パパ的資産運用の回し方実用ノート、連載第7回 中国人富裕層が日本品質サイトで資産運用を実現?
新型コロナウイルスの影響で、世界各国の入出国が制限、国内でも東京をはじめ大都市圏を中心に緊急事態宣言が発令され、店舗の営業や外出は自粛に。外国人観光客の姿を日本で見ることも少なくなっていますが、人類の叡智でコロナを克服すれば、より進化した形での同じ景色や生活が戻ってくるでしょう。日本の各地を訪れていた多くの中国人は今、サイト上日本の深い最新情報を求めたりしています。そこで、中国の決済代行サービスLakaLa(※1)の日本最新情報キュレーションメディアの制作運営に関わる倉田さんと山口さんに、富裕層中国人たちの趣味嗜好や動向などについてのお話を伺いました。
マデュロ(以下M)今、倉田さんのインターホールディングスが運営責任社として、山口さんのantenna*とMADUROやソトコトのRRデジタルメディアがアライアンスを結んで進められている中国向けの日本最新情報キュレーションメディア「日本品質 -THE JAPAN QUALITY-」では、不動産情報なども取り上げていく予定と伺いました。中国の富裕層(※2)はどのような情報を求めていますか?
倉田 人口が日本の約10倍以上の中国には、当然富裕層も日本よりもはるかに多く存在します。ただ、国家の方針として、海外にお金を持ち出すことは制限され、土地も国家の財産なので、自分たちの資産を増やしてバリューを高めていくためには、新しい事業を中国マーケットからボーダレスに起こしていかなければなりません。新規事業が成功していくと、さらに世界中から不動産、株、投資先など資産運用を進めていくわけです。特に日本に対する関心度合いは強く、皆さんご存知の通り金融商品以外にも、飲食、ホテルはもちろん、地方、自然、空気、水など日本のあらゆるアセット(※3)に対して、非常に興味を持っています。そんな日本に興味を持っている中国富裕層は多く、事業拡大の為、日本法人を作って日本の不動産を購入したり、日本のライフスタイルを体験しながら、さらに効果的に日本のアセットに投資をしていく方法を模索しているのです。
山口 単純な資産運用だけでなく、日本の優れた名所、名品、食べ物や地域の名産など日本の情報…つまり日本的なライススタイルを提案できればと思っています! 金融資産だけでなく、日本の面白い店や食べ物、地域の名産などを探しています。そこでMADURO、ソトコトのRRデジタルメディアの大久保社長から倉田さんを紹介してもらって、一緒に「日本品質 -THE JAPAN QUALITY-」というキュレーションメディアの立ち上げメンバーに加わりました。中国の富裕層向けに日本の情報を届けていきたいと思っています。そうすることで日本のライフスタイルへの理解をより深めてもらえると思います。
西川 不動産投資による資産形成だけでなく、ライフスタイルに合った資産運用をご提案する弊社のAIサイトが「エレファント」です。まさに「日本品質 -THE JAPAN QUALITY-」のキュレーションメディアと全く同じ考え方で、強いシナジーを感じます。
倉田 投資のあり様が変わってきました。何に投資をするのかということです。投資した後にインカムのリターンがあるだけでなく、心のリターンも重視されています。
西川 私も本当の資産形成はそんな心のリターン…ライフスタイルバリューが重要だと思っています。
倉田 特に不動産の場合は必ず立地があります。その立地エリア(街)に対する愛着が大事なんです。そうすると近隣の観光スポットや美味しいお店、レジャーなどの地域情報がほしくなりますし、そこから周辺ビジネスにも広がると思います。中国の富裕層が多く集まる立地だったら、そこで中国向けのビジネスも展開できます。そうした衣食住遊心(※4)のライフスタイルが絡んだエモーショナルなリターンを含めた「楽しみ方」を加えれば、新しい不動産投資を通じて日本をより好きになる機会だと思います。北海道のニセコやトマム(※5)が好例です。
西川 エレファントはAIを駆使した、それぞれのライフスタイルに合った資産運用を提案するwebサービス。コンシェルジュのようなサービスに進化させていくことが目標です。
倉田 「日本品質 -THE JAPAN QUALITY-」のキュレーションメディアも同じで、記事コンテンツにアクセスした個々の情報をAIで分析してデータベース化をすることで、趣味嗜好を解析し、各ライフスタイルに合った記事コンテンツを表示していきます。
山口 弊社では2012年からキュレーションアプリのantenna*のサービス提供をスタートしましたが、現在はAIを通してユーザー個々のフィード画面の表示をパーソナライズ化(※6)しています。でも、一番重要なことは、AIでパーソナライズ化しすぎないということです。というのも、パーソナライズ化しすぎると、見たい情報しか届かなくなり、新たな発見がなくなってしまうんです。そこで、必ず人の手を加えてから最終の編集をするようにしています。エレファントもそのような人の手による提案型の情報が含まれるとさらに広がりが出ると思います。
倉田 株の投資でも利益だけを求めるのではなく、企業の理念に共感したから株を購入して保有していたい…長期で成長を見守りたい、応援したいという側面もあります。同様に不動産でも単に利回りだけの数字を求めるだけでなく、その土地…つまりその地域の人や店や場所を好きになってもらったり、仲間と一緒にそこで過ごしたい!と思えるようなエモーショナルに訴えかけるコンテンツを加えれば、不動産はバリューが上がり、もっと注目されるはずです。
西川 従来の不動産投資とは全く違う価値観ですよね。土地やエリアの魅力をストーリー化してファンになってもらって所有してもらうということですね!
倉田 今までは単に金融資産としての数字だけの不動産情報を発信していたものを、その街を深く知ることでよりそのエリアを好きになってもらえるような情報も発信していきます。そして、その土地の一員になって一緒にエリアを盛り上げて楽しんでいこうという…金融目線でなく、エモーショナル目線で不動産を立体的コンテンツに展開できたら最高です。
M そのオムニチャネル的な立体展開は、単なる不動産投資だけでなく、地方創生にも繋がりますね。
倉田 収益物件として不動産を購入すると地元は受け入れ難く反発しがちです。でも、その地域が好きでエリアのファンとして購入すれば、地元サイドの皆さんも喜んで受け入れてくれるかと思います。
西川 なるほど。売主サイドのレプテーションも上がりますし、我々にとってもメリットが大きいですね。資産運用にストーリーを作るっていう新しい発想は取り入れさせていただきたいと思います。
今月のゲスト
インターホールディングス 最高経営責任者兼代表取締役社長
倉田 学さん
広告代理店を経て独立。事業創出、経営、マーケティング戦略等のコンサルティングを経て、2019年インターホールディングスを創業。世に埋もれたアイデアや特許を預かり、新ビジネスモデルを創生している。
グライダーアソシエイツ上席執行役員CMO
山口 翔さん
2015年グライダーアソシエイツに入社。キュレーションアプリ「antenna* 」の広告事業を立ち上げ、サービス開発、キュレーション、マネタイズなどの統括を経て、2019年より新規事業craft. [クラフト]を担当。
エレファントの使い方
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