TRAVEL
2026.07.08
【街中華】横浜・仲町台「白河中華そば」で出会った、素朴な店の妥協なき一杯
横浜・仲町台の緑道散策の先にある「白河中華そば」。1999年創業、福島・とら食堂譲りの白河ラーメンは透き通ったスープとたっぷりのチャーシューが印象的。身も心も満たされる一杯との出会いでした。
横浜・仲町台、緑道の先には白河ラーメンの名店がある
平日の昼前、横浜市営地下鉄ブルーライン 仲町台駅近くの「大原みねみち公園」を歩いてみることにしました。池のほとりを縫うように続く小径の両脇には木々が茂り、住宅街のすぐそばとは思えないほど緑が深い。地下鉄の高架沿いを進むと、張っていた肩の力が少しずつ抜けていくのが分かりました。こんな静かな散歩道があったなんて、と少し得した気分になります。
この散歩の目的地は、以前から気になっていた「白河中華そば」。大原みねみち公園を抜けると、「茅ヶ崎南みかん公園」という小さな公園があり、その目の前に一軒の店が現れます。
今回が初訪問となる「白河中華そば」。調べてみると、開業は1999年。「昔ながらの中華そば」と聞いて、正直なところ期待していたのは、懐かしく優しい素朴なラーメン。ただ、実際にお店に着いてみると、その予想は少し的外れだったかもしれないと思いました。
開店前、素朴な佇まいの店の前には10人ほどの列
11時30分開店のところ、5分前には到着したものの、すでに10人ほどが列を作っています。開店前からこれだけ並ぶのだから、期待も一気に高まります。席数はカウンターのみの15席という店内。これはなかなかギリギリかもと思いながら列に並びました。
店の前には使い込まれた木製ベンチが置かれ、下にはビール瓶ケースが積まれています。自転車も1台停まっていて、地元の生活に溶け込んだ雰囲気が伝わってきます。並んでいる間、この飾らない生活感が信頼できそうと感じていました。
券売機は現金のみ。今どき珍しいほどローカルな雰囲気です。そして私が買った食券がなぜか出てこなく、少し焦って店員さんに声をかけると、お姉さんがすぐに取り出してくれました。券売機の中で詰まっていたようです。ちょっとしたハプニングながら、慣れた様子で対応してくれました。
券売機は現金のみ。今どき珍しいほどローカルな雰囲気です。そして私が買った食券がなぜか出てこなく、少し焦って店員さんに声をかけると、お姉さんがすぐに取り出してくれました。券売機の中で詰まっていたようです。ちょっとしたハプニングながら、慣れた様子で対応してくれました。
カウンター越しの厨房には店主とみられる男性、そして女性が2人で計3人。てきぱきと動く様子から、長年の連携を感じます。注文してから運ばれてくるまでは、体感で6分ほど。混雑している割にはスムーズですが、待っている間の私はソワソワしっぱなしでした。
驚くほど淡く美しい! 透き通ったスープに見とれる
注文したの看板の「中華そば」1000円。これがそのまま福島のご当地ものとなっている白河ラーメンなのだそうです。運ばれてきた瞬間、まずスープの透明感に見とれます。
醤油ベースであることは間違いないのに、スープの色は驚くほど淡く美しい。思わず写真を何枚も撮ってしまうほどで、中央に添えられたピンクのナルトがまた目を惹きます。一口すすると、あっさりとした優しい味わい。ほのかな酸味も感じられ、飲み飽きしません。派手さはないのですが、最後まで飽きずに飲み切れる、そんなスープでした。
正直、強い主張はないのですが、これがかえって毎日でも食べられそうな安心感があります。福島・白河ラーメンの名門「とら食堂」出身の店主が作る一杯だと知ると、この繊細な塩梅にも納得がいきます。
正直、強い主張はないのですが、これがかえって毎日でも食べられそうな安心感があります。福島・白河ラーメンの名門「とら食堂」出身の店主が作る一杯だと知ると、この繊細な塩梅にも納得がいきます。
チャーシューがまるで別皿級! 満足度の高さに驚き
そして、驚いたのはチャーシューの量。3枚とも見た目以上に一枚一枚が大きく、麺と一緒に頬張るたびに肉の存在感をしっかりと感じます。
脂身は少なめ、しっかり歯応えのある食感。燻製のような香ばしさもあり、素朴な味わいながら印象に残ります。チャーシュー麺ではないのに満足感が高く、お肉好きには嬉しい。
脂身は少なめ、しっかり歯応えのある食感。燻製のような香ばしさもあり、素朴な味わいながら印象に残ります。チャーシュー麺ではないのに満足感が高く、お肉好きには嬉しい。
メンマは少しコリッとした歯応え、ほうれん草はみずみずしく新鮮でした。そして何より、自家製の手打ち麺。
しっかりとした腰があり、つるつるシコシコとした食感で、最後の一本まですすりやすい。この麺だけでも、また食べに来たいと思わせる力がありました。食べ終わるまでスープが熱々のまま提供されているおかげで、麺が伸びることも一切ありませんでした。
途中、卓上のおろしにんにくを加えてみると、優しい味わいにぐっとパンチが加わり、味変としてかなりおすすめ。最初のあっさりした表情と、にんにくを加えた後のガツンとした存在感、この2度おいしいところも気に入りました。スッキリとした醤油だしと、もちもちの手打ち麺の組み合わせは、後を引く美味しさでした。
素朴な店の妥協なき中華そばで、帰り道は大満足
店内は普通の街中華です。壁には年季の入った貼り紙が並び、昭和的な雰囲気そのまま残る店。ですが、この飾らなさこそが、25年以上通い続ける常連客を作ってきた理由なのだろうと感じさせるてくれました。カウンター越しに麺打ちの様子をちらちら眺めながら食べる時間も、なんだか贅沢に感じられます。
食べ終えて店を出ると、来たときよりも日差しが少し強くなっていました。満腹感を抱えたまま、もう一度大原みねみち公園の小径をゆっくり歩いて戻ります。行きは空腹で急ぎ足だった道も、帰りは満たされた気持ちでのんびり歩けるから不思議。お腹も心も、両方満たされたような感覚でした。
この店を訪れたら「昔ながらのラーメン」に対する自分のイメージが少し変わりました。懐かしく優しいだけの味だろうという予想は良い意味で外れ、実際は透明感のあるスープと手打ち麺、たっぷりのチャーシューという、一切妥協のない中華そばでした。散策の締めくくりに、こんなごほうびのような一杯を用意しておくのも悪くないと、心から思いました。
白河中華そば
所在地/神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎南2-15-19
取材・文/SYURI
白河中華そば
所在地/神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎南2-15-19
取材・文/SYURI




















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