[インタビュー]チャリティーイベントを開催し続ける意味とは…/EARTH代表取締役 國分利治氏
アースが東日本大震災以来、ずっとおこなっているチャリティー活動。震災から9年が経ち、復興もだいぶ進み、募金活動なども当時に比べれば少なくなっていますが、アースは当時と変わらない活動をしているのはなぜか。その理由を國分社長に尋ねてみました。
編集部 震災の年からチャリティー活動をされているのは、社長が福島県出身というのもあるのでしょうか?
國分 そうだね、それも大きいかな。実は当初、地震の起こる前は、自宅のお披露目パーティの予定だったんだよね。でも、あの地震が起こって、なにか自分にできないかと思ってね。それで、自宅のお披露目パーティでなくチャリティーパーティに変更して4月の頭におこなったんだよね。それでその募金を全額寄付することに。
編集部 4月初めにですか!? けっこう批判も多かったんじゃないですか?
國分 そうだね、当時はやっぱり反対意見も多かったね…。
編集部 今年で9回目ということですが、そんなに長い間行っている理由はなんでしょうか?
國分 やっぱりこういうのって継続してやっていくのに意味があると思うんだよね。ぎゅっと一発でやるというものでもないと思っているから。
編集部 チャリティーパーティって日本だと不謹慎だという意見もありますよね? チャリティーイベントが盛んなアメリカだと、セレブたちが自分たちでも楽しみながらも、募金を募ることで、みんなが幸せっていう考えが強いみたいですが…。
國分 あんまり気にしたことなかったけど、さっきも言ったようにチャリティーって継続こそが力だと思うんだよね。例えば福島の場合は、地震の被害というよりも風評被害が大きいでしょ? それで子供たちがいじめられたり、野菜や果物などの農作物が売れないとか。そういうものって、なかなか消えないからこそ、しっかりと支援していきたい。だから、うちの場合、長く続かせるためにもゆるい感じでやっているんだよね。
編集部 それ以外にも何かおこなっていることがありますか?
國分 実際に現地に足を運んで、生の空気を体感することかな。うちの会社でも地震が起こってすぐに社員たちとシャンプーやマッサージなどのボランティアに向かった。今もそれを継続していて、福島で毎年3・11におこなわれる「福魂祭」というイベントでは、ブースを出展していて、ネイルケアやアートメイクをおこなっているんだよね。あと、「桜プロジェクト」といって、被災場所に桜を植えるプロジェクトにも参加している。現地の人の楽しい笑顔もそうだけど、そういった活動をすることで、幸せになれるという社員の教育にもなっているかと思うんだね。チャリティーだからといって、辛気臭くならずに笑顔を運ぶことが大切かなって思っていて。やっぱりサービス業である以上、どう人を幸せにするかが仕事だから。それで東北や福島が復興されていけば、みんな幸せでしょ?
お金ばかり出しているのがチャリティーではない
福島県出身ということもあり、東日本大震災が起こって、真っ先に行動に移した國分社長。「寄付だけじゃなく、現地でボランティアをおこなったりするのも、チャリティー活動のひとつだと思っています」とのこと。
みんなが楽しめるチャリティー活動
厳粛におこなうことも重要ですが長く続けるためにも、あまり堅くならずに行うのが國分社長流のチャリティー活動。ここではその内容をご紹介いたします。
震災を忘れないように桜を植えるプロジェクト
チャリティーパーティ以外に被災地に桜の花を植えて、満開の桜で被災地の人たちを笑顔にしつつ、震災を忘れないためにおこなわれている「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」に会社全体で参加。こちらもあまり厳粛になりすぎないように、桜の苗を植えつつ、現地の美味しい料理を食べて帰るなどしている。
自宅でお花見シーズンに開催しているチャリティーパーティ
参加者も楽しめるようにと、チャリティーパーティは毎年桜の花が咲く時期におこなっています。9年連続で開催し、今年は過去最高の来場者数の700名以上の参加者と514万円の寄付金が集まりました。ちなみに9年間の寄付金総額は5129万1721円に! 参加者の料理や飲み物を楽しんでいる笑顔こそ、國分社長の考えるチャリティーの在り方のひとつだそう。
●國分利治の今月の逸品
チャリティーパーティをおこなっている自宅を公開
9年間、こちらの自宅でずっとチャリティーパーティをおこなっている國分社長。
参加した人たちが楽しめるようにと、自宅にはプールや茶室などを設置。
またこちらのページでも紹介している趣味で集めているヴィンテージのバイクやフェラーリを置いているガレージも一見の価値があります。
そしてお風呂は窓を大きくとることで花見風呂ができるように。これで日頃の疲れがとれるとのこと。
EARTH 代表取締役 國分利治さん
1958年、福島県生まれ。30歳の時に、HAIR&MAKE EARTH 1号店をオープンし、現在は日本全国に240店舗を展開。その経験から、ヘアケア商品のプロデュースにも携わっている。夏はサーフィン、冬はスノボーが趣味で、最近はガーデニングにも夢中。近著に『地道力』(PHP研究所)がある。
http://hairmake-earth.com
問い合わせ先
アースホールディングス ☎0120-559-750