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【街中華】横浜市の住宅街にあらわれる「中華飯店 一番」で昔ながらのラーメンを食べる

【街中華】横浜市の住宅街にあらわれる「中華飯店 一番」で昔ながらのラーメンを食べる

坂道を歩いて下った先にある黄色い壁の街中華で、優しい醤油ラーメンを味わいました。50年以上地元に愛される素朴な味わいがここに!

クルマで通るたびに気になっていた、黄色い壁の「中華飯店 一番」

その街中華は神奈川県横浜市、川和町の住宅街の中にあります。「中華飯店 一番」はクルマで店の前を通る時、緑の屋根と黄色い壁の建物が、いつも気になっていました。口コミでは、子供の頃から通っているという地元の人も多く、日曜の昼にはクルマで次々とお客さんが訪れるとも書かれていました。

そんな今まで一度も入ったことがなかった店ですが、自宅から30分ほどかけて歩き、初めて訪ねてみることに。目当ては定番のラーメン。地元の人に長く通われている店の味に期待をふくらませて向かいました。
歩いていくと、住宅街の坂道を下った先にありました。住宅街なので両側には家が並び、坂の上からは遠くの街並みまで見渡せます。坂を下りきる手前には「スクールゾーン」と大きく書かれた文字がありました。

緑の屋根と黄色い壁が道の向こうに見え、「あれだ」と、思わず声が出ます。いつも通り過ぎていた建物にようやくたどり着けた嬉しさで、足取りも自然と軽くなります。

初めて店の前に立つと、店先にはタバコ店が

店にあらためて近づくと、緑の屋根と黄色い壁の2階建て、看板には赤い服を着たキャラクターと「中華飯店 一番 Ichi-Ban」の文字が描かれていました。
そして入口の横には、赤い文字で「TOBACCO」と書かれた、タバコの店があります。昔ながらの小さな窓口、その窓の奥のガラスケースにはタバコが並んでいます。ハロウィンらしいかぼちゃやお化けの小さな飾りが置かれ、窓口の脇にはスタンド式の灰皿も置かれていて、店の前で一服する地元の人の姿が想像できます。
店の前にはクルマが3台ほど停められる駐車スペースがあります。この日も2台のクルマが停まっていていました。「出前やってます」と書かれたのぼりも立っていて、地元の暮らしに根づいている店なのだと感じさせてくれます。

メニューは定食も充実しているようす

4本ののぼりに「タンメン」「麻婆豆腐」「うまい!!担々麺」「ハイボール」。中華料理ののぼりが並ぶ中に、青い髪の女性のイラストが描かれたハイボールののぼりが混ざっていて、思わず目が留まりました。街中華飲みをする人もいそうな感じです。
入口の脇の黒板には、「体を作ろう」の見出しとともに、豚肉メニューが並んでいました。スタミナ定食、スタミナラーメン、ブタキムチ定食、生姜焼き定食などなど。ニラ、にんにく、キャベツなど、使われている食材の説明まで手書きで丁寧に添えられています。

ハロウィンのお化けの飾りが下がっていて、季節に合わせた手作りの温かさを感じます。お持ち帰りもできるそう。

平日の昼時、店内は団体さんの座敷とテーブル席でにぎやか

ちょうど昼時の12時半に扉を開けると、座敷3卓は仕事の昼休みなのか、団体さんで埋まっていました。テーブル6卓のうち2卓は先客がいて、にぎやかな時間に。ご家族で営んでいるのか、女性が接客を、男性が調理を担当していました。

空いているテーブルに座ると、店の人が冷たいお茶の入ったガラスのピッチャーとコップを持ってきてくれました。冷たいお茶をグラスに注いで、ひと息ついてから、すぐにラーメンを注文しました。

壁は街中華らしい赤みのあるオレンジ色。本棚があり、新聞と漫画が置いてありました。料理が運ばれてくるまでなのか、食べながらなのか。どこか懐かしさを感じます。

5分ほどで着丼したのでページをめくる余裕はありませんでしたが、地元の人がゆっくり過ごせるお店なのだと感じました。

注文して5分で着丼、昔ながらのラーメンが目の前に

注文したのは、ラーメン(580円)。運ばれてくるまでは5分ほどでした。
白い丼の縁には、看板と同じキャラクターと「一番」の文字が、赤く描かれています。澄んだ醤油色のスープには小さな脂の粒がきらきらと浮かび、わかめ、チャーシュー、メンマ、刻みねぎがのっています。

派手な盛りつけではなく、昔ながらの街中華らしさを感じます。この内容で580円というのは、ありがたい価格です。湯気の向こうに見える醤油色のスープに、期待が一気に高まりました。
まずは、れんげでスープをひと口。スプーンの上のスープは、透き通った琥珀色で、底まで見えるほど澄んでいます。口に含むと、醤油の香りがふわりと立ち、角のない、まろやかな味わいが広がりました。主張しすぎず、飲むほどに体にじんわりと馴染む優しい味。

派手さが無い分、毎日でも食べられそうな安心感があります。熱々のスープを、もうひと口、またひと口と、気づけばれんげが止まりませんでした。

チャーシューは、縁に焼き色のついた厚めの一枚

箸で持ち上げた麺は、黄色い発色が特徴のゆるやかに縮れた麺です。昔ながらの中華そばらしいかん水を含む縮れ麺で、スープをよくからめながら持ち上がります。このちぢれた麺が昔ながらのラーメンらしくて良いなと思いました。

すすり込むと、縮れた麺のくぼみにスープが入り込み、ひと口ごとに、優しい醤油の味わいが口いっぱいに広がります。麺の量は、ちょうどよく、お昼ごはんとして満足できる一杯でした。
チャーシューは、縁に香ばしい焼き色がついた、厚みのある一枚です。断面には、白い脂とピンク色の肉が、渦を巻くように重なっています。
箸で持ち上げると、しっとりとした肉の質感が伝わってきます。食べてみると肉のうまみがじんわりと広がり、優しいスープと相性のよい味わいでした。
メンマは、きれいな飴色で、味がしみていそうな見た目です。箸でつまんで口に運ぶと、コリッとした歯ごたえがあり、麺とチャーシューの間のちょうどいいアクセントになりました。食べ進める手が止まりませんでした。
あっという間に食べ終えて、箸を置き、ごちそうさまと小さくつぶやきました。冷たいお茶をひと口飲んでほっと息をつきます。昼どきのにぎやかな店内には、おしゃべりの声と、厨房から聞こえてくる調理の音が、心地よく響いていました。

お会計のときに、店の人に「いつ頃から営業されているんですか?」と尋ねてみると、「50年以上、60年くらい前かな」と、教えてもらいました。

子供の頃から通っているという地元の人がいるのも、うなずける歴史。長く愛され続けてきた店の、優しい味わいの理由が少し分かった気がしました。

食後に近所の公園と緑道を散歩して帰る

店を出ると、まだ昼の光が明るく、少し歩いてみたくなりました。近くには、遊具のある小さな公園と、木立の間を抜ける石畳の緑道があります。クルマで通り過ぎていたときには気づかなかった住宅街の中の緑の道を、ゆっくりと歩いて帰りました。

おなかも心も満たされた、平日昼間の散歩です。
坂道の先に見える黄色い壁、赤い服のキャラクター看板、派手めなのぼり、手書きの黒板、580円からはじまる麺類20種類以上のメニュー。一杯の優しいラーメンを食べながら、子どもの頃から通い続ける人がいる理由が、少し分かった気がします。

次はギョウザセットや、黒板で気になったスタミナラーメン、のぼりの担々麺も食べてみたいと思います。

中華飯店 一番
所在地/神奈川県横浜市都筑区川和町2297-4
営業時間/11時から20時、定休日/月曜日と第一火曜日

取材・文/SYURI
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