肉店

うなぎ店の斜め向かい、蒲焼きとはまた別の食欲をそそる香りがする店を発見。

地域の人に愛され続けている鶏肉店「鳥重(とりしげ)」。レトロな店構えのせいでしょうか、初めて来たのになぜか懐かしい気持ちになります。
鳥重では鶏肉の他にも焼き鳥や弁当、惣菜が手頃な価格で並びます。かなり迷った末にポテトコロッケ140円を購入。店員さんの温かい「ありがとう」の声が心をゆるめてくれます。

こんなお店が家の近所にあったらきっと毎日のように通ってしまいます。近くに住む人でしょうか、商品を受け取りながら店員さんと何気ない会話を楽しんでいました。平日の昼間なのに客足も途絶えません。
冷たい風に吹かれながら食べる熱々のコロッケの味はとてもシンプル。サクッとした衣とじゃがいものホクホク感を味わいながら歩きます。

鳥重
住所/東京都目黒区下目黒3‐18‐8
営業時間/10:00〜18:00
定休日/日・月曜日

「目黒」の由来はここが起点

目黒不動尊(正式名称:泰叡山瀧泉寺)は、東京都目黒区にある天台宗の寺院。地名「目黒」の由来になったとも言われています。

808年に創建されたとされ、関東最古の不動霊場として知られています。日本三大不動の一つ、「目黒のお不動様」として親しまれ福寿開運や諸願成就のご利益があるとされています。

私も心を落ち着かせ、家族の健康や仕事のことを思いながら境内で手を合わせました。

徳川将軍家にゆかりある寺もあった

目黒不動尊のほど近くを歩いていると、静かな住宅街の中に寺が見えてきました。

五百羅漢寺は目黒にある浄土宗の寺院で、元禄8年(1695年)創建、明治41年(1908年)に現在地へ移転。なので、明治時代の面影になるはずが、葵の紋がドドンとあるからなのか、江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚に。
300体以上の羅漢像(悟りを極めた修行者を表す仏教彫刻や絵画)が特徴的で、東京都の指定有形文化財に。本堂はまるで説法を聞いているかのように整然と並ぶ羅漢像たちの表情豊かな姿に目を奪われます。

寺には徳川家からの寄進品も多く、深い関係性がうかがえます。歴史に全く詳しくない私でも、この五百羅漢寺の荘厳な雰囲気と長い歴史を感じさせるたたずまいに圧倒されました。

境内を歩きながら、江戸時代の人々の信仰の深さや時代を超えて受け継がれてきた文化の重みを肌で感じられます。

山手通りの向こう側は都会の景色に

五百羅漢寺を過ぎた辺りから、徐々に賑やかさと都会の街並みを感じるようになってきました。ひっそりとした不動前駅周辺と比べると、東京の幹線・山手通りには人もクルマもせわしなく行きかいます。

散歩で見る街並みは、普段クルマや電車から見るものとはまた違い、「こんなお店があったんだ」、「こんな道があるんだ」等の発見の連続に。
不動前駅通り商店街のローカルな雰囲気から歩いてわずか20分。近いはずなのに随分遠くにきたような不思議な感覚を覚えます。

冬の静かな目黒川に癒やされる

目黒駅も目前、春には約4kmにわたって約800本のソメイヨシノが咲く目黒川沿いの道に。冬場の平日昼間は人が少ないですが、今年も桜が咲く頃には人であふれ、賑やかになるのでしょう。

行人坂は山登り気分で歩く

最後の難関「行人坂」。初めて通る人には登山に思えるほど急坂で、ここを毎日上り下りしている人がいることに軽く衝撃を受けながら、山登り気分で頂上を目指します。
行人坂は見た目より傾斜がきつく、良い運動になります。
なんとか坂を登りきり、賑やかな目黒駅に。静かな不動前駅周辺も好きですが、私は目黒駅周辺のこの都会の賑わいが落ち着きます。

閑静な住宅街からビジネスパーソンが行きかう街へ

不動前駅を出発してから約30分。ゴールの目黒駅に到着。

街並みを楽しみながらの散歩は疲れを感じず、心と身体をリフレッシュさせてくれるためにはちょうど良い距離。レトロな下町から賑やかな街までを歩き、まるでタイムスリップのよう。どちらにもそれぞれの良さを感じさせてくれました。

小さな冒険のすすめ

いつもの駅、いつもの時間、いつもの店。たまにはそんなルーティンから抜け出してみましょう。そこには新たな発見や思いがけない出会いがあるかも。

下町の温もりから賑やかな街までの変遷を感じられる、東急目黒線の不動前駅から目黒駅までの散歩は、小さな冒険旅行でした。
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