OUTDOOR
2025.10.09
【炭火焼き】七輪+日向備長炭で秋の旬を楽しむ!サンマときのこを焼いてみた
10月になり熱帯夜から一転、涼しい夜に。そんな秋の夜にピッタリなのが、旬の味をシンプルに楽しむ七輪料理。今回は炭にこだわり三大備長炭のひとつ宮崎県産の日向備長炭を使ってサンマときのこを焼いて楽しみます。
三大備長炭のひとつ「日向備長炭」を手に入れた

知人の燃料店から購入した、宮崎の日向備長炭。和歌山の紀州備長炭、高知の土佐備長炭に並ぶ三大備長炭のひとつです。
炭には黒炭と白炭の2種類があり、備長炭は温度を下げるための白い灰をかぶった見た目から白炭とされていて、触ってみると非常に硬く、叩くと金属のような音がします。
炭には黒炭と白炭の2種類があり、備長炭は温度を下げるための白い灰をかぶった見た目から白炭とされていて、触ってみると非常に硬く、叩くと金属のような音がします。

燃料店のご主人から「着火剤を使って熾した方が良い」と言われたので、アドバイス通りに着火。備長炭は火を熾すまでに時間がかかり、急激に温度が上がると爆発して跳ねる危険がある、ということが理由かもしれません。

実際に熾(おこ)してみるとなかなか赤くならず、手持ちの着火剤を3つ使用して、ようやく一部分が赤くなりました。今思えば炭熾し器があったので、それを利用した方がもっと早く出来たかもしれません。
火にかけるとキンキンと硬質な音を立てて赤くなる姿は、備長炭ならでは。
火にかけるとキンキンと硬質な音を立てて赤くなる姿は、備長炭ならでは。
炭火で焼きたい食材はサンマときのこ

食材は今年豊漁のサンマを中心に、秋らしいものとして、どんこしいたけや舞茸を用意しました。思えば去年もサンマを炭火で焼く企画を行いましたが、今回も出来上がりが楽しみです。

備長炭は煙が少なく、脂分がないきのこ類も煙が出にくく、炭火に適した素材だと思います。網に載せると徐々に水分が染み出してきて、滋味深い香りが漂ってきます。ただ、この日は炭が完全に赤くなる前に焼き始めてしまったので、やや水分が飛び過ぎてしまいました。備長炭は焼き始めの時間を計算して、時間に余裕を持って熾した方が良さそうです。
焼いている間の時間も楽しい、サンマと備長炭

きのこを焼いている間にしっかりと炭熾しができたので、メインのサンマを網に乗せます。数秒するとじりじりと皮が焼ける音が鳴り、細かな脂の滴が炭に飛び、燃えた部分がイルミネーションにようにピカピカ光っていました。
自分の顔にまで伝わってくる熱が備長炭のエネルギーの高さを感じさせます。涼しい秋の風が吹く屋外、待っている間も心地良く楽しい時間です。
自分の顔にまで伝わってくる熱が備長炭のエネルギーの高さを感じさせます。涼しい秋の風が吹く屋外、待っている間も心地良く楽しい時間です。

焼き上がり。肝心の味の違いは、先日食べたガス火調理とは明らかに違っていました。身に残った水分の量が多く、しっかり火が通っているのに、しっとりとした食感。個体差なのか備長炭の特性なのかわかりませんが、炭火にありがちな燻された香りはほとんどなかったのが意外でした。
ガスでも十分美味しいけど、やっぱり炭火で焼いたサンマは最高です。
ガスでも十分美味しいけど、やっぱり炭火で焼いたサンマは最高です。
赤く美しく光る備長炭は再利用可能でコスパ良い

キンキンに火が点いた備長炭は真っ赤に輝いて、美しさがあります。しかし七輪料理にありがちなのは、お腹いっぱいになった後に炭火がピークを迎えることです。一人でやるのもいいですが大勢でワイワイやる方が、無駄なく炭火を活用できるかもしれません。

ただ、備長炭は消壺に入れて冷ませば次回も使用できるので無駄になりません。こういった持ちの良さも燃料として優れている点ではないでしょうか。
翌日冷ましたものを確認してみましたが、しっかり形が残って硬さもそのままでした。また気が向いたら備長炭に火を点けて、のんびりと秋の夜を楽しみたいと思います。
翌日冷ましたものを確認してみましたが、しっかり形が残って硬さもそのままでした。また気が向いたら備長炭に火を点けて、のんびりと秋の夜を楽しみたいと思います。
取材・文/田中一馬