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【ひと駅手前で降りてみる】六本木駅のひとつ手前で巡る寺社と坂道! 神谷町駅編

【ひと駅手前で降りてみる】六本木駅のひとつ手前で巡る寺社と坂道! 神谷町駅編

東京メトロ日比谷線の神谷町駅から六本木駅までの約1.3kmを散策しながら歩きます。ビルに囲まれた東京随一の都会的風景の中に、歴史の風を感じる寺社や坂道、そして地元老舗グルメに出会える贅沢な大人の散歩コース。

神谷町駅を出ると巨大ビル群が目の前に迫る

日比谷線で六本木駅へ向かうはずが、今日はあえてその手前の神谷町駅で下車。用事が無いと降りない駅ですが、今日はゆっくりと散策してみます。

神谷町駅5番出口を出ると、最初に「麻布台ヒルズ」の巨大なビル群が広がります。曲線美が印象的なその外観は、「ストラタ・ウォール」と呼ばれ、地層を模した壁面デザインが採用されているのだそう。

ビルの谷間にある静寂な寺

都会のビルばかりが目立ちますが、実はこの辺りには寺社が多く、絶妙な散歩スポット。神谷町駅から近い専光寺(※同名の寺がたくさんありますが、神谷町駅から徒歩2分の専光寺)は室町時代に建立され、その後江戸時代にこの地に移転。静寂な境内を駅近で体験できます。
境内に足を踏み入れると、冬枯れの庭にかすかな鳥のさえずりが聞こえます。巨大ビルに囲まれた場所にありながら、ここだけは不思議とゆっくりとした時間が流れています。

神社も高層ビルのたもとに鎮座

神社もありました。西久保八幡神社は平安時代にまで遡る由緒ある神社で、急な階段を上ると新しく整備された社殿が現れます。
外国人観光客が熱心に写真を撮る姿も見られ、同じように都心のビルと神社のコントラストを楽しんでいるようでした。
おみくじの初穂料はなんと10円。残念ながら撮影禁止でしたが、参拝客へのご配慮に感謝しながらおみくじを引きました。大吉は出ませんでしたが、前向きな言葉が綴られていたので気持ちが明るくなります。

名所っぽい階段状の坂

少し歩くと「雁木坂」(がんぎざか)に到着。坂といっても雁木坂は石段で登る坂です。
案内によると、階段状の坂を雁木坂と呼ぶそう。知りませんでした。東京都内には他にも同名の雁木坂があって面白い。
雁木坂を登ると、そこにも高層ビル群が見えます。付近の景観は東京の歴史とともに様変わりしましたが、雁木坂はずっと変わらないでいて欲しいですね。
春になると両脇の桜が美しく咲き誇るそう。知る人ぞ知る桜の名所です。

麻布台ヒルズでひと休み

最新の都市開発エリア、麻布台ヒルズに到着。約8.1ヘクタールの広大な敷地に、オフィス、住宅、ホテル、文化施設など多様な機能を持つ複合施設です。

「麻布台ヒルズ森JPタワー」(写真左側)は、なんと日本一高い超高層ビル(高さ約325m)として知られています。
ついさっき雁木坂を上ったと思ったら、今度は長いエスカレーター。
麻布台ヒルズ全体の緑地面積は、東京ドームの約半分にあたる広さで、六本木ヒルズの緑化面積を上回る広さを誇っています。「Modern Urban Village」のコンセプト通り、ビルと緑が調和した空間が広がっています。
養生中の芝生スペースには入れませんでした。その向こうにあるスパイダーリフトという、見慣れない大型リフトも点検作業中。ただ特徴的な形状のリフトはどこか近未来的な雰囲気を醸し出していました。

東京の最先端スポットでちょっと休みながら、めまぐるしく発展を続ける東京の未来に思いを馳せました。

六本木の隠れた神社

芋洗坂を歩いていると、西側に「朝日神社」があります。この神社は、940年頃に創建されたと伝えられる由緒ある神社。高層ビルに囲まれながらも、静かな佇まいを保っています。
入口から本殿まで細い道を進むと、旧称「日ヶ窪稲荷」として知られた歴史を感じられます。毎年7月上旬に開催される「ほおずき市」は地元の人々に親しまれる風物詩で、古き良き江戸の雰囲気を今に伝える、六本木の隠れた名所です。

老舗の天ぷら店でお腹も満足

さらに進み、1931(昭和6)年創業の老舗天ぷら店「てんぷら 味覚」で腹ごしらえをします。元々は日本橋八重洲に位置していましたが、1986年に六本木に移転しました。六本木駅から徒歩3分程の場所にありながら、江戸のような下町情緒漂うお店です。
カウンター越しに職人の技を眺めながら、サクサクの天ぷらと香ばしい天丼を堪能します。
帰り際、店員さんに「ごちそうさまでした」と挨拶をすると「ありがとう存じます」という丁寧なお言葉が返ってきました。老舗の品格を感じる言葉遣いに思わず背筋が伸びるとともに、温かい気持ちになりました。

こうした小さな心配りを受けると、また訪れたいという気持ちが自然と湧いてきます。伝統と心配りの大切さを改めて実感しました。

てんぷら 味覚
住所/東京都港区六本木6丁目7‐17 小俣ビル1F
営業時間/11:30 ~ 14:00(ラストオーダー13:45)、18:00 ~ 22:00(ラストオーダー 21:00)
定休日/不定休

777が揃う神社

食後は港区立 六本木西公園を通り抜け、最後に「龍土神明宮(天祖神社)」を参拝します。気持ちの良い冬の晴れ間に、足取りも軽くなります。
この神社、住所が「六本木7-7-7」というゾロ目。小さな神社でしたが、心が和みました。手を合わせると心を落ち着き、リフレッシュできました。

東京の歴史と未来

約1時間の散策を終えて、六本木駅に到着。神谷町駅からここまでの距離は約1.3kmですが、東京の歴史と現在、そして未来を一度に体験できる贅沢な散歩コースです。

この神谷町駅から六本木駅までの散歩道は季節を問わず楽しめますが、道中には緑が多いので特に春の桜の時期はおすすめ。六本木に行く時は、ひと駅手前で降りて古くて新しい東京の魅力を発見してみてください。
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